《市井》の正しい読み方
「市井」の正しい読み方
「市井」は一般的に「しせい」と読む。ただし、「市井」には日本人の苗字としての使われ方もある。その場合には、「いちい」と読まれることが多い。つまり、人の名前を示しているわけではないなら、「しせい」という読み方が正しいといえる。「市井」の意味解説
「市井」には「人や建物が集まっている場所」との意味がある。普通は、にぎわっている地域を表すために使われてきた。市井の語源は古代の中国だとされている。当時の中国は、井戸のある場所を貴重だとみなしていた。その結果、自然と井戸の周辺には人や家が集まり、市場が設けられるようになった。このことから、「井戸と市場があるほど活気づいた場所」として、「市井」という語句が誕生したのである。そのほか、「世間」「世の中」の意味でも「市井」は使われてきた。なぜ「しせい」と読むのか・理由
「市井」を構成する「市(し)」と「井(せい)」はいずれも音読みである。このうち、「井」を「せい」と読むケースは珍しい。「せい」と読むようになった理由は、語源が中国の言い伝えにあるからである。中国語に近い発音で日本にも伝わり、そのまま定着したと考えられる。「市井」の類語・用例・例文
「市井」と似たような意味の言葉に「都市」「市街地」「繁華街」「集落」などが挙げられる。いずれも、「人や家が集まってできた場所」という意味は変わらない。ただ、都市や市街地、繁華街には「娯楽施設や商店も含む、にぎわった場所」というニュアンスがつきまとう。それに対し、「市井」はあくまでも「人や建物が多い」というイメージである。また、集落は「人が集まっている」というだけで、「大勢がいる」との意味までは含まない。市井には「大勢の人や家が集まり暮らしている」とのニュアンスがある。市井の代表的な用例が「市井の人々」だ。「大衆」や「民衆」の言い換えであり、やや文学的な表現といえる。以下、例文を挙げる。「市井の人々の怒りを受けて、その政治家は辞任に追い込まれた」「お金持ちではない市井の人々にはしかし、ささやかな喜びがある」 「市井の人々」には否定的な響きはなく、「普通の人々」「平均的な人々」との意味でも使われてきた。「市井」の英語用例・例文
「市井」を英語に置き換えるなら、「urban area(発展した地域)「world(世の中)」などが近い。以下、例文を挙げる。This TV is popular in the urban area.(市井ではこのテレビが人気だ。)She is the most beautiful girl of the world.(彼女は市井で最も美しい。) そのほか、「市井の人々」に近い言葉が「common people(一般大衆)」だ。例文を挙げるなら、I am enough to be the one of common people.(私は市井の人々の一員で満足だ。)となる。- 《市井》の正しい読み方のページへのリンク