単純なモデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/06 16:34 UTC 版)
「バラッサ・サミュエルソン効果」の記事における「単純なモデル」の解説
バラッサ・サミュエルソン効果を示すもっとも単純なモデルは2国家・2財(ひとつは貿易財、他方は非貿易財)・1生産要素(労働)モデルである。単純化のために、非貿易財部門の労働の限界生産物によって示される生産性を国家間で等しいものとし、ひとつの値に統一する。 M P L n t , 1 = M P L n t , 2 = 1 {\displaystyle MPL_{nt,1}=MPL_{nt,2}=1} ここで n t {\displaystyle nt} は非貿易財部門を表し、1と2は二つの国家を表している。 それぞれの国において、労働市場で競争が行われるという仮定のもとでは、労働者の賃金は最終的に限界生産物の値、あるいはその部門の価格×MPLに等しくなる(ただし、これはペン効果に対しては十分条件であり、必要条件でない点に注意。必要なのは賃金が少なくとも生産性に関連しているという点である)。 w 1 = p n t , 1 ∗ M P L n t , 1 = p n t , 1 = p t ∗ M P L t , 1 {\displaystyle w_{1}=p_{nt,1}*MPL_{nt,1}=p_{nt,1}=p_{t}*MPL_{t,1}} w 2 = p n t , 2 ∗ M P L n t , 2 = p n t , 2 = p t ∗ M P L t , 2 {\displaystyle w_{2}=p_{nt,2}*MPL_{nt,2}=p_{nt,2}=p_{t}*MPL_{t,2}} なお、添え字 t は貿易財部門を表している。国家を示す添え字が貿易財の価格Pについていないのは、国家間で貿易財の価格が同一化されているためである点に注意。 ここで、国家2がより生産的であり、これによって、国家2がより富裕であると仮定する。すなわち、 M P L t , 1 < M P L t , 2 {\displaystyle MPL_{t,1}<MPL_{t,2}} これは次のことを示唆する。 p n t , 1 < p n t , 2 {\displaystyle p_{nt,1}<p_{nt,2}} . よって、貿易財に(世界的な)一つの価格が存在する場合、非貿易財の価格は生産性の低い国においてより低くなり、結果的に生産性の低い相対的に貧しい国では全体的な物価水準が低くなる。
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