アカネ属 (植物)とは? わかりやすく解説

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アカネ属 (植物)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/10 03:23 UTC 版)

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アカネ属
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: リンドウ目 Boraginales
: アカネ科 Rubiaceae
亜科 : アカネ亜科 Rubioideae
: アカネ属 Rubia
学名
Rubia L. (1753)[1]
タイプ種
Rubia tinctorum L.[1]
和名
アカネ属
英名
Madder
  • 本文参照

アカネ属(アカネぞく、学名Rubia和名漢字表記:茜属)は、アカネ科に属する611のうちの、アカネ亜科の属の1つ[2]

特徴

多年草で、つる性になることも多い。には4稜がある。は節ごとに対生する本来の2個の葉と、2-6個からなる葉状の托葉からなり、4-8個の葉が輪生しているように見える。花序は散集花序になり、枝先または葉腋から伸ばし、多数の小さなをつける。は鐘形となり、萼裂片はほとんど発達しない。花冠は杯形で、ふつう5裂し広く開くがまれに4裂し、裂片はつぼみ時には敷石状にたたまれる。子房は2室あり、各室に1個の胚珠がある。花柱は先が短く、深く2裂し、花柱の周囲を花盤が取り巻く。雄蕊はふつう5個まれに4個ある。果実は液果で、中央でくびれて、しばしば2個の分果状に分かれる。分果には1個の種子がある[2]

分布

世界に約60種あり、日本には5種分布する[2]

学名の由来

属名 Rubiaラテン語 "ruber"「赤」に由来するラテン名。根の色が茜色(アカネ色)であること、およびアカネ属の根からとる染料に由来する[3]

和名、学名はYListから。

日本に分布する種

  • アカネ Rubia argyi (H.Lév. et Vaniot) H.Hara ex Lauener et D.K.Ferguson - 北海道(南部)、本州、四国、九州、朝鮮半島中国大陸(南部)、台湾に分布し、山野にふつうに見られる。茎はつる性になり、よく分枝し、長さ1-3mになり、稜上に下向きのごく短いとげがある。葉は4輪生して、葉柄は長さ0.5-4.5cmある。花期は8-9月。花序に10数個から数10個の花をつける。花冠は黄緑色で径3-4mm。果実は球形の液果で、径3-6mm、黒色に熟す[2][4]
  • オオキヌタソウ Rubia chinensis Regel et Maack f. mitis (Miq.) Kitag. - 北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸(東北部)に分布し、山地の林中に生育する。茎は直立して、高さ30-60cmになり、稜上に鉤状の刺はない。葉は4輪生して、葉柄は長さ0.5-2cmある。花期は5-7月。花序にまばらに多数の花をつける。花冠は緑白色で径3-4mm。果実は球形の液果で、径4-6mm、黒色に熟す。片方の分果は不熟になることが多い[2][4]
    • マンセンオオキヌタソウ Rubia chinensis Regel et Maack f. chinensis - オオキヌタソウの基本種。本州の中部地方、朝鮮半島、中国大陸(東北部・北部)、アムール、ウスリーに分布する。茎や葉に曲がった毛がやや密に生える[2]
  • クルマバアカネ Rubia cordifolia L. var. lancifolia Regel - 本州(和歌山県西部・中国地方)、四国(瀬戸内海沿岸)、九州(北部)、朝鮮半島、中国大陸(東北部)、ウスリー、アムールに分布し、海岸近くの低山地の林縁に生育する。茎はつる性になり、稜上に下向きの刺がある。葉はやや厚く、主軸には6-8輪生、側枝には4輪生して、葉柄は長さ1-3cmある。和名のとおり、葉が車輪状に多数輪生する。花期は9-10月。花序に多数の花をまばらにつける。花冠は黄緑色で径3-5mm。果実は球形の液果で、径4-6mm、黒色に熟す[2][4]
  • オオアカネ Rubia hexaphylla (Makino) Makino - 北海道、本州(関東地方北部から中部地方)に分布し、山地の林縁にまれに見られる。国外では、朝鮮半島、中国大陸(東北部)、ウスリーに分布する。茎はつる性になり、稜上に下向きの刺がある。葉は薄く、主軸には6-8輪生、枝には4輪生して、葉柄は長さ4-10cmある。花期は8月。花序に数個から10数個の花をつける。花冠は黄緑色で径4mm。果実は球形の液果で、径4-8mm、黒色に熟す[2][4]
  • アカネムグラ Rubia jesoensis (Miq.) Miyabe et T.Miyake - 南千島、北海道、本州(北陸地方・東北地方)、千島列島サハリン、ウスリーに分布し、海岸近くの湿った草原や湿地に生育する。茎は直立して、高さ20-60cmになり、稜上に下向きの小さな刺がまばらにある。葉は4輪生して、葉の基部が狭まって短い葉柄となる。花期は6-7月。花序にまばらに数個から20数個の花をつける。花冠は白色で径3mm。果実は球形の液果で、径3-4mm、黒色に熟す[2][4]

国外の主な種、帰化種

  • ナガバアカネ Rubia alata Wall.
  • アカミノアカネ Rubia cordifolia L. var. cordifolia - クルマバアカネの基本種。
  • インドアカネ Rubia manjith Roxb.
  • タチアカネ Rubia nankotaizana Masam.
  • ビロードアカネ Rubia pubescens Nakai
  • モリアカネ Rubia sylvatica (Maxim.) Nakai
  • セイヨウアカネ Rubia tinctorum L. - 地中海沿岸の南ヨーロッパ、西アジア原産で、染料用に古くから栽培されている。逸出していることもある。茎は高さ50-80cmになり、稜上に下向きの刺がある。葉は6輪生し、葉に鉤状の刺毛があってざらつく。花期は夏から秋にかけて。花冠は淡黄色で径5mm。果実は楕円体の液果で、黒色に熟す[4][5]

ギャラリー

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b Rubia L., Tropicos
  2. ^ a b c d e f g h i 内貴章世 (2017)「アカネ科」『改訂新版 日本の野生植物 4』pp.289-290
  3. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1475
  4. ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』pp.974-975
  5. ^ 『日本の帰化植物』p.160

参考文献

関連項目



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