クーデター後の経済状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 23:37 UTC 版)
「2013年エジプトクーデター」の記事における「クーデター後の経済状況」の解説
GDP成長率 2013年7-9月期のGDP成長率は1.04%に低下した(前年同期は2.1%)。クーデター前の2013年4-6月期の成長率は1.5%だった。 観光 一連の混乱や、ギザの大ピラミッドの閉鎖などから、観光客が激減し、観光業が多大な被害を受けた。8月31日に世界遺産でもあるアブ・シンベル神殿を訪れた観光客はわずかに1人だけだったと伝えられている。また、ホテルの稼働率が低下し、ターバやシャルム・エル・シェイクでは、一時営業停止するホテルも出ている。なお、エジプトへの観光客数は、クーデターの起きた7月が前年同月比で24.5%減少、デモ隊強制排除の行われた8月は前年同月比で約46%減、9月は5万人(前年同月約100万人) と前年比減少が続いている。また、エジプト中央銀行の発表によると、2013年7-9月期の観光収入は9億3110万米ドルで、ムルシー政権期の前年同期比64.7%減であった。なお、2013年の観光収入は、前年比41%減であったと観光大臣により発表されている。 失業 2013年第3四半期の失業率は13.4%で第2四半期から0.1%上昇にとどまったが、都市部に限ると15.9%から16.7%へ上昇した。 インフレ インフレは昂進している。エジプト中央銀行発表の数値によれば、ムルシー政権期にインフレ率が前年同月比で10%を超えた月はなかったが、クーデター後は7、9月、10月の3度10%台となり、11月はついに12%を超え、食品・飲料価格も、クーデターの起きた7月以降5ヶ月連続で前月比で上昇している。また、生鮮野菜の価格は8月が前月から6.09%、9月は前月から3.35%上昇、10月には生鮮野菜の価格は先月からの上昇率が0.28%とおさまったが、その一方で供給不足から一般家庭での調理などに使われるブタンガスボンベの価格が先月から20%以上上昇した。 財政赤字 会計年度2013/14第1四半期(7-9月)の財政赤字額は599億エジプトポンドとなり、ムルシー政権時代の前年同期の508億エジプトポンドを上回った。なお、暫定政権は2014年1月からの公務員の最低賃金引き上げを発表している。 その他 暫定政権によって出されていた夜間外出禁止令(現在は解除)のために運輸業などに悪影響が出た。また、回復傾向にあった自動車販売台数 が、クーデターの起こった7月は前年同月比で42%減少した。
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