キンバリー岩
英語:kimberlite
マントル物質に由来する橄欖岩(かんらん岩)。地下100キロメートル級の深層におけるマントルの高温・高圧環境は、炭素成分をダイヤモンドに変化させ得る。地殻変動により地表付近まで運ばれてきたキンバーライトの母岩は、ダイヤモンドの鉱床となる。
キンバリー岩の名称は、19世紀に初めてダイヤモンドの大規模な露天掘り採掘が開始された南アフリカの都市キンバリーに因む。ちなみに都市キンバリーには「ビッグホール」と呼ばれる採掘跡があり、重機を使用せず手掘りで設けられた穴としては世界最大の穴となっている。
キンバリー岩はアフリカ南部、ロシア、オーストラリアなどの、特定の限られた地質に偏在する。2013年12月には、南極大陸にキンバリー岩の岩床が存在する可能性があるとする論文がNature Communications電子版に掲載された。
関連サイト:
The discovery of kimberlites in Antarctica extends the vast Gondwanan Cretaceous province - Nature Communications
キンバリー‐がん【キンバリー岩】
読み方:きんばりーがん
キンバーライト
(キンバリー岩 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/12 02:30 UTC 版)
キンバーライト(英語: kimberlite、キンバリー岩[1])とは、カンラン石と雲母を主要構成鉱物とする、超塩基性の火成岩である。雲母橄欖岩(うんもかんらんがん、mica peridotite)などとも呼ばれる。一部からダイヤモンドの原石が産出されることで知られる。
名の由来は有名なダイヤモンド鉱坑「ビッグホール」のある、南アフリカ共和国、北ケープ州の州都キンバリーから[2]。
生成要因

キンバーライトは先カンブリア時代に生じた世界的な造山運動により生成された。このためキンバーライトの分布は、大陸の比較的奥地で、かつ、古い地質条件が保たれている地域に限られる。岩石の材料はマントル起源で、ごく短時間のうちに地表付近まで噴出した激しい噴火により生成したものと考えられている。
主な分布地域
出典
- ^ 文部省 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年、ISBN 4-8181-8401-2。(J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター)
- ^ “世界の天然ダイヤモンド採掘量(生産量)とその採掘方法”. なんぼや. 2023年10月12日閲覧。
参考文献
- 黒田吉益・諏訪兼位 『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』 共立出版、1983年、ISBN 4-320-04578-5。
関連項目
「キンバリー岩」の例文・使い方・用例・文例
- キンバリー岩という岩石
キンバリー岩と同じ種類の言葉
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