すぐやる課
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第9代松戸市長在任中の1969年(昭和44年)10月6日、「市役所は『市民に役立つ・役に立つ人がいる所』」を標語として、お役所仕事の打破と市民サービスの向上を目的として、日本初の即応部門「すぐやる課」を松戸市役所に設置し、全国的に報道された。職員は、元自衛官で課長の臼井銀次郎と課員1名。初仕事は、「市職員として剣道大会に出場中の父親に連絡を緊急に取りたい」という家族のため、臼井自身が大会会場へ走ったこと。発足2日目に市民から44件もの要望が入ったため、急遽3名を増員して課長ほか4名態勢となった。2017年現在は9名で構成される。 従来の地方行政では、緊急に対応が求められる事態に対しても、縦割り行政の弊害から係・課・部・助役と何重もの決裁が必要で、すぐには対応ができなかった。そこで、松本は「すぐやる課」を松戸市長直属の部局とすることにより、機動性を確保した。部署名は「すぐ出来る事はすぐやる」から。課の壁には、松本の揮毫による書 すぐやらなければならないものですぐやり得るものはすぐにやります (表記通り)が掲げてある。この思想は、日本各地の首長に支持され、1975年(昭和50年)には全国315の自治体(下記は一例)で、同名部署や同じ役割の部課が設けられた。なお、“すぐやる課”で対応できない件は担当部署に回付し、“可及的速やかに”処置することになっている。 東京都葛飾区 静岡県島田市 沖縄県石垣市 広島県安芸高田市 東京都世田谷区:地域振興課すぐやる相談窓口 青森県三沢市:まちづくり対策室(当時) 埼玉県秩父市:市民生活課すぐやる担当 デンマーク、グラズサックセ市:StraXen(当時) コロムビアからすぐやる課を題材にしたレコード「すぐやる課」(歌:仲清史)も発売された。 1977年(昭和52年)には、この課にヒントを得て製作されたテレビドラマ『すぐやる一家青春記』がTBS系列にて放送された。また、2021年(令和3年)からは、この課の活動を描く再現ドラマ「突破市役所 なんでもスグやる課」がNTV系列のクイズバラエティ番組『THE突破ファイル』内で不定期に放送されている。
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