ウイスキー事業の展開
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「金龍 (山形県)」の記事における「ウイスキー事業の展開」の解説
2017年5月24日、金龍が遊佐町の鳥海山麓にウイスキーの蒸留所を新設し、ウイスキー事業に乗り出すことが発表された。金龍のある北隣の鳥海山の伏流水が豊富な遊佐町の吉出地区に敷地約4,550m2(内蒸溜所面積約620m2)を選定・確保し、2018年に遊佐蒸溜所として竣工した。ウイスキー製造に必要なポットスチルはスコットランド(フォーサイス社)に発注した。同年11月から稼働し、3年以上の熟成期間を設け、2022年2月、製造した「ファーストエディション2022」の約8500本が国内外で発売される、県内では1500本ほどが出回る予定。 製法や熟成法もスコットランドの方式を採用し、「シングルモルト」のみに絞った製造を行う。蒸溜所の施設は大量生産が行えるほど広くはないが、その代わりに質の高いウイスキーの製造を目指している。5つある発酵槽は、カナダ産のダグラスファー(ベイマツ)を使用。 焼酎専門メーカーがウイスキー事業を始めた背景に、人口減少に伴い市場が縮小することへの懸念が挙げられている。これまで金龍の売り上げの95%が県内で占めており、焼酎に次ぐ経営の柱を作ることを考えた際に、ハイボールのブームや高級ウイスキーの支持によるウイスキー市場の拡大に金龍は着目した。海外で日本産ウイスキーの評価が高まっていることや、人口世界一の中国などの需要増で世界的にウイスキーが不足しているという状況から市場の拡大を見込み、全国、海外販売も視野に入れ踏み込んだという。 遊佐蒸溜所は山形で初めてのウイスキー蒸溜所であり、東北地方では宮城県仙台市にあるニッカウヰスキー仙台工場宮城峡蒸溜所、福島県郡山市にある笹の川酒造に続く3番目の蒸溜所である。
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