サレルノへの上陸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 05:09 UTC 版)
「イタリア侵攻 (第二次世界大戦)」の記事における「サレルノへの上陸」の解説
アヴァランシェ作戦、アメリカ合衆国第5軍によるサレルノへの上陸作戦は、9月9日に奇襲の効果を与えるため、事前の海軍による艦砲射撃や航空機による爆撃なしに攻撃が行われた。しかし、海軍の指揮官が予測したような戦術的奇襲は実現しなかった。第36歩兵師団の第一波は、パエストゥムのある海岸に近づいた。上陸地点からは拡声器によって英語で「上陸後、降伏せよ。我々はお前たちを丁重に扱う。」しかし、連合国軍の部隊はそれを無視して攻撃を行った。 イギリス第46歩兵師団、第56歩兵師団とアメリカレンジャー部隊とイギリス海兵隊のコマンド部隊から構成される、第10軍団はその上陸にたいして異なった反応があった。レンジャー部隊は、抵抗なく上陸でき、目的である山道を押さえた。コマンド部隊は、軽い抵抗に遭遇したが、サレルノの町を迅速に占領することができた。一方、2個歩兵師団は、強固な抵抗に遭遇し、艦砲射撃の力を借りないと内陸への進路を勝ち取ることができなかった。ドイツ軍の抵抗の深さとその強度はイギリスの指揮官に南方のアメリカ軍との接続を図るよりも部隊を集中させることを強要させた。パエストゥムにおいて、ドイツ軍は砲と機関銃座を設置し、上陸地点からの前進が困難となるように戦車を分散配置した。第36歩兵師団は直前まで戦闘状態になく、ゆっくりと部隊編成を行ない、海岸の占拠を成功させた。07:00ころまで、第16装甲師団による反撃が行われた。この反撃により損害を大きく出したが、艦砲射撃の支援によりこれを撃退することができた。南では、第141歩兵連隊第1大隊が戦闘により一日中釘付けとなり、無線通信の圏外となった。 イギリス軍とアメリカ軍の海岸堡は5マイルの間隔があったため、その地域の全てはイギリスの2個師団に割り当てられた。軍団の境界線は第10軍団の作戦を容易にするため、再度引きなおされ、安全となっていない領域のほとんどの地域は第6軍団に割り当てられた。2つの戦力はその日の終わりに接続し、海岸線に沿って35 - 45マイル(55 - 70km)の幅、深さ6 - 7マイル(10 - 12km)の領域を占領した。
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