『タサウウフの徒の教えの解明』とは? わかりやすく解説

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『タサウウフの徒の教えの解明』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 02:38 UTC 版)

アブー・バクル・ムハンマド・カラーバーズィー」の記事における「『タサウウフの徒の教えの解明』」の解説

本書、『タサウウフの徒の教えの解明』(al-Taʻarruf li-madhhab ahl al-taṣawwuf)は、イスラーム歴史における最初300年間の神秘思想(タサウウフ)を概観できるマニュアル本である。スフラワルディー・マクトゥール本書言及して、もし『解明なかりせば、タサウウフ知られざるべしと言った伝えられている。 本書近代以降も、何度も刊本として刊行されており、1935年という比較的古い時代にアーベリー(英語版)によりアラビア語から英語に翻訳されている。Arberry (tr.) 1935 のほかにも、2008年時点フランス語ペルシア語トルコ語ウルドゥー語への翻訳存在し日本語へもごく一部翻訳されている。 本書の内容は、Nwyia 1978 によると3つの部分大別できる。第1の部分は「タサウウフ」「スーフィー」といった語の語源著名なスーフィーたちの列伝である。第2の部分アシュアリー派神学スンナ派正統神学)とタサウウフの教えとの整合性を示す論述である。第3の部分スーフィー経験する神秘的階梯についての解説である。第3の部分には過去スーフィー著作あるいは彼らについて述べた著作からの引用多用されており、ハッラージュアラビア語版)に関する引用が特に多い。Arberry (tr.) 1935 は第3の部分をさらに3つ分けた(したがって全体としては5分割している)。すなわち、Arberry (tr.) 1935 及び東長 2008 によると、本書は、(1)序章にあたる語源スーフィー列伝部分、(2)スンナ派正統神学との整合性を示す部分続いて(3)スーフィー修業階梯心的状態の説明部分、(4)スーフィズム術語解説部分、(5)奇蹟幻視といった現象の解説部分の、5部に分けられる本書注釈は、ムスタムリー・ブハーリー(1043年歿)によるペルシア語のものが重要である。ハージャ・アブドゥッラー・アンサーリー・ハラウィー(英語版)がアラビア語注釈した伝えられるが、現存しない。チシュティー教団スーフィー、ムハンマド・ギースーディラーズ(英語版も本書の注釈残したことが知られている。 カラーバーズィーホラーサーンのサッラージュ(英語版)と同時代人である。東長 2008 によると、両者とも、タサウウフの教えスンナ派神学法学整合していることを示そうとしたという、この時期スーフィー特徴共有する他方スーフィズム術語解説においては対照的な違いもある。たとえば、「酩酊 sukr」・「覚醒 ṣaḥw」について、サッラージュが「酩酊」について多く語ったのに対しカラーバーズィーは、「覚醒」により重きを置いた

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