石灰岩地、かんらん岩や蛇紋岩地と高山植物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 08:48 UTC 版)
「日本の高山植物相」の記事における「石灰岩地、かんらん岩や蛇紋岩地と高山植物」の解説
一般的に高山植物が生育する標高より低い場所であっても高山植物が多く生育する場所が見られる。そのような場所の代表的な例として、塩基性岩の石灰岩、超塩基性岩のかんらん岩、蛇紋岩が露出している場所が挙げられる。石灰岩地はカルシウムが過剰で植物の生育に欠かせないカリウムやリンが不足しており、そのうえ風化しにくいために土壌の発達が悪い上に乾燥しやすく、樹木の生育には障害が大きいために森林が発達しにくくなり、比較的標高の低い場所でも高山植物が多く生育する場所が見られることになる。一方かんらん岩、蛇紋岩地は、植物の生育を阻害するニッケルやクロムといった金属類を多く含み、植物のカルシウム吸収を阻害するマグネシウムも多く含まれている。その上にかんらん岩や蛇紋岩は風化すると砂礫化して崩れやすくなる特徴があり、石灰岩地と同じく森林の形成が阻害されるため、やはり比較的高度が低い山でも高山植物が多く見られるようになる。また植物の生育に阻害要因が多い石灰岩地やかんらん岩、蛇紋岩地には、このような場所でも生育可能な固有種が多く見られることで知られている。
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