【Su-7】(すほーいなな)
旧ソビエト/ロシアのスホーイ設計局で開発された戦闘爆撃機。
NATOコードはFitter(フィッター)。
1953年から開発が始まり、1955年に試作機であるS-1が初飛行した。
当初は前線戦闘機として開発されていたが、初期生産型であるSu-7B以降は戦闘爆撃機として開発が進められた。
機体は「最悪の環境でも確実に動作し続けることができる」というソビエト機独特の優先項目により設計され、機首のピトー管に人間がぶら下がることができるほど必要以上に頑丈な造りとなっている。
また、機動性や低空での運動性・安定性はMiG-21を凌ぐ性能であった。
しかし、低空での燃費が非常に悪いエンジンと相まって航続距離は短く、兵器搭載量も不十分であった。
そのため、改良型としてSu-17が開発される事となった。
ソ連/ロシアやウクライナのほか、イラクなどの中東諸国に輸出されたが、現在は全機が退役している。
スペックデータ
乗員 | 1名 |
全長 | 16.61m |
全高 | 4.99m |
全幅 | 9.31m |
主翼面積 | 34㎡ |
空虚重量 | 8,370kg |
最大離陸重量 | 11,730kg |
最大兵装搭載量 | 2,000kg |
エンジン | リューリカ AL-7F-1-150ターボジェット(推力66.69kN/94.15kN(A/B使用時))×1基 |
速度 (最大/巡航) | 918kt/470kt |
海面上昇率 | 9,000m/min |
実用上昇限度 | 15,000m |
航続距離 | 782nm(フェリー時) |
戦闘行動半径 | 186nm(Hi-Lo-Hi) |
固定武装 | NR-30 30mm機関砲×2門(弾数各70発) |
兵装 | 翼下に500kg通常爆弾×2発、57mmロケット弾ポッド×4基 翼下及び胴体下に増槽×2基等 |
主な派生型
- Su-7(S-1):
後退翼を装備したスホーイOKBの戦術戦闘機型。1955年初飛行。
- S-2:
エリアルールを採用した原型機。
AL-7F-1ターボジェットエンジンを搭載し、機首部が11cm、中央胴体部が40cm延長され、機内燃料搭載量も増加された。1956年初飛行。
- S-22:
Su-7Bの生産前機。
AL-7F-1-100エンジンを搭載し、2,000kgの兵装搭載量を持たせて通常爆弾やロケット弾ポッドなどを搭載できるようにされた。
- Su-7B"フィッターA":
初期生産型。戦闘爆撃機型。
- Su-7BM:
主要生産型。
機内燃料搭載量の増加や航法装置の充実化、AP-28I-1自動操縦装置と2チャンネルのダンパーを備え、降着装置も更新されている。
- Su-7BKL:
B型の改良型。
離陸補助用にSPRD-110ロケットブースターを装備できるようにしたほか、ASP-5ND-7U照準器を装備し、降着装置をさらに強化、胴体内燃料タンクをインテグラルタンクに変更した。
- Su-7BMK:
BKL型の輸出型。
降着装置をSu-7BMのものとし、トス爆撃用照準器などを外して簡素化が図られている。
- Su-7U:
B型相当の複座練習機型。
- Su-7UM:
BM型相当の複座練習機型。
- Su-7UMK:
BMK型相当の複座練習機型。
- Su-7UKL:
BKL型相当の複座練習機型。
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