コピーライト、GNUライセンスと管理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 08:46 UTC 版)
「GNU」の記事における「コピーライト、GNUライセンスと管理」の解説
フリーソフトウェア財団は既存のプロジェクトへの小規模な変更のリリースをパブリックドメインとすることが無難だと考えているが、GNUプロジェクトでは、その貢献者に対してGNUパッケージの著作権をフリーソフトウェア財団に譲渡することを推奨している。ただしこれは必須ではない。パッケージのメンテナは自身が維持するGNUパッケージの著作権を維持することができるが、使用される(GNU GPLのような)ライセンスは著作権保持者しか強制させることができないので、この場合はフリーソフトウェア財団ではなく著作権保持者がライセンスを強制する。 GNUに必要なソフトウェアの開発のため、ストールマンはユーザーがフリーソフトウェアを共有し変更する自由を保障することを目的とした、GNU General Public Licenseと呼ばれるライセンスを書いた(最初はEmacs General Public Licenseと呼ばれた)。彼はジェームズ・ゴスリンとのUniPressと呼ばれるプログラムに対するGNU Emacsプログラムにおけるソフトウェアコードの使用についての論争をめぐる経験をふまえてこのライセンスを書いた。1980年代のほとんどの期間において、Emacs General Public LicenseやGCC General Public LicenseのようにGNUパッケージごとに個別のライセンスが存在した。1989年にFSFはGNUプロジェクトのソフトウェアだけでなく全てのソフトウェアに使用できる単一のライセンスであるGNU General Public License (GPL) を発表した。 現在GPLはGNUソフトウェアのほとんどで使われており、GNUプロジェクトとは関係のないフリーソフトウェアでもよく使われている。GPLは最も一般的に使用されるフリーソフトウェアライセンスである。GPLでは、著作物の受領者はそれを実行し、複製し、修正し、再配布できるが、その再配布物のライセンスに制限を加えることを許さない。この思想はコピーレフトと呼ばれることが多い。 1991年、GNU CライブラリをプロプライエタリソフトウェアとリンクできるようにするためにLibrary General Public Licenseとして知られるGNU Lesser General Public License (LGPL) が書かれ、さらにGNU GPLのバージョン2がリリースされた。2000年には文書用にGNU Free Documentation Licenseが書かれた。GPLとLGPLは2007年にバージョン3に修正され、ユーザーが自身のデバイスで修正されたソフトウェアの実行を妨げるハードウェアの制限(英語版)からユーザーを保護するための条項が追加された。 GNUプロジェクトのライセンスは、GNU独自のソフトウェアパッケージだけではなく、GNUが直接的には作成していないソフトウェアプロジェクト(あるいはパッケージ)でも使用されている。GNUソフトウェアと組み合わせて使用されることが多いソフトウェア、例えば、Linuxカーネルなどがその代表である。一方、対照的に、Unix系のGUI環境を構築するX Window Systemは、Linuxディストリビューションでも標準的に使用されてきたソフトウェアパッケージであるが、こちらはGNUライセンスではなく、パーミッシブ・ライセンスに基づいてライセンスされる。前者が多数派であり、後者は少数派である。
※この「コピーライト、GNUライセンスと管理」の解説は、「GNU」の解説の一部です。
「コピーライト、GNUライセンスと管理」を含む「GNU」の記事については、「GNU」の概要を参照ください。
- コピーライト、GNUライセンスと管理のページへのリンク