4つのマズルカとは? わかりやすく解説

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テレフセン:4つのマズルカ

英語表記/番号出版情報
テレフセン:4つのマズルカQuatre Mazurkas Op.1初版出版地/出版社: Warmuth 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 イ長調 La majeurNo Data No Image
2 イ短調 La mineurNo Data No Image
3 ホ短調 Mi mineurNo Data No Image
4 イ長調 La majeurNo Data No Image

4つのマズルカ

英語表記/番号出版情報
グレチャニノフ:4つのマズルカ4 Mazurkas Op.53
ヘラー:4つのマズルカVier Mazurkas Op.148出版年1879年  初版出版地/出版社: Kistner 
テレフセン:4つのマズルカQuatre Mazurkas Op.3初版出版地/出版社: Warmuth 
スタトコフスキ:4つのマズルカ4 mazurki Op.24
ヴォルフ, エドゥアール:4つのマズルカQuatre Mazurkas Op.5
ヴォルフ, エドゥアール:4つのマズルカQuatre Mazurkas Op.18
ヴォルフ, エドゥアール:4つのマズルカQuatre Mazurkas Op.38

ショパン:4つのマズルカ (第1-4番)

英語表記/番号出版情報
ショパン:4つのマズルカ (第1-4番4 Mazurka (fis:/cis:/E:/es:) Op.6 CT51-55作曲年1830年  出版年1833年  初版出版地/出版社: Kistner  献呈先: Comtesse Pauline Plater

作品概要

作品解説

2007年7月 執筆者: 齊藤 紀子

 この5つのマズルカは、18301832年にかけて作曲され1832年出版された。ポーリーヌ・プラーテル伯爵令嬢捧げられている。
 1曲目嬰ヘ短調クヤヴィアクマズルから成るロンド形式似た形で書かれている
 2曲目嬰ハ短調クヤヴィアク空虚5度用いられる8小節導入部を持つ。
 3曲目ホ長調ヴィヴァーチェ。オベレクによる中間部を持つマズルである。空虚5度に基づく序奏に続く3部形式となっている。
 4曲目変ホ長調はプレスト・マ・ノン・トロッポ。3部形式によるオベレク。保続音対旋律による手法特徴的である。


クヤヴィアクマズル、オベレクの説明こちら佐藤展子さんの連載ページ)。

Fryderyk Chopin “Mazurki na fortepian”ed. I.J. Paderewski, L. Bronarski, J. Turczynski Warszawa : Instytut Fryderyka Chopina 1996


ショパン:4つのマズルカ (第10-13番)

英語表記/番号出版情報
ショパン:4つのマズルカ (第10-13番)4 Mazurka (B:/e:/As:/a:) Op.17 CT60-63作曲年1833年  出版年1834年  初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel  献呈先: Lina Freppa

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 10番 変ロ長調 No.10 op.17-1 B dur3分00
2 第11番 ホ短調 No.11 op.17-2 e moll2分30秒
3 第12番 変イ長調 No.12 op.17-3 As dur6分00
4 13番 イ短調 No.13 op.17-4 a moll4分00

作品解説

2007年7月 執筆者: 齊藤 紀子

 この4つのマズルカはリナ・フレッパ夫人捧げられている。
 1曲目変ロ長調はヴィーヴォ・エ・リゾルートのマズル
 2曲目ホ短調はレント・マ・ノン・トロッポ。随所マズル挿入されるクヤヴィアクとなっている。
 3曲目変イ長調はレント・アッサイ。マズルリズム書かれているが、クヤヴィアク性格を持つマズルカとなっている。複合3部形式書かれ中間部にはオベレクの性格を持つ3連音符音階が響く。この中間部には、異名同音利用した転調みられるまた、全体通してシンコペーション多用されている。
 4曲目イ短調はレント・マ・ノン・トロッポ。4小節序奏24小節コーダを持つ3部形式書かれているクヤヴィアクマズルカであるが、中間部では、同主長調によるマズル対比される

クヤヴィアクマズル、オベレクの説明こちら佐藤展子さんの連載ページ)。

Fryderyk Chopin “Mazurki na fortepian”ed. I.J. Paderewski, L. Bronarski, J. Turczynski Warszawa : Instytut Fryderyka Chopina 1996


ショパン:4つのマズルカ (第14-17番)

英語表記/番号出版情報
ショパン:4つのマズルカ (第14-17番)4 Mazurka (g:/C:/As:/b:) Op.24 CT64-67作曲年1834年  出版年1836年  初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel  献呈先: Comte de Perthuis

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 第14番 ト短調 No.14 op.24-1 g moll3分00
2 15番 ハ長調 No.15 op.24-2 C dur2分30秒
3 第16番 変イ長調 No.16 op.24-3 As dur2分30秒
4 第17番 変ロ短調 No.17 op.24-4 b moll5分00

作品解説

執筆者: PTNA編集部

 作品24の4曲はパリ作曲された。この頃ショパンは、パリ活動開始して4、5年が経ち作曲家としてもピアニストとして充実期入っていた。
第14番 ト短調
ポーランド民謡使われた、素朴なマズルカ
15番 ハ長調
軽やか可憐な曲。中間部変ニ長調転じてドラマティック側面見せる。
第16番 変イ長調
大らか明るく可愛らしい小品途中現れるエピソード印象的である。
第17番 変ロ短調
数あるマズルカ中、充実した傑作一つ途中ユニゾン和音によるエピソード風の部分現れるが、ユニゾン合唱女性パート和音箇所混声合唱だと、ショパン弟子教えている。


ショパン:4つのマズルカ (第18-21番)

英語表記/番号出版情報
ショパン:4つのマズルカ (第18-21番)4 Mazurka (c:/h:/Des:/cis:) Op.30 CT68-71作曲年1837年  出版年1837年  初版出版地/出版社: Wessel  献呈先: Princesse Maria de W&uumlrtemberg n&eacutee Czartoryska

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 18番 ハ短調 No.18 op.30-1 c moll2分00
2 19番 ロ短調 No.19 op.30-2 h moll1分30秒
3 20番 変ニ長調 No.20 op.30-3 Des dur3分30秒
4 21番 嬰ハ短調 No.21 op.30-4 cis moll4分00

作品解説

2010年2月 執筆者: 菅野 雅紀

作曲年:1836~37年
出版年1837年11月イギリス
1837年12月フランス) 1838年1月ドイツ
 献 呈:A Madame la Princesse de Wurtemberg, nee Princesse Czartoryska

 《4つのマズルカ》作品301836年から手がけられ、1837年完成した。この2年間のショパン話題といえば、ほぼマリア・ヴォドジンスカとの恋愛とその破局尽きといえるだろう。1835年9月マリアとの出会いの後、パリ戻ったショパンは病に倒れてしまう。その病状はひどく咳き込み血を吐き高熱幻覚をみることもあったという。ショパンの姿を見なくなったと、人々の間では死亡説ささやかれるほどであった。しかし、翌1836年入り徐々に体調回復し7月にはショパンチェコのマリアンスケー・ラーズニェでマリア再会する。このとき、マリア水彩ショパン肖像画描いており、ショパンマリアに《練習曲作品25-1、2を教えたという。そして、ショパン当時17歳マリア求婚し両親にも条件付き認められた。
マリア両親とりわけ母のテレサ出した条件とは、ショパン健康面に関するものであった。すでに前年の冬に死亡説流布するほどの大病をしていたショパンに対して、体を大切にし、夜遊び避け暖かく養生することなど注意していた。しかしショパンはこの指示を守らなかっただけでなく、それからも体調頻繁に崩すことを繰り返していた。娘の夫として健康面大きな不安を感じていたマリアの母テレサ意向もあり、1837年の夏、ショパンのもとには「ごきげんよう私たちのことをどうぞお忘れなく」という別れの手紙が届くことになる。ショパンはヴォドジンスキ家からの書簡ひとまとめにし、「わが悲しみと書き込んだ



ハ短調 作品30-1Allegro non tanto
所収情報
  パデレフスキ版:No.18 / エキエル版:No.18 [Series A]
ヘンレ版:No.18 / コルトー版:No.18

 悲しみ満ちた冒頭主題と、愛に溢れ中間部といった様相三部形式AABBAAになっている。AからBは大きなスラーかけられ、この形式超越したところに音楽描き出されている。
中間部終わりニ音中心に揺れ動く旋律は、「超えられない壁」(ト音)を乗り越え最後に変イ音に到達した後、冒頭主題回帰する。この部分に付けられた和音は、ト音嬰ヘ音が激しくぶつかり合うことで、不協和に響く。この嬰ヘ音は、ハ短調5度上の5度からの、ト長調としての借用音がハ短調ジプシー短音階(第4音を半音上げた短音階)へと置き換えられたものと考えられる
ショパンはしばしばこのジプシー短音階マズルカ用いているが、本作品の旋律にはこの民族的な響き音階現れない。それに代わり旋法的なこの音階和声的用いることで、激し不協和音作り出している。この不協和響きは、恋愛体調思わしくないショパンの耐えきれない苦痛表現といえるかもしれない
和声進行の妙は楽曲最後に凝らされており、最後の2小節ではペダル離すことで低音支え失ったハーモニーが、下属和音響かせた後、主和音に戻ることなく締めくくられる。この予期せぬ結末と、最後に残されハ音によって、本作品の哀愁はさらに深いものへと昇華される



ロ短調(-嬰ヘ短調) 作品30-2 ― Vivace (Allegro)
所収情報
  パデレフスキ版No.19エキエル版No.19 [Series A]
ヘンレ版:No.19コルトー版:No.19

ロ短調主題からはじまり、3つの主題次々とあらわれるAABBCCBBという形式によって構成される。他のショパンマズルカでは、ロンド風の巡回形式三部形式、あるいはそれらが組み合わされ複合三部形式をもつものが多いが、本作品は冒頭主題回帰しない珍しい形式である。
主題Aを導入部(i)考えれば楽曲の構造はiiBBCCBBという単純な三部形式一種ととらえることもできるそれぞれの主題調性をみると、主題Aはロ短調主題Bは嬰ヘ短調主題Cはイ長調であり、B-C-B三部形式部分は、イ長調嬰ヘ短調という、並行調の関係によっている。さらに主題Cでは、2小節の同じ旋律繰り返しながら、嬰ヘ短調イ長調往来しており、作品大半占め主題Bと主題Cによる楽想は、嬰ヘ短調中心に展開している。
その一方でショパン楽譜上に示した調号シャープ2つ)から、本作品の主調主題Aのロ短調であると考えられ、この唯一の主調による主題Aを導入部考えにくい。このような複雑な調性表現するため、パデレフスキ版などでは、この作品を「ロ短調嬰ヘ短調」と表記している。
ここで、なぜショパン楽曲途中で調号変更しなかったのかという疑問生じる。ショパン作品17以降マズルカで、作品途中調号変更書き入れる記譜用いるようになっており、同様の手法本作品の前後位置する作品24作品33中にもみられる。すなわち、ショパン自身はこの作品を「ロ短調」の作品として強く意識していたと考え得る一方ロ短調譜面嬰ヘ短調を書くにはシャープをひとつ加えるだけでよいため単純に記譜簡便性から、調号変える必要性感じなかっただけかもしれない。この問題対す最終的な解釈については、それぞれの演奏者聴き手委ねられているといえる



変ニ長調 作品30-3
所収情報
  パデレフスキ版:No.20 / エキエル版:No.20 [Series A]
ヘンレ版:No.20 / コルトー版:No.20

 8小節序奏につづき表れる冒頭主題は、作品30の4曲で唯一回帰するのである。この16小節にわたる冒頭主題は、他の多くマズルカと同様、2小節の短い動機変奏繰り返しによって形作られている。マズルカ多くは、2小節動機2つまとめて小節、それが2つまとまって小節まとまり作っているのに対して、この作品冒頭主題では構造複雑性大きく高められている。
最初の2小節あらわれる上行形動機(a)には、対をなす下行形の動機(b)続けられ聴き手は再び動機(a)出現期待する。しかし、それに続くのは動機(b)を同主短調変容させたものである。さらに動機(b)続き、8小節主題前半a-b-b↓-bと構成されるこのように下行形の動機(b)中心に展開される前半に対して後半部では拡大され動機(a)と、その完全な逆行形(a’)が対になってあらわれ最後にその4小節組み合わせが同主短調変容される。すなわち、冒頭主題後半a-a’-a↓-a↓’という構成になっており、主題前半とはその構造異なっている。このように動機発展技法大きく発展させることで、本作品の冒頭主題では、その詩的表現可能性大きく高めることに成功している。
作品全体形式作品7-3マズルカきわめて近くつぎつぎと新し主題表れ最後に冒頭主題回帰する形式i||:A: ||BBCCDDtAとなっている。冒頭主題回帰するという観点からは一種三部形式考えることもできるが、中間部にしては多く主題現れ形式的な曖昧性持たされている。冒頭主題動機発展において、期待される繰り返し避けているのと同様、作品全体わたっても、期待される冒頭主題回帰遅らせることで、作品思いがけない光を投げかけることを意図しているといえる。なお、作品30ー1で和声的用いられていたジプシー短音階は、この作品冒頭主題では音階本来の旋法的な用法によって旋律線に用いられている。



嬰ハ短調 作品30-4
所収情報
  パデレフスキ版No.21エキエル版No.21 [Series A]
ヘンレ版:No.21コルトー版:No.21

それぞれ特徴的な個性をもつ作品30の4つのマズルカの最後に位置づけられたのは、139小節という大規模な嬰ハ短調本作品である。一組マズルカ最後に大規模な作品配置するのは、作品17以降マズルカ共通してみられる特徴である。作品は、iAABBCiAcodaと、比較的はっきりとした三部形式示している。
5度上の5度にあたる嬰ニ音を中心に揺れ動く序奏は、5度嬰ト音に5度下行した後、主和音とともに苦渋に満ちた冒頭主題へと導く。この冒頭主題は上行や下行繰り返しながらも、決し長調響かせることなく、対を為す次の主題へと移っていく。そして中間部前半にあたるこの主題、やはり長調響かせることなくただただ暗雲包まれるかのごときである。
本作品でわずかな光明が見いだされるのは、第65小節からの中間部後半である。ここでは、短調響きが顔をのぞかせながら、それを振り払うかのごとくロ長調向かって転調繰り返す。しかしロ長調到達しようというとき、不意に序奏再現し苦しみ嬰ハ短調へと引き戻されてしまう。
マリア・ヴォドジンスカとの破局対すショパン苦悩ひたすらに表現しているかのような作品ではあるが、その暗さが、随所みられるショパン独特の繊細な美し変奏より一層引き立て、そこに魔法一瞬がうまれる。


ショパン:4つのマズルカ (第22-25番)

英語表記/番号出版情報
ショパン:4つのマズルカ (第22-25番)4 Mazurka (gis:/D:/C:/h:) Op.33 CT72-75作曲年: 1837-38年  出版年1838年  初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel  献呈先: Comtesse Rose Mostowska

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 22番 嬰ト短調 No.22 op.33-1 gis moll2分30秒
2 23番 ニ長調 No.23 op.33-2 D dur2分30秒
3 24番 ハ長調 No.24 op.33-3 C dur2分00
4 25番 ロ短調 No.25 op.33-4 h moll5分00

作品解説

2007年7月 執筆者: 齊藤 紀子

 この4 つのマズルカはローズ・モストフスカ伯爵夫人捧げられている。自筆譜では、嬰ト短調ハ長調ニ長調ロ短調の順で書かれ初版もこの曲順出版された。しかしその後誰かにより嬰ト短調ニ長調ハ長調ロ短調の順に並べ替えられて出版され、こちらの曲順の方が一般的となっている。ここでは、この後者の曲順に従う。
1曲目嬰ト短調レントマズルリズム書かれているが、クヤヴィアク性格を持つ。また、限られた音による簡素なマズルカとなっている。メロディー瞑想的な雰囲気醸し出している。
 2曲目ニ長調ヴィヴァーチェ中間部マズルとオベレクを持つクヤヴィアクとなっている。
 3曲目ハ長調はセンプリーチェ。中間部付点リズムによらないマズルを持つクヤヴィアクとなっている。そして、15小節コーダを持つ。
4曲目ロ短調メストクヤヴィアクマズルにより、8小節コーダを持つ。全224小節マズルカの中では規模大きめである。


クヤヴィアクマズル、オベレクの説明こちら佐藤展子さんの連載ページ)。

Fryderyk Chopin “Mazurki na fortepian”ed. I.J. Paderewski, L. Bronarski, J. Turczynski Warszawa : Instytut Fryderyka Chopina 1996


ショパン:4つのマズルカ (第26-29番)

英語表記/番号出版情報
ショパン:4つのマズルカ (第26-29番)4 Mazurka (cis:/e:/H:/As:) Op.41 CT74, 76, 78-79作曲年1839年  出版年1840年  初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel  献呈先: Etienne Witwicki

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 26番 嬰ハ短調 No.26 op.41-1 cis moll4分00
2 27番 ホ短調 No.27 op.41-2 e moll3分30秒
3 28番 ロ長調 No.28 op.41-3 H dur1分00
4 29番 変イ長調 No.29 op.41-4 As dur2分00

作品解説

2007年7月 執筆者: 齊藤 紀子

 この4 つのマズルカは、エティエンヌ・ヴィトフィツキ氏に捧げられている。
 1曲目嬰ハ短調マエストーソフリギア旋法特徴的なマズルである。そして、曲全体通して非和声音多用されている。
 2曲目ホ短調アンダンティーノ内省的なクヤヴィアクである。
 3曲目ロ長調アニマート。オベレクに、中間部同音反復特徴的なマズル対比を成す。3小節コーダを持つ。
 4曲目変イ長調アレグレットクヤヴィアク挿入されるオベレクとなっている。リズムワルツに近いものを感じさせる

クヤヴィアクマズル、オベレクの説明こちら佐藤展子さんの連載ページ)。

Fryderyk Chopin “Mazurki na fortepian”ed. I.J. Paderewski, L. Bronarski, J. Turczynski Warszawa : Instytut Fryderyka Chopina 1996


ショパン:4つのマズルカ (第44-47番)

英語表記/番号出版情報
ショパン:4つのマズルカ (第44-47番)4 Mazurka (G:/g:/C:/a:) Op.67 CT92-95作曲年: ca.1830, 1848, 1835, 1846年  出版年1855年  初版出版地/出版社Schlesinger, Meissonnier 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 42番 ト長調遺作) No.42 op.67-1 G dur1分30秒
2 43番 ト短調遺作) No.43 op.67-2 g moll 2分00
3 44番 ハ長調 (遺作) No.44 op.67-3 C dur1分30秒
4 45番 イ短調遺作) No.45 op.67-4 a moll3分00

作品解説

2007年7月 執筆者: 齊藤 紀子

 1曲目と3曲目1835年に、4曲目1846年に、2曲目19481949年ごろに作曲された。作品68の4つのマズルカと共にショパン死後フォンタナ編纂により1855年出版されている。正式な献呈ではないが、1曲目はアンナ・ムオコシエヴィチ嬢に、3曲目はアデリーナ・ホフマン夫人贈られたと考えられている。
 1曲目ト長調ヴィヴァーチェマズルである。そして、4小節序奏を持つ
2曲目ト短調前述通り晩年の作品考えられている。冒頭にはカンタービレ記されマズルによる中間部を持つクヤヴィアクとなっている。
3曲目ハ長調アレグレットワルツのような性格も持つ3部形式によるオベレクである。
4曲目イ短調はモデラート・アニマート。3部形式によるクヤヴィアクとなっている。中間部では、同主長調イ長調転調する


クヤヴィアクマズル、オベレクの説明こちら佐藤展子さんの連載ページ)。


Fryderyk Chopin “Mazurki na fortepian”ed. I.J. Paderewski, L. Bronarski, J. Turczynski Warszawa : Instytut Fryderyka Chopina 1996


ショパン:4つのマズルカ (第48-51番)

英語表記/番号出版情報
ショパン:4つのマズルカ (第48-51番)4 Mazurka (C:/a:/F:/f:) Op.68 CT96-99作曲年: ca.1830, 1827, ca.1830, 1846?年  出版年1855年  初版出版地/出版社: Meissonnier, Schlesinger  献呈先: 2. Stammbuch Emilia Elsner

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 46番 ハ長調遺作) No.46 op.68-1 C dur2分00
2 47番 イ短調 (遺作) No.47 op.68-2 a moll3分00
3 48番 ヘ長調遺作) No.48 op.68-3 F dur2分00
4 49番 ヘ短調遺作) No.49 op.68-4 f moll3分00

作品解説

2010年2月 執筆者: 菅野 雅紀

ショパン没後ユリアン・フォンタナによってまとめられ作品67の《4つのマズルカ》とあわせた8曲が出版された。作品50以降ショパンマズルカを3曲ごとにまとめて出版しており、4曲を一組にすることが妥当であったのかという疑問残されるが、ショパン信頼寄せていたフォンタナによる作品組み合わせには、ショパンらしさを残そうとする意図うかがえる
作品67作品68いずれも、第1曲には活力溢れ長調マズルカ配されており、ともに「Vivace」と付けられている。ショパン作品7、作品50作品63などで同様の配置をしており、フォンタナはその傾向意識したものと推されるが、エキエル版ではこれらの速度表記取り払われている。最後に短調マズルカを置く傾向ショパンマズルカでより顕著に示され傾向であり、曲順疑問残されるいくつかの作品除いて生前出版されすべての作品で、その最後短調マズルカ配されている。
このようなショパン好んでいた曲想まとまり加えフォンタナ調性の関係を強く意識して4つの作品組み合わせた
13
のと考えられる作品68場合、第1曲と第2曲は並行調の、第3曲と第4曲は同主調の関係にあり、第2曲と第3曲の間も、下属調並行調と、きわめて近い関係の調性選ばれている。
4つのマズルカは一定のまとまりをもってはいるものの、これは必ずしもショパン意図ではなくとりわけ調性関係については、生前出版されマズルカ同様の特徴みられるともないため、ショパン自身がまとめた作品群とは区別して考えた方がいいだろう近年編纂進められているエキエル版では作品番号付けずに、作曲年代順掲載されているほか、今後出版される予定ペータース原典版でも同様の処置なされるものと考えられる。しかし、これらの作品対す統一的表記浸透していない現状において、今後もしばらくは作品番号統一表記としての役割果たしていくこととなるだろう。
ヘ長調 作品68-3

作品68-1のマズルカとほぼ同時期、ショパン最初ウィーン訪問1829年)から祖国ポーランドを発つ頃(1830年末)までに書かれたものとされる。他の初期マズルカと同様、簡素な楽式による、より実用的なマズルカ雰囲気持っている
変ロ長調転調した中間部では、変ロ音とへ音上で奏でられる空虚5度の上で、第4音を半音上行させたジプシー的な音階響き民族的な香り強く漂う。また、他のマズルカにはあまりみられない特徴として、この部分に「Poco piu mosso」と速度変更指示されていることは興味深いマズルカは、マズル、オベレク、クヤヴィアククラコヴィアクなどポーランド様々な民族舞踏要素取り込まれたものとされるが、これらの舞踏には共通したリズム音型があるため、リズムだけで舞踏種類断定することは出来ない。その一方でテンポ緩急それぞれの舞踏特徴的な要素であり、速度変更されることで、舞踏種類変わったことが、ここでははっきりと示されといえる急速なテンポと、回転感じさせる音型から、この中間部がオベレクの特徴持っているといえる




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