インディアンと飲酒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 19:20 UTC 版)
「ネイティブ・アメリカン」の記事における「インディアンと飲酒」の解説
メキシコと、国境付近の一部の部族を除けば、インディアンには酒造の文化がなく、飲酒をコントロールすることができない。このため、彼らには飲酒のペースといったものがなく、一壜あれば、一壜を一気に飲み干して泥酔してしまう。かつて白人が、彼らと不平等な条約を結ぶ際、多量のウィスキーを持ち込んだことはよく知られた事実である。こうした人々が保留地で自活の道を絶たれ、アルコール依存症となるのは、エスキモーやアボリジニなど他国の先住民にも見られる問題である。完全禁酒を掲げる部族自治区も多い。 アルコールは、インディアンにとって永らく失業に伴う暇つぶしであり、また白人にとってインディアンに対する政治的圧力の手段だった。アメリカ版「タイム」誌は、ある中西部の保留地の、4,600人の成人のうち、男性21%、女性44%が、3年間に少なくとも一回、酩酊の理由で逮捕されたとし、多くの保留地では、インディアン達が外の街で酔っ払って、家へ戻る途中に自動車事故で死なないようにと、保留地でバーや酒店を開けるようにしていると報告している。 「NIYC(全米インディアン若者会議)」副議長を務めたポンカ族のビル・ペンソニューが、1969年2月24日に、上院インディアン教育小委員会の前で述べた証言のなかの以下の一節は、アルコールの問題についての議論の際に、よく引き合いに出される一文である。 「我々はワインにひたすら没頭する。なぜなら、酔いつぶれているときだけが、唯一我々インディアンが自由な時だからだ。」
※この「インディアンと飲酒」の解説は、「ネイティブ・アメリカン」の解説の一部です。
「インディアンと飲酒」を含む「ネイティブ・アメリカン」の記事については、「ネイティブ・アメリカン」の概要を参照ください。
- インディアンと飲酒のページへのリンク