『ヨーロッパ民主史』執筆(1877年)
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「アースキン・メイ (初代ファーンバラ男爵)」の記事における「『ヨーロッパ民主史』執筆(1877年)」の解説
1877年の『ヨーロッパ民主史』(Democracy in Europe: A History、ロンドン、1877年、2巻、8vo)は民主主義をテーマとした著作であり、古代ギリシアや古代ローマなど主にヨーロッパ史を扱うが、インド、中国(清)、日本などアジア諸国にも触れており、日本については明治維新から10年ほどだったこともあり、「アジアの国が政治自由に向けて歩めるかはまだ分からない」としているものの、「政府が啓蒙的で進歩している」とも評している。また、イギリスについては「イングランドの改革者は大胆だったが、過去とは決して絶縁しなかった。彼らの目的は破壊ではなく、改善と再生である」と評した。 メイは同書の序論で啓蒙された国(enlightened nations)の歴史を「統治の原則を示す実例」(an illustration of the principles of government)とし、それを学ぶことで自由な国が生まれる理由と条件について知ることができるとした。 首相ウィリアム・グラッドストンは同書の出版が「歴史文学の発展における一大イベント」と手放しで絶賛した。同時代の歴史家初代アクトン男爵ジョン・ダルバーグ=アクトンも1878年1月の書評でメイが「法律は社会の状況に依拠し、現実に基づかない考えや論争に依拠しないことを信じている」ため、「常に地に足をつけ、選別された事実、健全な判断力、信頼のおける経験に頼っている」と評価した。
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