オラクルによる買収
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 10:18 UTC 版)
「サン・マイクロシステムズ」の記事における「オラクルによる買収」の解説
2009年3月18日にはIBMによるサンの買収が交渉中と報道されたが、2009年4月20日には、オラクルによる74億ドルでの買収が発表された。同年9月、オラクルはSPARCやSolarisについて「より一層の投資を確約」する広告を出した。当買収によるデータベース市場などへの独占禁止法上の調査が行われたが、米司法省は8月、欧州委員会は2010年1月21日に、当買収を承認し同月27日に買収が完了した。買収後、オラクルの完全子会社としてわずかの間存在したが、同年2月にオラクルの子会社であるオラクルUSA (Oracle USA, Inc.) と合併しオラクル・アメリカ (Oracle America, Inc.) となった。 そもそもサンは数あるITベンダーの中でも、多額の投資によって開発した先進的な技術を独占的に使用しようとするのではなく「業界全体の進歩のため」という理由で惜しげもなく公開してしまうという極めてオープンなスタンスを取っていた。また、オープンソース系のコミュニティに対する支援にも極めて積極的であり、そのような姿勢が多くの技術者から支持を受けていたことが同社の経営上の資産でもあった。しかしながらそれらの技術者たちは、比較的クローズドな戦略が目立つ合併先のオラクルに対して決していい印象を持っている者ばかりとは言えない。実際に、OSであるSolaris本体、パッチの有償化などの大きな方針転換が行われたことや、競合となったヒューレット・パッカード社のハイエンドサーバー向けのCPU、Itaniumに対する全てのソフトウェアの開発中止が発表されるなど、IT企業として決して非常識ではないものの、従来のサンではまず考えられないような戦略が次々と展開されていることから、従来からのファンの「サン離れ」が懸念される状況となっている。 また一方で、サンの強力なハードウェア上にそのアーキテクチャに高度にチューニングされたOracleデータベースをすでにインストールした状態で出荷されるデータベース専用ハードウェア、Exadata(英語版)シリーズが発表され、極めて好調な売り上げを記録しているなど、合併による相乗効果も着実に上がっており、市場関係者からはこの合併を高く評価する声も多い。
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