かんらん岩とは? わかりやすく解説

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かんらん‐がん【××欖岩】

読み方:かんらんがん

橄欖石主成分とする深成岩変質する蛇紋岩になる。

橄欖岩の画像

かんらん岩

一般に岩石分類は、その成因により、火成岩堆積岩変成岩大別される

火成岩は、高温マグマ冷却してできる岩石であり、冷却する場所、期間に応じて深成岩半深成岩噴出岩または火山岩分類される

かんらん岩は、火成岩深成岩分類される岩石あり、かんらん石と斜長石からなりはんれい岩類に伴って産することが多い。かんらん石のほかに、輝石黒雲母磁鉄鉱クローム鉄鉱を含むことがある

砕石として好適なものも多いが比重の高いのが欠点である。

かんらん岩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/20 07:32 UTC 版)

かんらん岩
火成岩
かんらん岩(左上部の粗粒な部分)
構成物
主要構成物 かんらん石
他構成物 輝石
プロジェクト:地球科学Portal:地球科学
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かんらん岩[1][2](かんらんがん、橄欖岩、: peridotite) は火成岩深成岩)の一種で、SiO2 成分に乏しい超塩基性岩に分類される。主にかんらん石[注 1]からなり、そのほかに斜方輝石単斜輝石などを含む。

成分・種類

超苦鉄質岩有色鉱物90 %以上)の分類

岩石に含まれる鉱物量比により、さらに4つの岩石に分類される。

ダンかんらん岩[1][2]dunite、ダナイト)
かんらん石が全体の90 %以上を占めるもの。
斜方輝石かんらん岩[1]harzburgite、ハルツバージャイト[2]
かんらん石を50 %以上含む岩石のうち、斜方輝石に富むもの。
単斜輝石かんらん岩[1]wehrlite、ウェールライト)
かんらん石を50 %以上含む岩石のうち、単斜輝石に富むもの。
複輝石かんらん岩[1]lherzolite、レールゾライト[2]
かんらん石を50 %以上含む岩石のうち、斜方輝石と単斜輝石の両方が伴われるもの。複輝石かんらん岩が部分溶融して玄武岩質マグマを生成すると考えられている。

産出地・ジオパーク

かんらん岩はマントル上部を構成する岩石の一つであり[注 2]、そのほとんどが地下深くに存在する。

地表で見られるものには、地殻が捲れあがってマントル物質が地表に現れたものや、マグマ等が急激に上昇する際に、捕獲岩として運ばれてきたものがある。他の超塩基性岩類や塩基性岩などと共にオフィオライトの一部を構成することが多い。

低圧では斜長石かんらん岩、中圧ではスピネルかんらん岩、高圧では柘榴石かんらん岩となる。

ジオパーク
地球科学的に特徴的な地形はジオパークと呼ばれ保全や教育などに活用される。北海道日高山脈アポイ岳は、世界的にもまれなかんらん岩を露出させた山であることから2015年にユネスコ世界ジオパークに認定された[3]

性質・特徴

かんらん岩は変成作用を受けやすく、地表で見られる場合には、二酸化炭素と反応して蛇紋岩に変化している場合がほとんどである。また高圧がかかりやすいプレート境界部となる地中においても、熱水などと反応し蛇紋岩となる。蛇紋岩は脆い滑石を含むため地震の発生機構との関係が示唆される[3][4][5][6]

脚注

注釈

  1. ^ 橄欖石」(かんらん石、olivine)は鉱物の名称であり、「橄欖岩」(かんらん岩、peridotite)は岩石の名称である。
  2. ^ マントル物質と考えられているものは、かんらん岩以外にもエクロジャイトキンバリー岩などがある。

出典

  1. ^ a b c d e 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、323頁。ISBN 4-8181-8401-2 
  2. ^ a b c d 日本地質学会編『地質学用語集 - 和英・英和』共立出版、2004年、366頁。 ISBN 4-320-04643-9 
  3. ^ a b 藤岡換太郎 (2023年7月8日). “北海道にある高純度な「かんらん岩」が「地震の原因」を解明するカギだった…その「衝撃のワケ」”. ブルーバックス. 講談社. 2023年7月9日閲覧。
  4. ^ 【研究成果】水を含んだマントル岩石が,地震発生の原因となる可能性を発見”. 広島大学理学部 (2018年11月26日). 2022年5月26日閲覧。
  5. ^ Kita, Saeko (2018年11月19日). “Physical mechanisms of oceanic mantle earthquakes: Comparison of natural and experimental events” (英語). Scientific Reports. ネイチャー. pp. 17049. doi:10.1038/s41598-018-35290-x. 2022年5月26日閲覧。
  6. ^ Smyth, J. R.; Frost, D. J.; Nestola, F.; Holl, C. M.; Bromiley, G. (2006). “Olivine hydration in the deep upper mantle: Effects of temperature and silica activity”. Geophysical Research Letters 33 (15): L15301. Bibcode2006GeoRL..3315301S. doi:10.1029/2006GL026194. オリジナルの2017-08-09時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170809105549/http://ruby.colorado.edu/%7Esmyth/Research/Papers/Hydrolivine.pdf 2017年10月26日閲覧。. 

参考文献

関連項目

外部リンク


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