アニメに対するスタンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 23:39 UTC 版)
2004年の浜野保樹との対談では、「ここ10年でよかったのは『人狼 JIN-ROH』(沖浦啓之監督)と『マインド・ゲーム (アニメーション映画)』(湯浅政明監督)くらい」と述べ、理由を「(アニメは)ちょっと気になるのは見るのですが、「これはすごいぞ」と思えるのは好みですが、ここのところあんまりない。「何見てもうんざりする」というか(笑)」と話している。『人狼 JIN-ROH』に関しては、地味な芝居を丹念に描き、アニメの気持ち悪さがないのが良いとしている。原の言うアニメの気持ち悪さとは、「気持ち悪いキャラや、それに合わせて気持ち悪い声を出す声優や、勘違いした演出家などが放つ自意識過剰なナルシシズムとかろくでもないもの」とのこと。 この発言について、原は2010年に「昔かなりはっきり言ったことがありますけど、実際はそこまで嫌ってるわけじゃないですよ」と述べている。アニメ声優に関しては、いわゆるアニメ声とオーバーな演技が苦手だとも語っている。 『新世紀エヴァンゲリオン』にはハマっていたらしく、『クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦』のキャラクター「お色気」の担当声優に三石琴乃を起用したのも葛城ミサトを意識したキャラ設定を行っていたためで、しんのすけのことを「しんちゃん」と呼んでいるのも、主人公の碇シンジのことを「シンちゃん」と呼んでいたことからである。 『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』に登場するチャコについて、小林愛の声を見つけたことが自分のキャスティングの上で大きかったと述べている。小林については、『∀ガンダム』で偶然声を聞き、『しんちゃん』のスタッフで『∀ガンダム』に参加していた池端隆史を介してデモテープを聴き、決定したという。 技術の発達で一人で作ったアニメでもパッケージとして売り物になる時代が来て、そういう道もこれからはあるとわかったことは評価しながらも、作品の中身が大事と考えており、新海誠の『ほしのこえ』には「僕はついていけなかった」と述べている。 しばしばアニメより実写向けの人材であると評されることがあるが、何故アニメ業界に拘るのかと問われると、一生ものの難問だと苦笑しながらも、現実に存在するものを人の手で描くことで生まれる、全く違った味に惹かれている、と答えている。一方、2004年の浜野保樹との対談では「(実写でも)僕はかまわない。たまたまアニメを選んで20年以上その現場にいるので、アニメの作り方も大分解かってきている。アニメ会社に所属し続けているわけですし(引用者注:この当時はまだシンエイ動画に所属)、それでアニメを作っているということです」という発言もしている。
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