おぼろづき【オボロヅキ】(食用作物)
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登録番号 | 第14033号 |
登録年月日 | 2006年 3月 20日 | |
農林水産植物の種類 | 稲 | |
登録品種の名称及びその読み | おぼろづき よみ:オボロヅキ |
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品種登録の有効期限 | 25 年 | |
育成者権の消滅日 | ||
品種登録者の名称 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 | |
品種登録者の住所 | 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1 | |
登録品種の育成をした者の氏名 | 荒木均、安東郁男、黒木慎、清水博之、三浦清之、今野一男、永野邦明 | |
登録品種の植物体の特性の概要 | ||
この品種は、「空育150号」(後の「あきほ」)に出願者所有の育成系統を交配して育成された固定品種であり、育成地(北海道札幌市)における成熟期は中生の早、草型が穂数、アミロース含量が低の水稲、粳種である。草型は穂数、稈長はやや短、稈の細太及び剛柔は中、止葉の直立の程度はやや立、葉身の色は緑である。穂長、穂数及び粒着密度は中、穎色は黄白、ふ先色は黄白-黄、護穎の色は淡黄、芒の有無と多少は稀、芒長は短、芒色は黄白-黄である。玄米の形はやや細長、大小はやや大、色沢及び精玄米千粒重は中、玄米の見かけの品質は上の下、光沢はやや良、香りは無、腹白の多少は極少、食味は上の中である。水稲・陸稲の別は水稲、粳・糯の別は粳、出穂期及び成熟期は中生の早、障害型耐冷性は強、出穂遅延型耐冷性は中、耐倒伏性はやや強、脱粒性は難、収量は中である。いもち病抵抗性推定遺伝子型はPi-i,k、穂いもちほ場抵抗性は中、葉いもちほ場抵抗性はやや弱である。アミロース含量は低、蛋白質含量は中である。「あやひめ」と比較して、精玄米千粒重が大きいこと、いもち病抵抗性推定遺伝子型がPi-i,kであること等で、「ほしのゆめ」と比較して、穂数が少ないこと、いもち病抵抗性推定遺伝子型がPi-i,kであること、アミロース含量が低いこと等で区別性が認められる。 | ||
登録品種の育成の経過の概要 | ||
この品種は、平成7年に農林水産省北海道農業試験場(現独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構、北海道札幌市)において、「空育150号」(後の「あきほ」)に出願者所有の育成系統を交配し、9年に雑種第5代で個体選抜を行い、以後、固定を図りながら特性の調査を継続し、15年に特性が安定していることを確認して育成を完了したものである。 |
おぼろづき
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/07 16:48 UTC 版)
概要
農研機構により育成された品種。北海292号の系統番号で試験に供され、2003年に水稲農林389号「おぼろづき」として命名登録された。ごく薄く白濁する特性を朧月に例えたもの[1]。
アミロースの含有率は約14%で、これまでの北海道産の粳米と低アミロース米の中間ほど[2]。ほのかな甘みと独特な風味があり、冷めても硬くなりにくい[1]。2018年現在、市販されている北海道産米の中では粘りが最も強く[1]、食味試験で「コシヒカリ」に近い評価を受けている[2]。2006年の第8回米・食味分析鑑定コンクールでは、総合部門で美唄産の「おぼろづき」が、北海道産としては初めての金賞を受賞した[2]。一定の品質基準を満たしたものは、「八十九」のブランド名で販売されている[1]。
2006年(平成18年)より本格的に道内での作付が始まり、ピーク時の2009年(平成21年)には作付面積が6,253haに達するが、以後は作付が減少傾向にある。2020年現在の道内での作付面積は2,163haで、品種別では「ふっくりんこ」に次いで第5位[3]。
沿革
当初、注目されなかったが、2004年、札幌テレビ放送のバラエティー番組の「1×8いこうよ!」の食味試験結果により脚光を浴び、大ブレイク。今日の作付拡大につながった。
交配組合せ:空育150号(あきほ)×95晩37(きらら397の培養変異)
脚注
出典
- ^ a b c d 株式会社日本食糧新聞社編『全国お米のこだわり銘柄事典』株式会社日本食糧新聞社、2018年4月1日、19頁。
- ^ a b c 石谷孝佑『新版 米の事典-稲作からゲノムまで-』幸書房、2009年11月20日、149頁。
- ^ 米に関する資料(北海道農政部、2021年11月)pp.22 - 25
参考文献
関連項目
外部リンク
- おぼろづきのページへのリンク