「第四党」
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「ランドルフ・チャーチル (1849-1895)」の記事における「「第四党」」の解説
野党となった保守党だが、保守党庶民院院内総務(英語版)を務める元蔵相サー・スタッフォード・ノースコート准男爵は温和な人柄で政権批判に向いているとはいえなかった。しかも彼はかつてグラッドストンの秘書であったため、今でもグラッドストンに敬意を払い続けていた。 この政権攻撃力の弱いリーダーにうんざりしたランドルフは、アーサー・バルフォア、サー・ヘンリー・ドラモンド・ウォルフ(英語版)、ジョン・エルドン・ゴースト(英語版)とともに「第四党(英語版)」と呼ばれるノースコートに造反する独自グループを形成するようになった。「第四党」はノースコートを差し置いてグラッドストンを激しく攻撃し、とりわけランドルフはグラッドストン叩きの専門家と化していった。自党の古参議員たちに対する反抗心でやっている面も強かったので、自由党政権提出の法案を保守主義の方向ではなく民主主義の方向へ修正しようとすることもしばしばあった。 ランドルフが注目される政治家になったのはこの「第四党」の活動をはじめてからである。 党執行部の意思を無視して独自活動する「第四党」は党内でも批判を受けたが、党首ディズレーリは、若手議員の頃に「ヤング・イングランド(英語版)」という同種の活動をしていたこともあってか、「第四党」の活動に好意的であったという。ディズレーリから励ましの言葉をもらったランドルフ卿は、後に「ディズレーリの後継者」という立場を固めやすくなった。 1881年4月にディズレーリが死去した。突然の死であったため、保守党は後任の党首を決めることができなかった。当面の間、保守党全体の党首は置かず、庶民院保守党をノースコートが、貴族院保守党をソールズベリー侯爵が指導するという二頭態勢が取られることになった。 ランドルフはノースコートを排除して自分が保守党庶民院院内総務の地位を手に入れることを目論んでおり、同じ名門貴族出身者として親近感があったソールズベリー侯爵が党首となることを支持するようになった。「第四党」の活躍によりノースコートは影の薄い存在となっていき、ソールズベリー侯爵が実質的な党首の地位を固めていった。 ソールズベリー侯爵が「権力は、ますます議会から演壇に移りつつある」と述べた通り、議場において派手なパフォーマンスをした議員が注目される時代になっていた。保守党内で一番パフォーマンスが光っていたのはグラッドストンをとことんコケにできるランドルフだった。同じく高いパフォーマンス能力を持った自由党のジョゼフ・チェンバレンに対抗できるのも彼しかいなかった。
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「第四党」
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「アーサー・バルフォア」の記事における「「第四党」」の解説
1880年の総選挙で保守党は敗北し、ウィリアム・グラッドストンを首相とする自由党政権が発足した。保守党は野党となったが、保守党庶民院院内総務(英語版)を務める元蔵相サー・スタッフォード・ノースコート准男爵は温和な人柄で政権批判に向いているとはいえなかった。しかも彼はかつてグラッドストンの秘書であったため、今でもグラッドストンに敬意を払い続けていた。 これに不満を感じていた保守党若手庶民院議員ランドルフ・チャーチル卿(後の首相ウィンストン・チャーチルの父)は、バルフォアやサー・ヘンリー・ドラモンド・ウォルフ(英語版)、ジョン・エルドン・ゴースト(英語版)を糾合して「第四党(英語版)」と呼ばれるノースコートに造反する独自グループを結成した。 「第四党」のリーダー的存在はランドルフ卿であるが、バルフォアは常にランドルフ卿に従っているわけではなく、たとえばランドルフ卿が保守党貴族院院内総務(英語版)を務める叔父ソールズベリー侯爵まで批判した場合には、叔父の擁護にまわるのが常だった。またランドルフ卿が「民主化」と称して議会外保守党組織である保守党協会全国同盟(英語版)が党の政策や財政を監督できるようにしようとした際にも、バルフォアは「議会軽視」としてこれに反対している。
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