ある特定の文脈において
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/01 20:51 UTC 版)
「宇宙 (数学)」の記事における「ある特定の文脈において」の解説
おそらく最も単純なバージョンは、研究対象が特定の集合で閉じている限り、任意の集合が宇宙であるというものである。もし研究対象が実数として形式化されていれば、実数の集合である実数直線 R は考察下において宇宙になりうる。いうまでもなく、これは1870年代から1880年代にかけてゲオルク・カントールが実解析の応用として、初の現代的な集合論と濃度の開発に用いた宇宙である。カントールが当時興味を持っていた集合は、R の部分集合だった。 この宇宙の概念はベン図の使用に反映されている。ベン図において、作用は伝統的に宇宙 U を表す大きな四角形の内部に生じる。一般的に集合が U の部分集合であれば、それは円によって表現される。集合 A の補集合は A の円の外側の四角形の部分によって与えられている。厳密に言えば、これは U に相対な A の 相対補集合 U ∖ A {\displaystyle U\backslash A} であり、U が宇宙であるという文脈においては、A の絶対補集合 A C {\displaystyle A^{C}} とみなされる。同様に、空積集合の概念があり、これは 0 個の集合 (集合がないという意味で、空集合ではない) の共通部分となる。宇宙抜きでは、空積集合は絶対にすべてのものの集合となりうるが、これは一般的に不可能とみなす。しかし宇宙が想定されていれば、空積集合は考察下のすべてのものの集合 U として扱われる。 これらの規則は、ブール束に基礎付けられるような基本的な集合論へのアプローチにおいて非常に有用である。新基礎集合論のような公理的集合論のいくつかの非標準的形式を除いて、すべての集合の公理的集合論は相対的可補束のようなブール束でない。対照的に、U のべき集合はブール束である。上記の補集合の説明は、ブール束における補演算である。一方で U と空積集合はブール束において、最大元 (もしくは空交差)を提供している。すると交差と結合の補集合を扱うド・モルガンの法則に適用でき、さらに空集合である空交差と空結合にも適応できる。
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