にきび治療薬として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 09:37 UTC 版)
「ミノサイクリン」の記事における「にきび治療薬として」の解説
カプセル剤は痤瘡(にきび)への有効性が示されているものの、適応はない。 日本皮膚科学会の『尋常性ざ瘡治療ガイドライン2016』では、2012年の新たなコクランのレビューを元に委員会の意見としてミノサイクリンは「推奨度 A*」で推奨され、例えば他の薬剤であるドキシサイクリンは「推奨度 A」とは異なる。有効性が同等とされるドキシサイクリンと比較して、目眩や色素沈着などの副作用の頻度が高く、自己免疫疾患や薬剤性過敏症症候群(DIHS)などの重篤な副作用があることが理由である。 また、1970年の文献を参考に、ドキシサイクリン50mgとミノサイクリン100mgの同等性が示されているとした。以前の『尋常性ざ瘡治療ガイドライン2008』では27件のランダム化比較試験 (RCT) をシステマティック・レビューした文献を根拠として、ミノサイクリン内服を「推奨度 A」で強く推奨していた。長期の継続使用におけるエビデンスは存在せず、皮膚粘膜や歯牙への色素沈着には留意が必要であるとされた。 2015年の英国国立医療技術評価機構 (NICE)のガイドラインでは、コクラン・レビューにおいて、ざ瘡治療の第一選択肢としてミノサイクリンの使用を正当化するエビデンスは認められなかったとされる。他の一般的なざ瘡治療(他のテトラサイクリン系を含む)よりも有効だというエビデンスはなかった。ドキシサイクリンよりも重篤な有害作用と関連していた。全身性エリテマトーデス様の症候群や自己免疫性肝炎などの自己免疫疾患は、使用期間と強い関連があった。他のテトラサイクリン系とは異なり、ミノサイクリンは紅斑性狼瘡と関連していた。ミノサイクリンの徐放製剤が標準製剤よりも安全であることを示すエビデンスはなかった。 2016年の米国皮膚科学会(英語版)のガイドラインでは、以前のガイドラインではアクネ菌(英語版)を減少させるためにドキシサイクリンよりも優れたミノサイクリンを推奨していた。しかし、最近のコクラン・レビューではミノサイクリンは有効ではあるものの、他のにきび治療薬より優れていないことが判明している。ミノサイクリンは1mg/kg用量の徐放剤が最も安全であると示されているが、有効性については用量依存性が認められなかった。
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