石灰岩地の高山植物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 08:48 UTC 版)
「日本の高山植物相」の記事における「石灰岩地の高山植物」の解説
日本で石灰岩地が見られる高山は比較的少ないが、赤石山脈の北岳や光岳、飛騨山脈の白馬岳、清水岳などが挙げられる。また北海道の崕山や大平山などの石灰岩地は、標高1000メートルを少し超えた程度の比較的標高が低い山でありながら、高山植物が多く見られることで知られている。 石灰岩地の高山植物は、乾燥しやすい土壌のために多肉植物が多く生育することが知られている。また北岳にはキタダケソウを始めとする、古い時代に日本にやってきた種の生き残りと考えられる種が多く見られることで知られ、崕山と大平山に分布するオオヒラウスユキソウなどの固有種が分布するなど、日本の石灰岩地には貴重な固有種である高山植物が分布することが知られている。 またキタダケソウ属の植物は、日本やその周辺では石灰岩地である崕山にキリギシソウ、サハリン中部山地の石灰岩地にはカラフトミヤマイチゲ、かんらん岩、蛇紋岩地である北海道のアポイ岳にはヒダカソウが分布し、その他、石灰岩地やかんらん岩、蛇紋岩地ではないが朝鮮民主主義人民共和国にある冠帽峰の花崗岩地にはウメザキサバノオが分布している。このようにキタダケソウ属の植物は、東アジアにおいてはそれぞれの自生地がお互い遠く離れた山地に隔離分布をしている。キタダケソウ属の祖先は古い時代に日本やその周辺の東アジアにやってきて、現在は主に石灰岩地やかんらん岩、蛇紋岩地のある山地に遺存しているものと考えられている。
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