膵炎とは? わかりやすく解説

すい‐えん【×膵炎】

読み方:すいえん

膵臓炎


膵炎

Pancreatitis

【概要】 膵臓の炎症膵臓CTで体を輪切りにして見たら、胃の裏側大動脈前にある長さ15cmくらい、重さ100gくらいの臓器消化液一種膵液作る膵液胃の内容刺激になり、十二指腸流れ出るアルカリ性酸性胃液中和する糖類消化するアミラーゼ脂肪消化するリパーゼ含んでいる。  

【詳しく】 膵炎では食後上腹部やや左側から背中にかけて、ひどい腹痛が起こる。軽いときは下痢嘔吐が起こる。普通の膵炎の原因はアルコール飲用胆石である。ddIには薬剤性の膵炎を起こす副作用が、およそ10%ある。d4TddC、3TCも膵炎を起こす。これらは膵臓でのミトコンドリア障害考えられる。他にプロテアーゼ阻害剤による高中性脂肪血症で膵炎が発生することがある対策は原因の除去対症療法

《参照》 アミラーゼddId4TddC、 3TC


膵炎

膵臓胃の背中側にある臓器で,消化酵素分泌する外分泌機能インスリングルカゴンなどのホルモン分泌する内分泌機能持っています.膵炎には急性膵炎慢性膵炎あります

急性膵炎

急性膵炎は,膵臓が自ら分泌する強力な消化酵素によって消化されてしまう病気です.膵酵素蛋白質分解する強力なをもっていますが,膵臓の外に出て初めてその能力発揮されるようになっています.しかし何らかの理由でこの仕組み壊れると,膵臓の中で蛋白質分解されることによって膵臓そのもの壊れてしまいます

原因は,細菌ウイルスの感染胆石アルコール多飲,薬剤外傷,膵胆管系の先天異常など多くのものがわかっています.しかしいまだに原因明らかでない家族性膵炎や特発性膵炎などの病気あります小児ではそのなかで外傷と膵胆管系の先天異常が重要です.

症状は,おなかが痛い,吐き気がしたり吐いたり,おなかが膨れるなどの消化器症状が主ですが,進行する呼吸腎臓などの機能が十分働かなくなる多臓器不全をまねき死亡することもあります

血液検査では白血球増加しアミラーゼリパーゼなどの膵臓から分泌される酵素血液中に増加します.画像検査では超音波検査CT検査役立ちます小児では少な病気なので診断が遅れがちですが,重症になると死亡率高く早期診断が重要です.

治療は,容体急変する可能性があるので厳重に経過観察しながら,絶食安静点滴からの栄養胃管による消化管減圧などの内科的治療始めます鎮痛剤抗菌薬制酸剤蛋白分解酵素阻害剤などの使用することもあります内科的治療急性症状がよくなっても,その後膵臓に袋状の仮性嚢胞ができ,その袋の中に出血感染合併することがしばしばみられます.このときは,開腹手術または内視鏡手術によって,嚢胞と胃または小腸をつなぐ手術が必要となることがあります非常に少ないですが,膵臓の大部分壊死してしまう重症型では,腐った部分切り取る手術を行うことがあります

急性期治療症状安定したら,膵炎の原因明らかにし,その原因対す適切な治療行います.膵胆管系の先天異常のなかで最も多いものは先天性胆道拡張症で,これが原因場合はこの病気対す根治手術が必要です.

慢性膵炎

急性膵炎繰り返して慢性膵炎になることが一般的です.膵臓炎症結果硬くなり,膵臓の細胞が減るために外分泌内分泌機能低下します最初のころの症状は,繰り返す腹痛食欲低下ですが,病状進行する食べ物消化吸収悪くなったり糖尿病なります

原因多くアルコール胆石で,小児では非常に少ない病気です.しかし,膵癒合不全輪状膵などの複雑な奇形原因のものや,家族性膵炎,特発性膵炎などもあります小児では膵液流れにくい状態になっていることが多いため,鎮痛剤消化酵素などの内科的治療には限界があり,膵部分切除術や膵管空腸側側吻合術などの手術が必要になることもあります

膵炎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 04:18 UTC 版)

膵炎(すいえん、: Pancreatitis)とは、何らかの要因により膵臓が炎症を起こした状態の総称。炎症の原因は、ウイルス感染症、胆石、アルコール摂取、薬の副作用、消化酵素などである。急な発症の急性膵炎と徐々に膵臓の機能不全に陥る慢性膵炎がある。




「膵炎」の続きの解説一覧

膵炎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 21:22 UTC 版)

脂質異常症」の記事における「膵炎」の解説

膵臓の病気大量飲酒者では高トリグリセリド血症(高TG血症)をきたし易く、よく発症するまた、リポタンパク質一種キロミクロン著しく上昇するリポタンパク質リパーゼ (LPL) 欠損症では、膵炎をきたし易い乳児で乳を飲んだあと腹痛をきたすなどの場合中鎖脂肪酸 (MCT) を主体とした治療用ミルクを必要とする。妊娠中に発症した場合血液浄化療法によるキロミクロン除去中心静脈栄養による厳密な脂肪制限を必要とする場合もある。

※この「膵炎」の解説は、「脂質異常症」の解説の一部です。
「膵炎」を含む「脂質異常症」の記事については、「脂質異常症」の概要を参照ください。

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