オニギシ
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「オニギシ」 | |||||||||||||||||||
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三兄弟(横山裕・渋谷すばる・安田章大)の楽曲 | |||||||||||||||||||
収録アルバム | 『KJ1 F・T・O』 | ||||||||||||||||||
リリース | 2006年3月15日 | ||||||||||||||||||
規格 | |||||||||||||||||||
ジャンル | |||||||||||||||||||
時間 |
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レーベル | |||||||||||||||||||
作詞者 | ユウ[注 1] | ||||||||||||||||||
作曲者 | チパ[注 1] | ||||||||||||||||||
カバー | |||||||||||||||||||
横山裕(ソロ)
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『オニギシ』は、三兄弟(横山裕・渋谷すばる・安田章大)の楽曲[1][2][3]。2006年3月15日に関ジャニ∞の1枚目のフル・アルバム『KJ1 F・T・O』の収録曲[注 2]としてテイチクレコードから発売された[1][2][3]。作詞は横山が「ユウ」名義で、作曲は安田が「チパ」名義で担当している[注 1]。2025年6月9日には、横山の1枚目のフル・アルバム『ROCK TO YOU』にセルフカバーが収録された[4][5][6][7]。
概要
- 本曲は、関ジャニ∞(当時)の横山裕・渋谷すばる・安田章大によるユニット・三兄弟の楽曲である[1][2][3]。
- 作詞は横山が「ユウ」名義で、作曲は安田が「チパ」名義で担当している[注 1][2][8][3]。
- 本曲は、作詞を担当した横山が、女手ひとつで苦労して育ててくれた母親との幼少期の思い出を、ユーモアを交えて描いた楽曲となっている[9][10][11][12][13][14][15][3]。
- 2006年3月15日に発売された関ジャニ∞の1stアルバム『KJ1 F・T・O』の通常盤の初回プレス分の特典CDに収録された[1][2][3]。
- 同年に開催された関ジャニ∞のライブツアー『関ジャニ∞ CONCERT TOUR 2006 Funky Tokyo Osaka Nagoya』[16][17][18]や『関ジャニ∞ 全国1-st tour 2∞6』にて、関ジャニ∞のメンバー全員による演奏でのアコースティックバージョンが披露された[19][20]。
- 2010年に開催された横山のソロライブツアー『横山YOUがヤっちゃいます〜3 2010春』にて、横山のソロバージョンが披露された[2][9][10][21]。
- 2025年6月9日には、横山のソロ1stアルバム『ROCK TO YOU』にて、横山によるセルフカバーが収録された[4][5][6][7]。
制作
楽曲
本曲は、関ジャニ∞(当時)の横山裕・渋谷すばる・安田章大によるユニット・三兄弟の4曲目の楽曲として、2005年の冬頃に制作された[22]。
本曲は、同じく三兄弟の楽曲「プリン」と共に2006年に発売された関ジャニ∞の1stアルバム『KJ1 F・T・O』の通常盤の初回プレス分の特典CDに収録されているが[1][2][3]、この2曲の収録は、横山らが当時所属レコード会社だったテイチクエンタテインメント側に「ファンの方の評判も良いですよ?」「特典で良いから一回入れてみませんか?」と直談判したことがきっかけで収録が決まった[23]。
2006年に開催された関ジャニ∞のライブツアー『関ジャニ∞ CONCERT TOUR 2006 Funky Tokyo Osaka Nagoya』[16][17][18]や『関ジャニ∞ 全国1-st tour 2∞6』では、関ジャニ∞のメンバー全員の演奏によるアコースティックバージョンで披露された[19][20]。
作詞
これまでの三兄弟の楽曲と同様に、「ユウ」名義で横山が作詞を担当している[注 1][2][8][3]。
本曲は、横山が女手ひとつで苦労して育ててくれた母親との幼少期の思い出を、ユーモアを交えて描いた楽曲となっている[9][10][11][12][13][14][15][3]。なお、「ちょっとしょっぱいオニギシ」という歌詞などは実話であり、「でもそれが僕にとっての母親の味」だという[12][13]。
本曲では、楽曲を通して母親に「ありがとう」と伝えたかったという[12]。
レコーディング
本曲の三兄弟でのレコーディングは、安田の演奏によるアコースティック・ギターとブルースハープのみとなっている[23][12]。
アルバム『KJ1 F・T・O』に収録する前にライブで披露していた時には横山が口笛を吹いていたが、横山いわく「せっかくCDにするんだったらもっと雰囲気を出そう」という理由から、安田がレコーディング前に楽器屋でブルースハープを購入し、ブルースハープのレコーディングを行ったという[12]。
セルフカバー
2010年の横山のソロライブツアー
2010年に開催された横山のソロライブツアー『横山YOUがヤっちゃいます〜3 2010春』では、横山によるソロバージョンで披露された[2][9][10][21]。
同ツアーの会場ビジョンには、幼少時代の横山の写真などが写し出される演出が施された[2]。
同ツアーの大阪・大阪城ホール公演(2010年4月2日 - 4日開催)には横山の母親が来場し、母親から「アンタ、凄いな」と言われたという[8][15]。横山は「一人で大阪城ホールに立ったところを見てもらえたのは最高の親孝行ができた」と語っている[8]。
青森公演当日の母親の急逝
2010年5月16日、同ツアーの青森・青森市文化会館公演の当日に、横山の母親が虚血性心疾患により、50歳で急逝した[9][10][13]。
横山には開演4時間前に訃報が伝えられ、大きなショックを受けたものの、ライブは予定通り開催した[9][13]。
同公演で本曲を歌う前に、「僕は家族が大好きです。親に感謝は忘れないでください。親がいることは当たり前ではないですから」とファンに向けて語ったという[13]。これは自身が母親に「ありがとう」という想いを伝えられないまま死別したため、そのことをとても悔やんでおり、「ファンの人には、そんな思いさせたくない」と考えたからである[13]。しかし、本曲の歌唱中に涙が止まらなくなり、客席に背中を向けて歌えなくなってしまったという[14][8][15][24][25]。
その後、2021年頃までは心の整理がつかず、当時は本曲を歌うことも、母親のことを話すこともできなかったという[26][14][8]。しかし、時間の経過とともに少しずつ心の整理がついていき、弟たちと母親との思い出を語り合うことも増えていったことで、「母親のことを思い出すことも良いことなんだろうな」と思えるようになっていったという[26][14][8]。
横山のソロアルバムへの収録
2025年に発売された横山のソロアルバム『ROCK TO YOU』にて、横山のソロバージョンが収録されている[4][5][6][7]。
元々は、2021年に発売された関ジャニ∞の10thアルバム『8BEAT』の完全生産限定盤の特典CDに収録される各メンバーのソロ曲として、本曲のソロバージョンが当初予定されていたが、同作収録のTOKIOの城島茂から楽曲提供を受けた「ココロに花」が同じく「母親」をテーマにしていたため、横山が「同じテーマの曲がアルバムに2曲入っているのは良くない」と考え、同作への収録は見送りになっていた[注 4][3]。この時期に母親の死に対する整理がついたといい、「次のチャンスがあれば絶対に形にしたい」と考えていたという[21]。
そうした心境の変化があったタイミングでソロアルバム『ROCK TO YOU』の制作が始まり、「絶対にこの曲は収録したい」という強い想いから同作への収録が決まった[26][8][15][24]。なお、横山は「多分5年前だったらできなかったと思う」と語っており、自分の気持ちの整理がついたこのタイミングだからこそ、ソロバージョンの収録が実現したという[14][8]。
横山は、同作でのレコーディング中は母親に想いを馳せてしまったといい、「亡くなった人を思い出すことがいちばんの供養になる」という話を知っていたため、今回のソロバージョンの収録によって「きっとオカンも喜んでくれてるのではないか」と語っている[21]。
前述の通り、母親の訃報を受けた青森公演では涙が止まらなくなり、歌えなくなってしまった経験があったため、今回のソロツアー『ROCK TO YOU LIVE TOUR』では、当時歌えなかった「リベンジ」として「今もう一度、純粋な気持ちで歌いたい」との想いから、今回のツアーでは「青森だけは絶対にやらせてほしい」「同じ会場でやりたい」と希望し、同じリンクステーションホール青森(当時:青森市文化会館)でのソロライブが実現したという[26][14][8][15][24][25]。
横山は今回のソロアルバムへの収録に対し、「母親がいることが当たり前ではない」ということを伝えたかったといい、横山自身が年を重ねて本曲を歌うことで、より説得力が増していると考えている[21]。
三兄弟の原曲ではアコースティック・ギターとブルースハープのみだったが[12]、ソロバージョンでは横山と親交の深い村上サトシによるピアノアレンジが施されている[21]。
プロモーション
2006年
- 3月15日、関ジャニ∞の1stアルバム『KJ1 F・T・O』の通常盤の初回プレス分の特典CDにて、本曲が「三兄弟」名義で収録された[1][2][3]。
- 5月3日 - 6月4日、関ジャニ∞のライブツアー『関ジャニ∞ CONCERT TOUR 2006 Funky Tokyo Osaka Nagoya』にて、関ジャニ∞のメンバー全員による演奏でのアコースティックバージョンが披露された[16][17][18]。
- 9月9日 - 10月28日、関ジャニ∞のライブツアー『関ジャニ∞ 全国1-st tour 2∞6』にて、前ツアーと同様に関ジャニ∞のメンバー全員による演奏でのアコースティックバージョンが披露された[19][20]。
- 9月17日、NHK BS2『ザ少年倶楽部プレミアム』にて、本曲がテレビ初披露された[27]。
2010年
2025年
- 5月18日、横山のソロファンクラブ『ROCK TO YOU』の発足を記念して行われた無料生配信(FAMILY CLUB online)にて、後述のソロアルバム『ROCK TO YOU』の「超先行"全曲"試聴会」が実施され、本曲の収録などが発表された[28][4][5][6][7]。
- 5月31日、ROCK TO YOUのInstagramにて、本曲のレコーディング映像の一部が公開された[29]。
- 6月9日、本曲が横山のソロアルバム『ROCK TO YOU』の収録曲として発売された[4][5][6][7]。
- 6月10日、各配信サイトにて本曲のデジタル配信が開始された[30]。
クレジット
作詞・作曲・編曲
参加ミュージシャン
※特記のない限りはアルバムクレジットより。
- 三兄弟
- 横山裕
収録作品
アルバム
- 三兄弟(関ジャニ∞)
-
- 1stアルバム『KJ1 F・T・O』(通常盤〈初回プレス〉 特典CD)
- 横山裕
-
- 1stアルバム『ROCK TO YOU』
映像作品
ライブ映像
- 三兄弟(関ジャニ∞)
-
- 3rdライブDVD『Heat up!』
テレビ歌唱
- ザ少年倶楽部プレミアム(2006年9月17日、NHK BS2)[27]
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g Songs 2006, p. 13
- ^ a b c d e f g h i j k l m ARENA37℃ 2010, p. 11
- ^ a b c d e f g h i j k Talking Rock 2025, p. 91
- ^ a b c d e “6/9発売『ROCK TO YOU』収録曲情報解禁!縁のある音楽人たちが集結!”. 「ROCK TO YOU」OFFICIAL SITE (2025年5月18日). 2025年6月13日閲覧。
- ^ a b c d e “SUPER EIGHT横山裕、初ソロアルバム収録内容発表 渋谷すばる共作曲&Aぇ! groupカバー曲も”. ORICON NEWS. (2025年5月18日) 2025年6月13日閲覧。
- ^ a b c d e “横山裕ソロアルバムに渋谷すばる参加曲、ボーナストラックにはAぇ! groupカバー”. 音楽ナタリー. (2025年5月18日) 2025年6月13日閲覧。
- ^ a b c d e “SUPER EIGHT横山裕、ソロアルバム収録楽曲解禁 渋谷すばるとの楽曲・Aぇ! group「神様のバカヤロー」カバーも”. モデルプレス. (2025年5月18日) 2025年6月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j MG 2025, p. 95
- ^ a b c d e f g "関ジャニ・横山の母、急死". スポーツ報知. 2010年5月22日. 2010年11月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月13日閲覧。
- ^ a b c d e f "関ジャニ∞横山裕、母の急死にしみじみ". デイリースポーツ. 2010年5月23日. 2010年5月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月13日閲覧。
- ^ a b “関ジャニ∞・横山裕、その人気の源は?気配り上手な苦労人の魅力を探る”. リアルサウンド. (2015年7月19日) 2025年6月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h Songs 2006, p. 5
- ^ a b c d e f g Myojo 2012, p. 147
- ^ a b c d e f g anan 2025, p. 84
- ^ a b c d e f 音楽と人 2025, p. 47
- ^ a b c WiNK UP 2006, p. 27
- ^ a b c POTATO7 2006, pp. 62–63
- ^ a b c ポポロ 2006, p. 9
- ^ a b c POTATO11 2006, p. 71
- ^ a b c Myojo 2006, p. 40
- ^ a b c d e f g h Talking Rock 2025, p. 92
- ^ 『『三兄弟』オリジナルジャケット』テイチクエンタテインメント、2006年3月15日、2頁。
- ^ a b POTATO4 2006, p. 71
- ^ a b c TVガイドPERSON 2025, p. 9
- ^ a b Talking Rock 2025, p. 95
- ^ a b c d CUT 2025, p. 73
- ^ a b “国分太一 関ジャニと初共演”. デイリースポーツ. (2006年9月6日). オリジナルの2007年11月28日時点におけるアーカイブ。 2025年6月13日閲覧。
- ^ “5/18(日)20:00〜FC発足記念生配信にて、AL「ROCK TO YOU」の超先行全曲試聴会の開催が決定!”. 「ROCK TO YOU」OFFICIAL SITE (2025年5月17日). 2025年6月13日閲覧。
- ^ ROCK TO YOU [@ROCK_TO_YOU69] (2025年5月31日). "【#ROCK_TO_YOU 】AL『ROCK TO YOU』収録「#オニギシ」 作詞:#横山裕 作曲:安田章大 編曲:Peach Instagramリールにて #Recording ムービーを公開。". X(旧Twitter)より2025年6月13日閲覧。
- ^ “AL『ROCK TO YOU』まとめ配信決定!さらにリスニングパーティーの開催も決定!”. 「ROCK TO YOU」OFFICIAL SITE (2025年6月6日). 2025年6月13日閲覧。
参考文献
- 西林洋子、須永貴子「Full Harmony 関ジャニ∞」『POTATO』2006年4月号、Gakken、2006年3月7日、65-72頁。
- ビッグ・バン・センチュリー、池村季子「関ジャニ∞ 1stフル・アルバム「KJ1 F・T・O」」『月刊Songs』2006年5月号 vol.41、ドレミ楽譜出版社、2006年4月15日、2-13頁。
- 佐藤尚生、吉岡由季「関ジャニ∞ 速報!66枚のナイスショットで、ツアー初日を完ぺきレポート おもしろカッコいい!150分のパワフル・ステージ」『ポポロ』2006年7月号、麻布台出版社、2006年5月23日、4-9頁。
- MINA MURASHIMA「関ジャニ∞ CONCERT TOUR 2006 Funky Tokyo Osaka Nagoya」『WiNK UP』2006年7月号、ワニブックス、2006年6月7日、25-27頁。
- 西林洋子「関ジャニ∞ CONCERT TOUR 2006 Funky Tokyo Osaka Nagoya」『POTATO』2006年7月号、Gakken、2006年6月7日、60-64頁。
- 須永貴子「関ジャニ∞ 全国1-st tour 2∞6」『POTATO』2006年11月号、Gakken、2006年10月7日、68-71頁。
- 「関ジャニ∞ コンサートツアーin札幌 本番&リハ報告」『Myojo』2006年12月号、集英社、2006年10月23日、40-41頁。
- 榑林史章「横山裕(関ジャニ∞) ソロライブツアー第3弾「横山YOUがヤっちゃいます〜3 2010春」」『ARENA37℃』2010年7月号、音楽専科社、2010年5月27日、4-13頁。
- 水野光博「10000字ロングインタビュー『裸の時代〜僕がJr.だったころ〜』[第11回] 横山裕」『Myojo』2012年3月号、集英社、2012年1月23日、143-147頁。
- 粉川しの「横山裕 ROCK TO YOU 裸一貫で臨む大きな挑戦。初のソロアルバムを語る」『CUT』No.481 2025年6月号、ロッキング・オン、2025年5月19日、66-73頁。
- 望月リサ「横山裕(SUPER EIGHT) 魂の、武者修行。」『an・an』No.2448、マガジンハウス、2025年5月28日、78-87頁。
- 小松香里「gravure & interview 横山裕」『MG』NO.29、東京ニュース通信社、2025年5月29日、90-97頁。
- 金光裕史「横山裕 繋がりは永遠に」『音楽と人』2025年7月号、音楽と人、2025年6月5日、40-49頁。
- 高瀬純「横山裕 戦う大人は美しい」『TVガイドPERSON』vol.154、東京ニュース通信社、2025年6月6日、4-15頁。
- 中屋璃南「横山裕」『Talking Rock!』2025年7月号、トーキングロック、2025年6月9日、84-95頁。
外部リンク
- 三兄弟(関ジャニ∞)
- 横山裕
- 特設サイト
- 「ROCK TO YOU」OFFICIAL SITE - INFINITY RECORDS
- YOU YOKOYAMA -solo project- ROCK TO YOU - ファミクラストアオンライン
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- ROCK TO YOU - Storm Labels
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