より実際の蛇行動解析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 21:40 UTC 版)
実際の鉄道車両では、車体-台車-輪軸が相互に連結された構造となっている。そのため、比較的単純なモデルを考えたとしても、車両の運動方程式は10自由度以上となる。なおかつ各要素間は、線形な弾性支持だけでなく、粘性減衰要素や摩擦要素などによる結合となる。そのため、代数的な取扱いで解を求めることは不可能となる。代わりの方法として、コンピュータを用いた数値解析による手法を用いて車体の最適な諸元を求めることができる。具体的には、固有値解析によるものと時刻歴シミュレーションによるものがある。 車両の運動に関わる非線形要素を無視あるいは線形近似を行い、線形の運動方程式が得られる場合は、特性方程式を立てて固有値を求めることで、その系の安定性を判別することができる。自由度が多い場合は解析的に固有値を求めるのが困難になるため、ヤコビ法やQR法のような数値解析により行列の固有値を求める。得られた固有値の実部が安定性を表し、虚部が固有振動数を表す。ある速度を与えたときの固有値の実部が、負であればその速度で安定となる。 また、クリープ力の飽和やフランジ接触、ばね、ダンパの非線形特性、ストッパ接触のような非線形要素を設定して走行安定性を求めたい場合は、それらの要素を含んだ非線形運動方程式を立て、数値積分により時刻歴応答を得る手法が取られる。車体、台車、輪軸の動きを時刻歴に出力することで蛇行動の発生有無を確認できる。
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