閻温

三国志小事典

閻温Yan Wen

	エンオン （エンヲン）	（～） 漢 魏
【参照】

ウィキペディア

閻温

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2023/12/19 14:20 UTC 版)

閻 温（えん おん、? - 建安18年（213年））は、中国後漢末期の政治家。字は伯倹。涼州天水郡西城県の人。

生涯

涼州の別駕として、上邽県令の職務を代行していた。建安16年（211年）、潼関の戦いで曹操に敗れた馬超^[1]が上邽に逃れてくると、郡民の任養らがこぞってこれを迎え入れた。閻温はそれを食い止めることが出来ず、州へ帰還した。

建安18年（213年）、勢力を巻き返した馬超により、州庁のある冀城が包囲された。近隣の諸県大半が馬超に呼応し、冀城のみが刺史の韋康らに残された拠点という状況の中、閻温は馬超残党の掃討に当たっていた夏侯淵に危機を伝えるため城を脱出^[1]。包囲軍の目を逃れるため、夜間に水中を潜って城外に出たが、翌日には跡を発見されてしまい、追跡を受け、顕親の地で捕縛された。

馬超は閻温の縄を解くと、籠城軍の士気を削ぐため、援軍が来ないと伝えるよう脅した。閻温は承諾する振りをしつつ、これに反し城外から「3日と経たぬ内に大軍（の救援）が来る！」と呼びかけ、籠城軍を奮い立たせた。馬超から命が惜しくないのかと責められるも、返答しなかった。馬超は冀城を陥落させることができず、なおも閻温の変心を期待し、城内の知人で自分に同調する者がいないかと尋ねたが、なおも閻温は返答を拒否した。馬超が閻温を厳しく責め立てると、これに答えた。「そもそも主君に仕える場合、死んでも裏切らないもの」「私はいたずらに生を貪る者ではない」と。ついに閻温は馬超によって殺害された。

出典

• 陳寿『三国志』巻18 魏書 閻温伝

脚注

1. ^ ^{a b} 司馬光『資治通鑑』巻66 漢紀58

表 話 編 歴 陳寿撰 『三国志』 に立伝されている人物および四夷
魏志 （魏書）	巻1 武帝紀 太祖武皇帝曹操 巻2 文帝紀 文皇帝曹丕 巻3 明帝紀 明皇帝曹叡 巻4 三少帝紀 斉王曹芳 高貴郷公曹髦 陳留王曹奐 巻5 后妃伝 武宣卞皇后 文昭甄皇后 文徳郭皇后 明悼毛皇后 明元郭皇后 巻6 董二袁劉伝 董卓 李傕 郭汜 馬騰 韓遂 袁紹 沮授 田豊 袁譚 袁煕 袁尚 袁術 劉表 劉琮 巻7 呂布臧洪伝 呂布 張邈 陳宮 陳登 臧洪 巻8 二公孫陶四張伝 公孫瓚 劉虞 公孫度 公孫淵 陶謙 張楊 張燕 張繡 張魯 巻9 諸夏侯曹伝 夏侯惇 韓浩 史渙 夏侯淵 曹仁 曹純 曹洪 曹休 曹真 曹爽 何晏 夏侯尚 夏侯玄 許允（中国語版） 王経 巻10 荀彧荀攸賈詡伝 荀彧 荀惲 荀甝（中国語版） 荀霬（中国語版） 荀攸 賈詡 巻11 袁張涼国田王邴管伝 袁渙 張範 涼茂 国淵 田疇 王修 王裒（中国語版） 邴原 管寧 王烈 張臶（中国語版） 胡昭 巻12 崔毛徐何邢鮑司馬伝 崔琰 孔融 毛玠 徐奕 何夔 何曾 邢顒 鮑勛 司馬芝 司馬岐（中国語版） 巻13 鍾繇華歆王朗伝 鍾繇 鍾毓 華歆 王朗 王粛 巻14 程郭董劉蔣劉伝 程昱 程暁 郭嘉 董昭 劉曄 劉陶 (曹魏)（中国語版） 蔣済 劉放 孫資 巻15 劉司馬梁張温賈伝 劉馥 劉靖 司馬朗 梁習 王思（中国語版） 張既 游楚 張緝 温恢 孟建 賈逵 賈充 巻16 任蘇杜鄭倉伝 任峻 蘇則 杜畿 杜恕 楽詳（中国語版） 鄭渾 倉慈 巻17 張楽于張徐伝 張遼 楽進 于禁 張郃 徐晃 朱霊 巻18 二李臧文呂許典二龐 閻伝 李典 李通 臧覇 孫観 文聘 呂虔 王祥 許褚 典韋 龐悳 龐淯 趙娥 閻温 張恭 巻19 任城陳蕭王伝 任城王曹彰 陳思王曹植 蕭懐王曹熊 巻20 武文世王公伝 武帝諸子 曹昂 曹鑠 曹沖 曹據 曹宇 曹林 曹袞 曹玹 曹峻 曹矩 曹幹 曹上 曹彪 曹勤 曹乗 曹整 曹京 曹均 曹棘 曹徽 曹茂 文帝諸子 曹協 曹蕤 曹鑑 曹霖 曹礼 曹邕 曹貢 曹儼 巻21 王衛二劉傅伝 王粲 徐幹 陳琳 阮瑀 応瑒 劉楨 応璩 応貞 阮籍 嵆康 桓威 呉質 衛覬 潘勗 王象 劉廙 劉劭 繆襲 仲長統 傅嘏 巻22 桓二陳徐衛盧伝 桓階 陳羣 陳泰 陳矯 徐宣 衛臻 盧毓 巻23 和常楊杜趙裴伝 和洽 常林 楊俊 杜襲 趙儼 裴潜 裴秀 巻24 韓崔高孫王伝 韓曁 崔林 高柔 孫礼 王観 巻25 辛毗楊阜高堂隆伝 辛毗 楊阜 高堂隆 巻26 満田牽郭伝 満寵 田豫 牽招 郭淮 巻27 徐胡二王伝 徐邈 胡質 王昶 王基 巻28 王毌丘諸葛鄧鍾伝 王淩 令狐愚 毌丘倹 文欽 諸葛誕 唐咨 鄧艾 州泰 鍾会 王弼 巻29 方技伝 華佗 杜夔（中国語版） 馬鈞 朱建平 周宣 管輅 巻30 烏丸鮮卑東夷伝 烏丸鮮卑 烏丸 鮮卑 軻比能 東夷 夫餘 高句麗 東沃沮 挹婁 濊 韓 倭人 西戎
蜀志 （蜀書）	巻31 劉二牧伝 劉焉 劉璋 巻32 先主伝 先主劉備 巻33 後主伝 後主劉禅 巻34 二主妃子伝 皇后 先主甘皇后 先主穆皇后 後主敬哀皇后 後主張皇后 皇子 先主子劉永 先主子劉理 後主太子劉璿 巻35 諸葛亮伝 諸葛亮 諸葛喬 諸葛瞻 董厥 巻36 関張馬黄趙伝 関羽 張飛 馬超 黄忠 趙雲 巻37 龐統法正伝 龐統 法正 巻38 許糜孫簡伊秦伝 許靖 糜竺 孫乾 簡雍 伊籍 秦宓 巻39 董劉馬陳董呂伝 董和 劉巴 馬良 陳震 董允 陳祗 呂乂 巻40 劉彭廖李劉魏楊伝 劉封 孟達 彭羕 廖立 李厳 劉琰 魏延 楊儀 巻41 霍王向張楊費伝 霍峻 霍弋 王連 向朗 向寵 張裔 楊洪 何祗 費詩 巻42 杜周杜許孟来尹李譙 郤伝 杜微 周羣 杜瓊 許慈 孟光 来敏 尹黙 李譔 陳術 譙周 譙秀（中国語版） 郤正 巻43 黄李呂馬王張伝 黄権 李恢 呂凱 馬忠 王平 句扶 張嶷 巻44 蔣琬費禕姜維伝 蔣琬 蔣斌 蔣顕 劉敏 費禕 姜維 巻45 鄧張宗楊伝 鄧芝 張翼 宗預 廖化 楊戯
呉志 （呉書）	巻46 孫破虜討逆伝 孫堅 孫策 巻47 呉主伝 孫権 巻48 三嗣主伝 孫亮 孫休 孫皓 巻49 劉繇太史慈士燮伝 劉繇 笮融 劉基 太史慈 士燮 巻50 妃嬪伝 呉夫人 謝夫人 徐夫人 歩夫人 琅邪王夫人 南陽王夫人 潘夫人 全夫人 朱夫人 何姫 滕夫人 巻51 宗室伝 孫静 孫瑜 孫皎 孫奐 孫賁 孫輔 孫翊 孫匡 孫韶 孫桓 巻52 張顧諸葛歩伝 張昭 張奮 張承 張休 顧雍 顧邵 顧譚 顧承 諸葛瑾 諸葛融 歩騭 周昭 巻53 張厳程闞薛伝 張紘 厳畯 裴玄 程秉 徴崇 闞沢 唐固 薛綜 薛瑩 巻54 周瑜魯粛呂蒙伝 周瑜 魯粛 呂蒙 巻55 程黄韓蔣周陳董甘淩 徐潘丁伝 程普 黄蓋 韓当 蔣欽 周泰 陳武 陳表 董襲 甘寧 凌統 徐盛 潘璋 丁奉 巻56 朱治朱然呂範朱桓伝 朱治 朱然 朱績 呂範 呂拠 朱桓 朱異 巻57 虞陸張駱陸吾朱伝 虞翻 陸績 張温 駱統 陸瑁 吾粲 朱拠 巻58 陸遜伝 陸遜 陸抗 巻59 呉主五子伝 孫登 孫慮 孫和 孫覇 孫奮 巻60 賀全呂周鍾離伝 賀斉 全琮 呂岱 周魴 鍾離牧 巻61 潘濬陸凱伝 潘濬 陸凱 陸胤 巻62 是儀胡綜伝 是儀 胡綜 徐詳 巻63 呉範劉惇趙達伝 呉範 劉惇 趙達 巻64 諸葛滕二孫濮陽伝 諸葛恪 聶友 滕胤 孫峻 留賛 孫綝 濮陽興 巻65 王楼賀韋華伝 王蕃 楼玄 賀邵 韋昭 華覈