ザクセン信仰告白運動の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/13 13:53 UTC 版)
「ザクセン信仰告白運動」の記事における「ザクセン信仰告白運動の特徴」の解説
この信仰告白運動の中心概念は伝統的な家父長制下にあるキリスト者家族の擁護である。そのような家族こそが健全な社会の中心になると見なされている。多種多様な構成分子によって形成発展する社会は、家父長制キリスト者家族にとって脅威であると解釈されている。その考え方により、ジェンダー主流化、多文化主義、妊娠中絶、異性愛以外の性的志向の多様性等は拒絶されている。 ジャーナリストのジェニファー・シュタンゲはハインリヒ・ベル財団の委託で、ザクセン州における福音派信徒とその組織に関する調査をおこなった。彼女はザクセン・バイブルベルトという概念を創り出し、各種メディアにおいて報道された。加えて、この語は様々な学術書においても引用された。SBIが深く支持されているザクセン州南部、フォークトラントからエルツ山地一帯は保守的信仰に生きる地として知られている。加えて、ザクセン州南部は保守系活動団体「世界観に関する活動共同体と福音伝道集団」においても原理主義的前衛部隊の役割を担っているとシュタンゲは見なしている。この団体もザクセン州バイブルベルトにおいて活発である 。 この書において、シュタンゲはザクセン州教会の保守派懐柔策を批判的に見ている。SBIの成員は宣教活動を極めて重視しているため、州教会の福音宣教担当者に選出され易い。そのため、多くの保守派メンバーが州教会組織内に組み込まれ、一体化することで、外部からの批判から守られていた。彼らの宣教活動は各地域教会共同体に属するキリスト者家庭と聖書読書会グループと連携することで、新たな回心者を加えていくことになる。その結果、SBIの成員が活発な教会共同体において、外部とは隔絶した閉鎖集団が生成され、その共同体は強固な保守的信仰に生きることになる。交通インフラの面で不便な山間へき地という地域事情が、SBIの発展に有利に働いた。その結果、ザクセン州南部山間地帯の日常生活にまで影響力を持つに至ったと考えられる。ミヒャエル・ルーマン (ゲッティンゲン大学付属民主主義研究所)によると、SBIの背後には超保守的信仰、福音派信仰、右翼ネットワークが存在していると見なしている。ミヒャエル・ルーマンはSBIを教会共同体に奉仕する兄弟団、共同体ネットワークと名付けた上で、政治的には極右ポピュリスト政党・ドイツのための選択肢に近い集団であると見ている。SBIの活動が活発な地域はドイツのための選択肢 (AfD) への支持がドイツで最も高い地域でもある。
※この「ザクセン信仰告白運動の特徴」の解説は、「ザクセン信仰告白運動」の解説の一部です。
「ザクセン信仰告白運動の特徴」を含む「ザクセン信仰告白運動」の記事については、「ザクセン信仰告白運動」の概要を参照ください。
- ザクセン信仰告白運動の特徴のページへのリンク