コトジツノマタ Chondrus elatus Holmes
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からだは細く幅の変わらないやや平たい円柱状。潮間帯下部の波あたりの強い岩上に盤状付着器から叢生する。からだの上方で規則正しい叉状に分枝する。腋は広く先端は尖らない。皮層は小型の長円形の細胞が表面に垂直に配列し,皮下層は円形の細胞が3~5層並ぶ。髄層は仮根様細胞からなる。手触りは平滑で弾力がある。生体は黒みがかった濃紫色~濃褐色だが,押し葉標本にすると黒色になる。 押し葉標本は台紙につかない。
「ながまた」,「おおまた」などの地方名があり,糖尿病などに効く健康食品としても比較的高価に取引されている。銚子では『かいそうこんにゃく』として食用とする(下写真参考)。銚子では「かいそう」と言えばコトジツノマタをさす事もあるほど,親しまれている。イボツノマタの大型のものに似る事があるが,コトジツノマタはからだのへりが反り返らず,平面的であることで区別できる。ちなみに、コトジツノマタの「コトジ」とは二叉に分枝する枝の形が、琴の弦を支える琴柱に似ている事に由来している。
高さ:20~30cm 幅:3~5mm
琴柱角叉
琴柱鹿角菜
コトジツノマタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 00:49 UTC 版)
コトジツノマタ | ||||||||||||||||||||||||
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コトジツノマタ(国立科学博物館展示)
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Chondrus elatus Holmes |
コトジツノマタ(琴柱角叉、学名:Chondrus elatus)は紅藻の真正紅藻綱に属するスギノリ科ツノマタ属の海苔の1種である[1]。
生息地域
日本では本州の太平洋沿岸の茨城県以南に分布する[2]。かいそう(海藻)、けーそー、ながまた(長又)と呼んでいる地方もある[2][3]。
千葉県の外房地域では単に「海藻(本海藻)」と呼んだ場合には、コトジツノマタを指す[2]。
外観
高さは25センチメートルほど[2]。細く、扁平であり、上部で数回叉状に枝分かれする[2]。色は赤褐色や暗紫紅色[2]。手触りは硬い[2]。
類似する海藻
ツノマタと比較した場合、コトジツノマタのほうが赤味があり、ツノマタのほうが褐色をしている[1]。
利用
カラギーナンの含有量が多く[2]、日本海側で採れるエゴノリ同様に食用として利用される[1][3]。
コトジツノマタをコンニャク状に固めたものを千葉県銚子市ではかいそう、茨城県鹿島灘沿岸では海藻寄せとして食されている[1][3]。
名称

海藻の先端が箏の弦を保持する駒である「琴柱(ことじ)」に似ることから、「ツノマタ」は鹿の角のように股状になっていることが名前の由来である[1]。
出典
外部リンク
コトジツノマタと同じ種類の言葉
ツノマタに関連する言葉 | オオバツノマタ コトジツノマタ イボツノマタ ツノマタ |
固有名詞の分類
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