「等しく反対」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/10 07:55 UTC 版)
物理学の教育者がよく観察する問題の1つは、学生がニュートンの第三法則を同じ物体にはたらく「等しく反対」の力の1対に適用する傾向があることである。これは誤りである。第三法則は2つの異なる物体に対する力を指している。例えば、テーブルの上にある本は下向きの重力(地球による)とテーブルによる上向きの垂直力を受ける。この本が加速していないことから、ニュートンの第一法則、第二法則に従うとこれらの力は厳密に均衡をとっていなければならない。したがって「等しく反対」である。しかし、これらの力は常に等しく強いとは限らない。もし本が3番目の力で押し下げられた、テーブルが傾いた、テーブルと本の系が加速するエレベーターにあるなどの場合にはこれらは異なるであろう。3つ以上の力の場合には全ての力の合計を考慮することでカバーされる。 この問題として考えられる原因は、第三法則がしばしば省略された形 For every action there is an equal and opposite reaction(全ての作用に対して等しい反対の反作用がある)で述べられていることである。ざっくりいうと、つまりこれらの力は2つの異なる物体に作用する。さらに、重量と垂直力の間には因果関係がある。物体に重量がなければテーブルからの支持力は生じず、重量が支持力の強さを決定する。この因果関係は第三法則によるものではなく、系内の他の物理的関係によるものである。
※この「「等しく反対」」の解説は、「反作用」の解説の一部です。
「「等しく反対」」を含む「反作用」の記事については、「反作用」の概要を参照ください。
- 「等しく反対」のページへのリンク