さんぢゑご丸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/27 08:09 UTC 版)
さんぢゑご丸(さんぢえごまる)は、三菱商事が保有した石油タンカー。日本最初のディーゼル推進タンカーである「さんぺどろ丸」型の2番船として1928年に竣工した。太平洋戦争前に建造された日本の航洋タンカーのうち終戦時に健在だった唯一の船で、太平洋戦争後も船団式捕鯨や石油輸入に長く活躍した。32年間も一貫して石油輸送に従事した功績から、「さんぢゑご丸を知らずして、タンカーを語るなかれ」と日本の海運関係者の間で評された[5]。
注釈
- ^ サマータンクとは油槽の舷側上部(船体横断面でいえば両肩の部分)を区切り取るように設けられた補助タンクで、波の荒い海域を航行する際には空荷状態にしておくことで液面を小さくするとともに重心を下げて船の安定性を高める機能がある。天候の良い夏期(サマー)には普通の油槽としても使用できた[8]。
- ^ 戦中建造の戦時標準船TL型タンカーは「橋立丸」など若干の残存船があった。また、太平洋戦争前建造タンカーとしては、給油艦兼用の水上機母艦「神威」が大破状態で在籍(復旧せず解体)したほか、タンカー機能を有する捕鯨母船「第三図南丸」は沈没した船体をサルベージして再使用されている。
出典
- ^ a b 松井(1995年)、19頁。
- ^ a b 日本郵船(1971年)、下860頁。
- ^ a b 運輸通信省海運総局(編) 『昭和十八年版 日本汽船名簿(内地・朝鮮・台湾・関東州)』 運輸通信省海運総局、1943年、内地在籍船の部128頁、アジア歴史資料センター(JACAR) Ref.C08050083200、画像44枚目。
- ^ Ogura_Maru_No.1_class
- ^ a b c 日本郵船(1971年)、下861頁。
- ^ 松井(1995年)、17頁。
- ^ a b 岩重(2011年)、130頁。
- ^ 岩重(2011年)、82頁。
- ^ a b c 松井(1995年)、18頁。
- ^ a b 岩重(2011年)、92頁。
- ^ a b 松井(1995年)、20頁。
- ^ a b 『徴傭船舶行動概見表』、画像17枚目。
- ^ a b c d e 松井(1995年)、21頁。
- ^ 駒宮(1987年)、129頁。
- ^ 『徴傭船舶行動概見表』、画像15-16枚目。
- ^ a b 日本郵船(1971年)、下864頁。
- ^ 駒宮(1987年)、330頁。
- ^ 駒宮(1987年)、252-254、285頁。
- ^ a b c 日本郵船(1971年)、下865頁。
- ^ a b 松井(1995年)、22頁。
- 1 さんぢゑご丸とは
- 2 さんぢゑご丸の概要
- 3 参考文献
- 4 外部リンク
- さんぢゑご丸のページへのリンク