《祈祷》の正しい読み方
「祈祷」の正しい読み方
「祈祷」は「きとう」と読むのが正しい。「祷」という字はあまり日常的に使われないうえ、「寿(ことぶき・じゅ)」とも似ている。そのため、「祈祷」は難読語の一種だとみなされてきた。「祈祷」の意味解説
神仏に祈りを捧げ、加護をもらえるように尽くすことが「祈祷」である。あるいは、祈りを捧げる儀式そのものを「祈祷」と呼ぶ。ちなみに、専用の道具をそろえたうえで、印を結んだり、真言を唱えたりする儀式は正式名称を「加持祈祷」という。「祈祷」は「加持祈祷」の略称として用いられることも多い。祈祷は呪術作法だとみなされており、人間の力では及ばない事象に願いをかける行為である。なぜ「祈祷」と読むのか・理由
「祈祷」を構成する「祈(キ)」と「祷(トウ)」はいずれも漢字の音読みである。「祈」は願いをかけること、「祷」は神に訴えかけることを意味する。似た意味の漢字を音読みでつなげることにより、「祈祷」は「神仏に願いを聞き入れてもらおうとする」というニュアンスが強まっているといえるだろう。「祈祷」の類語・用例・例文
「祈願」「祈念」「立願」などは、「祈祷」の類語である。いずれも、「強く願いをかける」という意味合いは変わらない。ただし、祈祷は「神仏に対して願いをかける」場合に限る。そのため、あくまでも「心で強く願う」という意味が強い、祈念や立願とは定義が異なるといえるだろう。一方、「祈願」は「祈祷」と同じく、神仏に祈るさまを表す語句だ。両者の違いとしては、神職や僧侶がいるかどうかである。「祈願」は自ら神仏に祈りを捧げる方法だといえる。それに対し、「祈祷」では神職や僧侶に依頼し、正式な手順で願かけが行われていく。「祈願」はお賽銭を投げて、手を合わせるようなイメージだ。「祈祷」はより本格的な神仏への儀式である。専用の道具や真言が用意されてようやく、祈祷は成立する。以下、「祈祷」を使った例文を挙げていく。「どうしても災いが終わらないので、祈祷師に相談してみることにした」「志望校合格を願い、神社で祈祷をしてもらった」「厄年をもうすぐ迎えるので、本気で祈祷してもらえる場所を探している」「祈祷」の英語用例・例文
「祈祷」は東洋的な儀式なので、英語圏にまったく同じ意味の語句はない。強いて挙げるなら「pray(祈る)」「prayer(祈り)」といった英単語が「祈祷」に近い。また、「wish(願い・願う)」も「祈祷」に似た単語である。以下、それぞれの例文を紹介する。To cure illness, they prayed for me at the shrine.(病気を治せるよう、彼らは神社で祈祷してくれた。)That prayer is not in vain.(その祈祷は無駄にならない。)Wish me luck getting the difficult driver licence.(難しい自動車免許を取得できるよう、幸運を祈祷してください。)- 《祈祷》の正しい読み方のページへのリンク