《専ら》の正しい読み方
「専ら」の正しい読み方
「専ら」の正しい読み方は「もっぱら」である。これは「専」の訓読みであり、古語として扱う場合は「もはら」と読む。「専ら」の意味解説
「専ら」とは、ある一つのことに集中するさまを表す。もともと専の字には、ある物事にだけ集中するという意味があり、専攻(特定の学問を学ぶこと)、専念(一つのことに取り組むこと)など、集中するという意味の熟語に使われている。また独り占めにするという意味もあることから専売(独占的に売ること)、専用(特定の人・作業のためである)など、ある特定の物事を表す熟語にも多い。なぜ「もっぱら」と読むのか・理由
古語としての「もはら」という音が、より言いやすいように変化して「もっぱら」になったとみられる。ただし古語の副詞としての「もはら」は「まったく~ない」のように何かを打ち消す意味合いで使用され、現代の専らとは意味が異なる。辞書によっては現代語として「もっぱら」「もはら」を同じ意味とするものもあるため、文書・文脈によって意味をくみ取る必要があるだろう。形容動詞の「専らなり(もはらなり)」には、現代における「もっぱら」と同様に一つのことに集中するさまを表す意味がある。「専ら」の類語・用例・例文
専らに近い言葉としては「ひたすら」「ただただ」「ひとえに」「~ばかりしている」などがある。これらは「一つのことだけを行っている」状態を表しており、そこに感情や意志は含まれない。そのため「週末は専ら子供と遊んでいる」という一文では、積極的に子供と遊んでいるのか、仕方なしに子供と遊んでいるのかはわからない。さまざまな場面で使用可能で「しばらくは専ら仕事になりそうだ」「私は専ら彼女の話を聞いていた」「夏には専らサーフィンに行っている」などのようにいえる。「最近、専らアイドルグループの曲を聴いている」など、熱中しているという意味であれば「ハマっている」という言葉にも言い換えられるだろう。また、人の行動にのみならず「会社の経営がまずいことになっていると専らの噂だ(その噂が横行している)」のように使われることもある。「専ら」の英語用例・例文
一つのことに集中するという意味では、一般的にはwholly、simply、entirelyなどがあり、 やや形式ばった言い方としてはsolely、 exclusivelyなどがある。例えば、Recently I've been listening to music exclusively.(最近は専ら音楽を聴いています)といえる。この場合、集中しているさまを表現するならexclusivelyを使わずにall these days(この頃ずっと)を使って、I've been listening to music all these days.としても良い。熱意をもって専念するという意味ではdevotedly、wholeheartedlyという語が適しており、特に研究をする場合はdevoteを使って、He devoted himself to research.(彼は研究に身をささげた)と表現できる。また「専らの噂だ」は特定の単語を使うよりは、皆が話しているという意味からEverybody says(is saying)that~.とするのが自然だ。- 《専ら》の正しい読み方のページへのリンク