PMI
PMIとは企業の合併後の統合プロセスという意味のこと。英語のPost Merger Integrationの頭文字をとった言葉である。Postは~の後の、Mergerは合併、Integrationは統合という意味である。M&A(合併・買収)の後の効果を最大にするための具体的な経営、業務、意識におけるプロセスである。M&AにおいてPMIがしっかり練られていないと、M&A自体が失敗に終わることもあるため、とても重要である。
M&Aにおいて、企業同士の事業や経営の合併の過程で、現場の社員の混乱や顧客の不安が生じることがみられる。そのためいかに円滑にM&Aを進めるかという意味でPMIが非常に重要になる。PMIには大きく三つの柱がある。経営(トップの理念や戦略)の統合、業務(システムや人材)の統合、意識(企業の風土や理念)の統合である。もともと別々の会社が一つになるためには、膨大な統合に関わる業務が生じることになる。この三つの柱を限られた期間で統合し、さらには合併することのシナジー効果を最大限にひきだすことが、M&Aを成功に導くPMIである。企業のM&Aが日本においてもさかんに行われるようになってきた昨今、M&A自体に目が行きその後の戦略が追いつかず、M&Aが失敗することもみられるようになってきた。そのような背景からPMIの重要性に注目が集まって来ているといえる。
購買担当者指数
英語:Purchasing Managers Index、PMI
製造業や非製造業、小売業、建設業の業況を数値にして表した経済指標。
購買担当者指数は、各業種の購買担当者に対して生産高や受注状況、雇用などのアンケートを行い、数値化したものである。購買担当者指数は50を中心に推移し、50であれば業況は変わらず、50未満ならば悪化、50より大きければ改善していると判断する。
購買担当者指数は先行指数の1つで、鉱工業生産指数やGDPなどの指標と連動して推移することから、投資家の間では重要な経済指標として注目されている。主な購買担当者指数には、ISM製造業景気指数やユーロ圏製造業購買担当者景気指数などが挙げられる。
PMI
「PMI」とは・「PMI」の意味
「PMI」には、m&a後の統合効果を最大化するための統合プロセスや、主に製造業において事業の維持や拡大、縮小などを決定する際に指標とする購買担当者景気指数という意味がある。また、それ以外にもいくつかの意味がある。・「Post Merger Integration(ポスト・マネージャー・インテグレーション)」を意味する「PMI」
m&a後の統合プロセスを指す「PMI」は、「Post Merger Integration(ポスト・マネージャー・インテグレーション)」という英語の頭文字をとった略語である。m&aにおいては合併や買収のプロセスにばかり焦点が当てられがちであるが、統合後の作業が上手くいかないとm&aによって会社の経営基盤が緩んだり、成長力を失ったりすることがある。「PMI」はm&aの効果を最大限にするために、戦略的に統合を実施していくプロセスのことである。
「PMI」は、経営統合・業務統合・意識統合の3段階で構成される。経営統合は理念・戦略、マネジメントフレームの統合、業務統合は業務・インフラや人材・組織・拠点の統合、意識統合は企業風土や文化の統合が求められ、どこから着手し、いつまでに統合すべきかなどを決定しなければならない。「PMI」の成功事例としては、国内企業ではサントリーや楽天があげられる。サントリーは2014年にビーム社を買収し、「PMI」を成功させウイスキーの販路を海外に広げた。楽天は2000年代から旅行会社や証券会社を買収した後に「PMI」を成功させ、楽天トラベル、楽天証券、楽天銀行などを展開して楽天経済圏を確立した。
・「Purchasing Manager's Index(購買担当者景気指数)」を意味する「PMI」
「PMI」は「Purchasing Manager's Index」という英語の頭文字をとった略語で、「購買担当者景気指数」という意味を持つ。製造業・非製造業の購買担当者にアンケートを行い、生産・新規受注・雇用・価格・購買数量を調査して結果を数値化したものである。中国製造業購買担当者景気指数やユーロ圏製造業購買担当者景気指数、アメリカのISM製造業・非製造業景気指数など、世界各地で集計されている。「PMI」の計算は、(良くなっていると答えた人の割合)×1.0+(変化なしと答えた人の割合)×0.5という計算式に基づいて行われる。
「PMI」は事業の維持・拡大・縮小などを決定するのに必要な指標であるが、1つの指標だけを見て決定するのは禁物である。調査する側によって数値も違ってくるため、複数の「PMI」を参考にして決定する必要がある。主に製造業において「PMI」が重視されているが、その理由は需要を見極めるのに役立つからである。「PMI」の動向を確認することで生産計画が立てやすくなり、突発的な受注などにも対応しやすくなる。余剰在庫の販売見込みもつけやすくなり、在庫管理が効率的にできるなどの利点がある。
・「Product Manufacturing Information(製品製造情報)」を意味する「PMI」
「PMI」は、「Product Manufacturing Information」の頭文字をとった略語で、「製品製造情報」という意味がある。cadソフトウェアを用いて3Dモデルを作成する場合、「PMI(製品製造情報)」を用いることでシステム間のコミュニケーションが円滑になり、より精度の高い製品を製作できるようになる。cadソフトウェアを用いて製品を作る場合、データから物理的な製品に変換しなければならない。変換の際に人間が数字やシンボルを使い製品特性を伝えるよりも、システムからシステムへ伝える方がエラーが少なくなる。そのため、「PMI(製品製造情報)」を用いると業務が効率化できるうえに精度の高い製品を作成することが可能になる。
・「Project Management Institute(プロジェクトマネジメント協会)」という意味の「PMI」
「PMI」には、「Project Management Institute」の英語の頭文字をとった略語で、「プロジェクトマネジメント協会」という意味もある。1969年に設立されたプロジェクトマネージャーとプログラムマネージャー非営利の組織で、世界に290万人以上の会員が在籍する。PMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)の資格認定などを行っており、日本支部は「一般社団法人 PMI日本支部(PMIJ)」と呼ばれている。プロジェクトマネジメントの資格はプロジェクトマネジメントの能力を証明できる国際資格であるが、法的な資格や免許ではない。日本国内においては、建設業やIT業界において注目されている資格である。
・「Pacemaker Implantation(ピースメーカー植え込み術)」という意味の「PMI」
「PMI」は「Pacemaker Implantation」の略語で、「ピースメーカー植え込み術」という意味がある。現代医療において、徐脈性不整脈を薬で治療することはできない。そのため、電気の刺激で心臓の収縮を起こすペースメーカーという医療機器を鎖骨下に埋め込むことで、心拍を清浄化させるという治療法がとられている。「PMI(ペースメーカー埋込術)」においてはペースメーカーと導線を埋め込むのが一般的であるが、導線なしのタイプも開発され埋込の傷跡が残らず治療時間も短縮されるなど、「PMI」の技術も革新されている。
「PMI」の熟語・言い回し
PMI指数とは
「PMI指数」は、主に製造業において今後の景気を見通すために用いられている指標のことである。調査会社は複数あり、それぞれの調査会社によって「PMI指数」は違ってくる。また、「PMI指数」はGDPとの関連が深いとされており、GDPが増加すると「PMI指数」も高くなる傾向がある。意見ではなく事実に基づいたデータであるため、客観的な景気状況を測ることができる。「PMI指数」は生産・新規受注・雇用・価格・購買数量を調査して算出され、毎月第一週目に発表されるのが一般的である。前月からの景気の変遷を知ることができるため、生産数管理や投資などの指標として有益である。
・「PMI指数」の見方
「PMI指数」は0から100の数値で表示され、50の数値の場合は前月から景気が横ばいであることを意味する。数値が50以上の場合は前月から景気が改善していることが予想でき、50以下の場合は前月よりも景気が下降していることが予想できる。数値が50から乖離するほど、前月からの景気の変動が激しいことを意味する。一般的に、景気は一定のサイクルによって上昇・下降している。景気が拡大すると雇用の増加や原材料の需要が高まり、次第に人材不足や供給不足になり人件費や材料費が高くなる。その後、価格上昇や金利の上昇が起こり経済が鈍化し、金利の下落が起こり再び経済成長に弾みがつくというサイクルである。「PMI指数」を確認することで、景気サイクルのどのフェイズにあるのかを知り、次の景気の変化を予測することができる。
「PMI指数」のチャートにおいては、新規受注が増加すると需給の不均衡が起こり未処理のビジネスが増加することになる。また、需要が増加すると製造元の対応が追い付かなくなるため、納期が長期化して「PMI指数」が50未満になってしまう。そして、「PMI指数」のチャートにおいては、原価価格の上昇が製品価格の上昇に反映されるまでには遅れがあるほか、製品の在庫も生産高よりも遅れて変動する傾向があるため、そのことを踏まえ「PMI指数」を読む必要がある。
投資においても、先行投資をするために「PMI指数」は活用されており、「PMI指数」50以上が続いた場合は景気状況が好転しているとして買いの状態となる。アメリカやヨーロッパの「PMI指数」も重視されているが、中国経済圏が拡大するにつれて、中国の「PMI指数」を指標に投資を行う傾向がある。また、これまでの世界経済は製造業を中心に回っていたが、非製造業セクターの拡大により製造業の「PMI指数」を追うだけでは景気の予想がつきにくくなっている。そのため、製造業と非製造業の両方の「PMI指数」をチェックしなければならない。
pmi
別表記:Post Merger Integration
PMI(Post Merger Integration)とは、企業の吸収合併(M&A)後に行われる、事業や事業経営の統合、および、その統合プロセス全体を指す用語です。もともと別個の事業者だった組織を一個にまとめることがM&Aの成功を左右する、その意味でM&Aにおいては非常に重視される要素です。
PMIは「Post Merger Integration」の略であり、「post」は「~後」、「Merger」は「合併」、「Integration」は「統合」という意味の単語です。つまりPMIは、文字通りに捉えれば「合併後の統合」という意味。ただし実際には「合併後の統合」という字面の意味以上に、合併した企業が共に成功を得るための統合過程を重視する意味合いで理解されます。
ピー‐エム‐アイ【PMI】
PMI
PMI
PMI
・経営統合(M&A/合併・買収)に伴って、計画したシナジー効果を獲得するためのプロセス統合とマネジメントを指して言う。
・PMIの対象範囲は、統合を正式に決意した基本合意から統合の実行フェーズまでの全てのプロセスとなる。
【PMIの対象範囲】
・基本合意
・デューデリジェンス
・最終合意
・統合準備
・統合実行
・またPMIでは、統合する領域をいくつかの要素に分けて検討し、限られた時間の中で、どの順序や程度で統合させていくかを決定し、実行ていく。
【統合する領域】
・経営戦略
⇒ビジョン、戦略、ビジネスモデル、マーケティング、競争優位性等
・管理体制
⇒組織、会計制度、業務管理、人事制度、コンプライアンス等
・経営統合における効果を、確実且つ最大限に発揮させるためには、統合することに対する阻害要因等の検証を初期段階より行い、それらの解消を反映させた統合マネジメントの推進が重要である。
・中でも、これまでの両社の歴史によって形成された企業文化の違いや、従業員の意識をどのようにマージしていくかは重要なテーマとなる。
PMI
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/02 08:25 UTC 版)
PMI
- プロジェクトマネジメント協会 - Project Management Institute
- 購買担当者景気指数 - Purchasing Managers' Index
- フィリップ・モリス・インターナショナル (Philip Morris International Inc.)
- 経営統合 (Post Merger Integration)
- ピート・マーウィック・インターナショナル (Peat Marwick International) - KPMGの前身
- 自己相互情報量 - pointwise mutual information
- プレシジョン・モノリシック(Precision Monolithics, Inc.) - アメリカの半導体企業。
- Pm-Iのページへのリンク