Zachariasen則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/17 08:53 UTC 版)
Zachariasen則とは、サッカリアセン (Zachariasen) が提案した、ガラスを形成するために必要な4つの条件のことである[1]。
- 酸素イオンは2個以上のカチオンと連結しない。
- カチオンのまわりの酸素イオンの数は一般に少なく、3または4である。
- カチオンを中心とした酸素配位多面体は、互いに頂点酸素を共有して3次元網目構造を形成する。稜または面を共有しない。
- 酸素配位多面体は少なくともそれぞれ3つの頂点で連結している。
しかしこの単純なモデルは明らかにSiO2、B2O3を念頭において提案されたものであり、それ以外の場合では破綻をきたす。例えばGeSe2ガラスではGeSe4四面体が稜共有で鎖状構造をとっている。またZrF4ベースZBLAN (ZrF4-BaF2-LaF3-AlF3-NaF) ガラスではZrF6八面体が稜共有,頂点共有して3次元ネットワーク構造を形成している。
よってZachariasen則は単なる経験則であり、1つの目安にすぎない。
参考文献
- 『ガラス工学ハンドブック』 編集委員:安井至、小川晋永、国分可紀、近藤敬、寺井良平、山根正之、和田正道 (朝倉書店、1999年7月) ISBN 978-4254252385
脚注
- ^ K. D. Kingery, H. K. Bowen, D. R. Uhlmann, Introduction to Ceramics. John Wiley & Sons, 1976, pp.91-110
- Zachariasen則のページへのリンク