非アルコール性脂肪肝炎
英語:Non-alcoholic steatohepatitis、NASH
アルコールをほとんど飲まない者が罹患する、アルコールを過剰摂取した者とほぼ同じ症状の肝炎。アルコールに起因する肝炎(アルコール性脂肪肝炎)と同様に、脂肪肝が生じ、それが進行して引き起こされる。
脂肪肝は肝臓に中性脂肪が蓄積された状態である。過剰に摂取された栄養が肝臓に蓄えられたもので、肥満者、および、酒量の多い生活をしている者に多く見られる。生活を改善しないままでいると、肝細胞の線維化、肝硬変、あるいは肝臓がんに発展することもある。
非アルコール性脂肪肝炎の全段階にあたる脂肪肝は「非アルコール性脂肪肝疾患」(NAFLD)と呼ばれる。これを放置すると非アルコール性脂肪肝炎になりやすい。原因は特定されているわけではないが、生活習慣にあると見られており、検査で肝臓に異常が見つかった場合は飲酒習慣がなくても生活を見直す必要があるとされる。
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非アルコール性脂肪肝炎とは - 市立奈良病院
ひアルコールせい‐しぼうせいかんえん〔‐シバウセイカンエン〕【非アルコール性脂肪性肝炎】
非アルコール性脂肪性肝炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/25 06:35 UTC 版)
非アルコール性脂肪性肝炎(ひアルコールせいしぼうせいかんえん、Non-alcoholic steatohepatitis:NASH)とは、肝臓に脂肪が蓄積することで起こる肝炎である。非アルコール性脂肪性肝疾患のうちで最も極端な形態であり、NASH は原因不明の肝硬変の重要な原因だとみなされ[1][2]、画像診断あるいは組織診断で脂肪肝を認め、アルコール性肝障害などの疾患を除外した病態である[2]。最終的に肝細胞癌に進行することもある[3]。
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- 1 非アルコール性脂肪性肝炎とは
- 2 非アルコール性脂肪性肝炎の概要
- 3 検査
- 4 予後
非アルコール性脂肪性肝炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 05:03 UTC 版)
「オベチコール酸」の記事における「非アルコール性脂肪性肝炎」の解説
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は組織学的には脂肪肝、炎症、線維化を伴う、よく見られる肝機能異常であり、その有病率は上昇傾向にある。肝硬変に進行すると、肝移植が必要となる。NASHの治療にOCAが有望である。2013年に示された第II相臨床試験の結果に拠ると、OCA 25mg/日または50mg/日を6週間投与すると、肝炎・線維化のマーカーが減少し、インスリン感受性が改善した。 米国国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所が出資したFLINT臨床試験(The Farnesoid X Receptor Ligand Obeticholic Acid in Nonalcoholic Steatohepatitis Treatment)は283例の中間解析でプライマリ・エンドポイントに達し、2014年1月に中止された。治療群(OCA 25mg/日、72週)ではプラセボに対してITTベースで統計的に有意(p=0.0024)な改善が見られた。組織学的なプライマリ・エンドポイントに設定されていたのは、「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)活動性スコア」(NAS)の2点以上改善および線維化の非進行であった。
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