《種苗》の正しい読み方
「種苗」の正しい読み方
「種苗」は「しゅびょう」と読む。訓読みで「たねなえ」と読むのは誤りである。また、当て読みとして「たね」「なえ」と読むことがある。「種苗」の意味解説
「種苗」は「植物の種と苗」という意味である。特に農作物の種と苗に用いることが多く、単に種苗と書く場合は野菜や果物の種や苗のことを示しているのが一般的だ。また、養殖魚の稚魚や卵を「種苗」と言うこともあるが、これは人の手で管理して魚を増やす行為が畑で作物を育てるのに似ていることが大きな理由だ。個体を幼い頃から飼育して成長させる行為については植物も魚も変わらないことから、本来なら植物に用いる「種苗」という言葉を魚の養殖にも当てはめている。言葉の「種」は草木の種に対する言葉だけではなく、植物を植える行為の意味もある。「苗」は「種から発芽して間もない草木」のことであり、この二つを組み合わせることで「園芸に用いる種や発芽したばかりの草木」という意味が生まれる。このことから、「種苗」には「種の状態、あるいは芽が出てから日が浅い小さな苗」という意味を持つようになった。「種苗」は野菜に用いることが多く、ある程度成長した果物の種苗は「苗木」と読むのが普通である。一方でメロンなど樹木を作らない果物の苗は「種苗」と称される。なぜ「種苗」と読むのか・理由
「種苗」を「しゅびょう」と読むのは音読みに沿っているためである。音読みは昔の中国の漢字の読み方をヒントにしたものである。「種苗」の類語・用例・例文
「種苗」の類語は「早苗」「苗木」「零余子」などがある。それぞれ「さなえ」「なえぎ」「むかご」と読み、いずれも植物の種苗である。「早苗」は田植えに用いる稲の苗に用いる言葉であり、基本的に稲以外の植物に対しては使用しない。「苗木」は移植を目的に育てた樹木の苗を意味している。「零余子」は葉の付け根に生じる多肉で球状の芽であり、地上に落下するとそこに根を出して新しい個体になる。例文としては「私の会社は種苗を販売している」「早苗を田植えに用いる時期になった」「果樹園用の苗木を栽培している」「ヤマイモの葉に零余子ができていた」などがある。「種苗」の英語用例・例文
「種苗」を英語で表記すると「seedlings」や「seeds and saplings」になる。「種苗を検査する」「種苗は園芸店で販売している」などの文章を英語に直すとそれぞれ「inspect seedlings」「seeds and saplings are sold at garden stores」と書くことができる。「seeds and saplings」は文字通り「種と苗」のことだが、「seedlings」を直訳すると「発芽したばかりの種」になる。発芽した種はやがて苗になることから「種苗」と訳しても誤りではない。- 《種苗》の正しい読み方のページへのリンク