鉱床の形成とは? わかりやすく解説

鉱床の形成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 14:53 UTC 版)

岩戸鉱山」の記事における「鉱床の形成」の解説

岩戸鉱山鉱床は、熱水性の塊状金銀珪化岩からなっている。鉱床胚胎する珪化岩体は、南北方向断面キノコのような形状をしており、それが東西長く伸びた鉄道レールのような構造となっている。 鉱床母岩となったのは、凝灰角礫岩凝灰岩などの火山砕屑物である。熱水によって変質した中心部珪化になっており、安山岩元になった珪化岩の場合輝石斜長石などの斑晶が、凝灰角礫岩元になった珪化岩の場合は礫や軽石などが溶脱されて空隙生じている。この珪化帯を薄く取り巻くように弱珪化帯があり、珪化帯より溶脱が不完全でより多く粘土鉱物伴っている。弱珪化帯の外側には粘土変質帯が、そしてその外側にはプロピライト化帯がある。南薩型金鉱床では、熱水により最初に珪化進行して空隙生じ、あとからこの空隙に金や銀の鉱化作用起きて鉱床形成されていった。この鉱化はほぼ珪化帯に限られ外部粘土変質帯などにはほとんど見られない岩戸鉱山明礬石対すカリウム-アルゴン法による年代測定では470万年前±100万年前測定されており、春日鉱山より新しく赤石鉱山より古いとされている。これは火山活動鉱化作用西から東へ移る傾向にあったことを示している。

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鉱床の形成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 15:23 UTC 版)

赤石鉱山 (鹿児島県)」の記事における「鉱床の形成」の解説

赤石鉱山採掘対象となる鉱床は高硫化熱水金鉱床であるとされ、別名南薩型金鉱床呼ばれ枕崎市にある岩戸鉱山および春日鉱山同様ののである。 南薩中期火山岩類の安山岩熱水流入し酸性変質作用受けて珪化岩が生成されたものとされる珪化岩と安山岩境界付近では、珪化側から珪化変質、弱珪化変質、強粘土変質、弱粘土変質プロピライト変質の順で帯状重なっている。これらの部分幅広い種類粘土鉱物確認されていることから、成分異な熱水複数回流入して珪化岩が生成されたと推定されている。最初に酸性熱水流入して南薩中期火山岩類の安山岩から斑晶捕獲岩片が溶脱されて相対的に珪酸増大する溶脱珪化作用生じて珪化岩体生成され続いて中性熱水上昇して石英や金を沈殿する付加珪化作用生じ、さらに褐鉄鉱などの酸化鉱物生成されたのち、二次富化として天水作用によりや金が再沈殿するという流れ鉱床形成されていったこのように赤石鉱山鉱床は、南薩中期火山岩類が酸性変質作用受けて生成した珪化岩の中に胚胎する鉱染型の鉱床である。赤石鉱山ではこの鉱床の中で、金の品位鉱石1トン当たり3グラム上の部分を鉱体として扱っている。 鉱床生成時期は、古地磁気による判定では、418万年前-358万年前のステージIと、358万年前-322万年前のステージIIの2回があるとされ、また第1鉱体の明礬石対すカリウム-アルゴン法による年代測定370万年前±100万年とされた。これは岩戸鉱山春日鉱山よりは新し時代生成であり、薩摩半島火山活動西から東へ向けて順に起きていったことと一致している。 赤石鉱山では、珪化岩は東西300メートル南北200メートル地下270メートル楕円形をしており、この中に第1から第4までの鉱体が胚胎している。数字は鉱体の発見順で、おおよそ菱形配列しており、第1鉱体が最大90メートル×50メートル×125メートル平均金品位7.4グラム/トン、第2鉱体は80メートル×30メートル×80メートル平均金品位7.7グラム/トン第3鉱体は80メートル×30メートル×80メートル平均金品位5.5グラム/トン、第4鉱体は80メートル×20メートル×40メートル平均金品6.2グラム/トンである。稼行継続する南薩型鉱床の中では、赤石鉱山がもっと高品位である。しかし菱刈鉱山のような鉱脈型の金鉱床比べると低品位であり、なお操業続けられているのは露天掘り機械化され大規模坑内掘り適していて低コスト採掘が可能であるという理由よる。鉱石はしばしトジ金(粒状自然金)を含む高品位金鉱石があり、他にルソン銅鉱黄鉄鉱少量硫砒銅鉱自然硫黄スコロダイト銅藍褐鉄鉱などが見られる

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鉱床の形成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 02:09 UTC 版)

伊豆珪石鉱山」の記事における「鉱床の形成」の解説

伊豆半島には伊豆珪石鉱山以外にも、狩野川支流である船原川中流域には小規模な明礬石鉱床船原鉱床、そして伊豆珪石鉱山の南約9キロメートル、長九郎山の北約2キロメートルところに大規模な明礬石鉱床である仁科鉱床がある。後述のように仁科鉱床伊豆珪石鉱山明礬石鉱床とともに戦時中アルミニウム原料として注目され鉱山開発進められた。 伊豆珪石鉱山船原鉱床仁科鉱床は、いずれも鮮新世から更新世にかけての火山活動に伴う熱水による変成作用結果形成され酸性変質帯である。中でも伊豆珪石鉱山属す宇久須酸性変質帯は最も規模大きい。 伊豆珪石鉱山鉱床形成した熱水活動については、鉱山西部深田鉱床カリウム-アルゴン法によれば220万年前と約120万年前、深田鉱床以外の宇久須酸性変質帯は約150万年前の活動であるとの数値出ている。深田鉱床120前と他の宇久須酸性変質帯150万年前という年代は比較近く、ほぼ一連の火山活動に伴う熱水による変成であると考えられている。またもうひとつ深田鉱床変成年代として報告されている約220万年前という数値からは、深田鉱床では2回熱水による変成起きたことが考えられるが、年代測定値以外に2度熱水活動があった兆候確認されていない伊豆珪石鉱山場合熱水によって変成した岩石湯ヶ島層群安山岩類と熱海層群小下田安山岩類と柴山湖成堆積物層であると考えられている。湯ヶ島層群中新世中期熱海層群更新世形成されたと見られている。 明礬石内の変質した鉱物や、硫黄の同位体比から判断すると、変成作用もたらした熱水変質帯中央部では約300度、周辺部でも200度以上の高温であった考えられている。このような火山活動に伴う高温熱水は、マグマ起源二酸化硫黄塩化水素豊富に含む酸性塩化物硫酸塩流体であり、この高温かつ強酸性酸性塩化物硫酸塩流体は、最終的に岩石から二酸化ケイ素以外のほとんどの物質溶脱させてしまう。そしてこの高温かつ強酸性流体は、次々と周辺の岩石との反応繰り返し変質帯中心部から外側へと変成作用広げていった。 なお、伊豆珪石鉱山鉱床形成した熱水活動は、飯島東、岩生周一は、小下田安山岩類を噴出した火山活動に伴うものであるとする。旧火道を示すと考えられる岩石存在岩脈群の状況などから、この火山活動伊豆珪石鉱山付近中心とした活動であり、柴山湖成堆積物層はこの小下田安山岩類を噴出した火山の火口湖に堆積した考えている。この考え方によると伊豆珪石鉱山鉱床生み出した大量熱水は、かつて伊豆珪石鉱山付近起きた火山活動によって生じたことになる。一方カリウム-アルゴン法により想定される変成年代の約150万年前から120万年前は火山活動時期重なることから、鉱床生み出した熱水活動火山活動に伴うものであるとの説が唱えられている。

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鉱床の形成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 13:28 UTC 版)

春日鉱山 (鹿児島県)」の記事における「鉱床の形成」の解説

春日鉱山は、珪化岩体を鉱体としており、東西500メートル南北200メートル厚さ100メートル範囲存在する。ほかに周辺に潜頭鉱床として3か所が知られている。鉱床は、南薩層群中に胚胎する塊状金銀珪酸鉱である。 第三紀緑泥石化・炭酸塩化・曹長石化作用をうけた凝灰岩角礫凝灰岩変朽安山岩などを珪化交代した塊状珪化岩中鉱床形成されている。第四紀初期火山活動に伴う熱水変質作用によりこうした珪化交代起き珪化岩体取り巻いて同じ熱水変質作用により累帯的変質帯発達している。この珪化岩中の弱い部分通じて二次的に金を含む鉱液が上昇浸透して空隙空洞沈殿し鉱染型の鉱床形成した春日鉱山明礬石対すカリウム-アルゴン法による年代測定では550万年前±40万年前と測定されており、南薩型鉱床3鉱山ではもっとも古い。これは火山活動鉱化作用西から東へ移る傾向にあったことを示している。これらの3鉱山の中では、春日鉱山金品がもっとも低い。

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