lipid

実用日本語表現辞典

lipid

別表記：リピッド

「lipid」の意味・「lipid」とは

「lipid」は、生物体の細胞膜の構成要素やエネルギー源として働く脂質を指す英語の単語である。脂肪、ワックス、ステロイドなど、水に溶けない性質を持つ物質全般を含む。これらは生物の体内で多様な役割を果たす。例えば、細胞膜の形成、エネルギー供給、ホルモンの生産など、生命活動に欠かせない。

「lipid」の発音・読み方

「lipid」の発音は、IPA表記では /ˈlɪpɪd/ となる。IPAのカタカナ読みでは「リピッド」となり、日本人が発音するカタカナ英語では「リピッド」が近い。この単語は発音によって意味や品詞が変わるものではない。

「lipid」の定義を英語で解説

「lipid」は英語で、"any of various substances that are soluble in nonpolar organic solvents (such as chloroform and ether), that are usually insoluble in water, that with proteins and carbohydrates constitute the principal structural components of living cells, and that include fats, waxes, phosphatides, cerebrosides, and related and derived compounds"と定義される。これは「クロロホルムやエーテルなどの非極性有機溶媒に溶け、水には通常溶けない、脂肪、ワックス、リン脂質、セレブロシドなどを含む物質」を指す。

「lipid」の類語

「lipid」の類語としては、「fat」、「oil」、「wax」、「sterol」などがある。これらはすべて脂質に関連する単語であり、それぞれ特定の種類の脂質を指す。例えば、「fat」は動物体内に蓄積される脂肪を、「oil」は液体の脂質を、「wax」は固形の脂質を、「sterol」はステロイド構造を持つ脂質を指す。

「lipid」に関連する用語・表現

「lipid」に関連する用語や表現としては、「lipid bilayer」、「lipid metabolism」、「lipid profile」、「lipid peroxidation」などがある。「lipid bilayer」は細胞膜の主要な構造要素である二重脂質層を、「lipid metabolism」は脂質の代謝を、「lipid profile」は血液中の脂質の種類と量を、「lipid peroxidation」は脂質が酸化する過程を指す。

「lipid」の例文

１. Lipids play a crucial role in the body.（脂質は体内で重要な役割を果たす。）
２. The lipid bilayer forms the basic structure of cell membranes.（脂質二重層は細胞膜の基本的な構造を形成する。）
３. Lipid metabolism is essential for energy production.（脂質の代謝はエネルギー生成に不可欠である。）
４. The doctor ordered a lipid profile to assess the patient's cholesterol levels.（医師は患者のコレステロールレベルを評価するために脂質プロファイルを指示した。）
５. Lipid peroxidation can lead to cell damage.（脂質の過酸化は細胞の損傷を引き起こす可能性がある。）
６. The lipid content of the food was quite high.（その食品の脂質含有量はかなり高かった。）
７. Certain vitamins are lipid-soluble.（特定のビタミンは脂溶性である。）
８. Lipids are an important source of energy.（脂質は重要なエネルギー源である。）
９. The lipid molecules are arranged in a double layer.（脂質分子は二重層に配置される。）
１０. Lipid disorders can increase the risk of heart disease.（脂質異常は心臓病のリスクを高める可能性がある。）

（2023年8月7日更新）

デジタル大辞泉

リピド【lipid】

読み方：りぴど

⇒脂質(ししつ)

生物学用語辞典

脂質

英訳・(英)同義/類義語：lipid, Fat

脂肪酸エステルの総称。グリセロールとエステル結合したグリセロ脂質や、スフィンゴシンと結合したスフィンゴ脂質など。体内におけるエネルギー貯蔵物質として使われるほか、細胞膜の構成成分となる。

「生物学用語辞典」の他の用語

化合物名や化合物に関係する事項：

脂肪油  脂肪酸  脂肪酸アシルCoA  脂質  自己抗体  色素  花成ホルモン

PDQ®がん用語辞書

脂質

【仮名】ししつ
【原文】lipid

脂肪のこと。

微生物の用語解説

脂質 [Lipid]

　タンパク質、多糖質とならんで生体を構成する重要な物質群で、一般には水に不溶で脂肪溶剤(エーテル、ベンゼン、クロロホルムなど)に溶け、加水分解によって脂肪酸を遊離し、さらに生物に利用される物質であるが、石油を分解･利用する細菌も存在するので、分子中に長鎖脂肪酸または類似した炭化水素鎖をもち、生物体に存在するか生物由来の物質を脂質という。脂質は大きく単純脂質、複合脂質、それらの誘導体(水に不溶な加水分解産物)に分けられる。単純脂質であるトリアシルグリセロール(グリセロールの脂肪酸エステル)は動物の脂肪組織に多く、複合脂質、たとえばリン脂質は生体膜(細胞質膜)の重要な構成成分である。広い意味ではステロイド、カロテノイド、テルペノイドも脂質に含めることもある。
近年、脂質生化学の発展にともなって、生物にとって重要な複合脂質であるリポ多糖、リポタンパク質あるいは糖脂質など重要性が解明されつつある。

ウィキペディア

脂質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2023/08/14 16:55 UTC 版)

脂質（ししつ、英: lipid）は、生物から単離される無極性溶媒に可溶（水に不溶）な物質を総称したものである。これは特定の化学的、構造的性質ではなく、溶解度による定義であるため、脂質に分類される化合物は多岐にわたる。無極性溶媒は通常炭化水素で、これに可溶な脂肪酸、ワックス（蝋）、ステロール、一部のビタミン、アシルグリセロール、リン脂質などが一般に脂質として分類される。ただし、この定義に当てはまらない例外も多く存在する。国際純正・応用化学連合（IUPAC）でも「ゆるやかに定義された単語」（loosely defined term）としており、厳密な定義はない。生化学的定義では「長鎖脂肪酸あるいは炭化水素鎖を持つ生物体内に存在あるいは生物由来の分子」とされる。脂質は、ときに脂肪と同じ意味で用いられることがあるが、厳密には脂肪は脂質のサブグループであるトリグリセリドを指す。