アトラクションの構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 04:56 UTC 版)
「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド」の記事における「アトラクションの構造」の解説
「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド」は、ローラーコースタータイプのアトラクションとして製作されることが決定した。しかしローラーコースターのような速いスピードで移動するライドにストーリーを付け加えるのは、展開が早すぎて難しいと判断したため、1988年になりライド形式を再び考え直すこととなった。その時スター・ツアーズの試乗会でのジョージ・ルーカスのコメントを思い出し、スター・ツアーズと同様のシミュレーションライドを独自の方法で作ることに決定した。しかしディズニーを凌ぐ革新的な魅力、デロリアンにゲストを座らせる方法に悩まされた。デロリアンがベースとなるとスター・ツアーズのように40人収容の大きな箱型収容ライドにゲストを乗せるわけにはいかず、かと言い収容できる人数が少ないと回転率が悪くなる。それを解決したのが、大型スクリーンの前に小型ライドを大量に並べるという発想だった。 スクリーンには、1973年にIMAX社(英語版)が開発したオムニマックス(現在のIMAXドーム)のスクリーン技術を採用した。半球状のスクリーンに映像を映写するシステムで視聴者の周辺視野を満たし、没入感のある包み込むようなリアルな体感することができる。24mのオムニマックスでライドを包むこむように配置し、臨場感が出るようにした。ライド部分は、デロリアンに乗るというリアル感を追求するため小型の8人乗りのデロリアンを12台設置した。それらを3段構造にし、他のデロリアンが視界に入りにくくした。それらをオムニマックス下のガレージに配置する。次に各車両がガレージからドームまで同時に2.5m打ち上げられ、それぞれに取り付けられたスリーピストンモーションベースという油圧システムにより、投影された映像の動きに合わせ、上下左右に動くようにした。車両の開発は、インタミンが行った。2つのオムニマックスと計24台のデロリアンを用意し、ショースペースを2つ設け、万が一1つのショースペースがダウンしてももう1つで稼働し続けられるようにした。 映像はダグラス・トランブルによって、映画仕様の70ミリフィルムを使用して製作された。当時はCG映像の技術が発達していなかったため、映像の製作はスター・ツアーズ同様、ミニチュアモデルを使用して撮影された。ゴー・モーションという撮影技術で莫大な時間を要するものだった。オムニマックスでゴー・モーションを投影するのはこれが世界初となった。 最終的に、発案からオープンまでの5年間のプロジェクトには400万ドル以上が費やされた。しかし「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド」オープン後のサマーシーズンには、ユニバーサル・スタジオ・フロリダがディズニー・MGM・スタジオの来場者数を打ち負かした。
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