『ライフ・ライン』と教団の迷走
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「PTLクラブ」の記事における「『ライフ・ライン』と教団の迷走」の解説
一方、中川が出演しなくなった『PTLクラブ・主をほめよ』は、スティーブ・フォックス(元ゴダイゴ)とヨアンナの司会に交替したが、1987年4月にはネット局が14から7(後に5)に半減、更にベイカー夫妻に不倫・麻薬・背任・脱税スキャンダルが続々と発覚してPTLクラブ本部が活動停止状態に陥り、"Praise the Lord" の制作配給も中止されたため、同年7月以降『ライフ・ライン』に番組名と内容を刷新してベイカー色の払拭に努め、ディック姉妹、井上博元、久米小百合(芸名:久保田早紀、めじろ台キリストの教会員、2007年には『パワー・フォー・リビング』のトラクトに起用)らが司会するようになった。 ベイカーには懲役45年、罰金50万ドルの実刑判決が下されたが、不可解な政治的圧力(下記参照)で18年に減刑された末、たった5年間の服役で出所し、2003年よりテレビ伝道に復帰している。また『PTLクラブジャパン』は、ベイカー事件直後に総主事ロバート・フラハン(Robert Houlihan)が離日し、『CTMジャパン』に改称した。 日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団は、この『PTLクラブ・主をほめよ』のみならず、劇的な説教と辛辣な他宗派攻撃で知られた『ジミー・スワガート・アワー』(1980年4月~1988年2月、林忠男とルーシーが担当)や、趙鏞基が率いる汝矣島純福音教会(進出窓口は全日本福音宣教会。林時漢、大久保みどり)の『幸福への招待』の日本語版の制作配給も手掛けていたが、以上の3番組は総てアッセンブリーズ・オブ・ゴッド傘下の海外メガチャーチによるもので、これらの日本語版制作の他に、『ビリー・グラハム伝道大会』の日本側コーディネーターも、同教団の吉山宏が務めていた。 1988年2月以降、スワガートにも不倫・買春スキャンダルが発覚し、アッセンブリーズ・オブ・ゴッド総会で除名決議が下されたため、日本の『ジミー・スワガート・アワー』も急遽放映中止された。一連の混乱を受け同年12月、CTMジャパンは全資産を太平洋放送協会(PBA)に譲渡し、PBAテレビ部(PBA・CTM / Christian Television Ministries, Pacific Broadcasting Association)として吸収合併されたことで、ペンテコステ派の単独番組だった『ライフ・ライン』は、1989年2月より題名同一のまま新教系超教派合同の穏健な内容に一変し、出演者とスポンサーも全面的に刷新して現在に至る。 この合併を不服とする吉山は、1991年に自前の伝道番組『ゴスペルアワー』(ゴスペルアワー伝道団こと日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団小岩栄光キリスト教会、千葉テレビ放送)を持ち独立した。
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