所得控除(しょとくこうじょ)(deductions from income)
収入のうち、条件に応じて決められた一定の金額を差し引くこと。所得税を計算するとき、すべての収入から各種控除を差し引いた課税所得によって納税額が求まる。
所得税は、すべての収入に対して課税されるのではなく、収入から一定の金額を差し引いた所得に対して課税される。つまり、所得控除が大きくなれば、所得税として納めるべき金額は小さくなる。
所得控除の代表的な例として、基礎控除(38万円)、給与所得控除(65万円)、配偶者控除(38万円)、扶養控除(38万円)などがある。例えば、アルバイトをしている独身世帯の人は、事業所が支払った給与から基礎控除と給与所得控除の分が差し引かれた金額に課税されるので、103万円を超える給与がなければ所得税はかからないことになる。
現在、日本の所得控除の分類に従うと、標準家庭のモデルケース(夫婦と子ども2人)では所得控除額が外国に比べて大きくなり過ぎると指摘されている。すなわち、配偶者特別控除(38万円)や特定扶養控除(63万円)の設定によって、所得税を納税しない世帯が全体の4分の1に上っているという。
政府税制調査会が小泉首相に答申した「あるべき税制の構築に向けた基本方針」では、配偶者特別控除の廃止などによって所得控除を縮小すべきだとしている。複雑になっている所得控除の制度を大幅に見直し、(1)基礎控除(2)配偶者控除(3)扶養控除の3つに簡素化する方針を盛り込んだ。
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(2002.06.17更新)
所得控除
所得控除
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 14:38 UTC 版)
所得控除は家事費(消費のための支出)や家事的性格を持つ、やむをえざる支出・損失を担税力の減殺理由とされる控除。このほか政策的・公益的理由による所得控除もある。 所得控除は「所得税法上の課税標準(所得税法22条1項)」に対して行われる。所得控除された所得金額は「講学上の所得控除(税率適用の直接の基礎となる金額)」となる。
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所得控除
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 02:53 UTC 版)
個人段階の課税標準は、給与等、年金給付など現実の受取額に限定され、受取配当・利子・賃料には課税されない。また、寄付金控除、住宅ローン利子控除、医療費控除、雑損控除は全てなくなり、課税ベースが拡大する。
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所得控除(総所得金額からの控除)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 03:33 UTC 版)
「確定申告」の記事における「所得控除(総所得金額からの控除)」の解説
医療費控除基本的に、本人及び生計を一にする親族の医療費の支払いで「10万円と総所得金額等の5%のいずれか少ない方」を超える金額が控除対象額(上限200万円)となる。 医療費かどうかの判断基準は、診療報酬で支払った医師・歯科医師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師など、国家資格の資格者が行い、または指示する診療・治療・療養のため、直接必要な支出・一般的支出を著しく超えないなど。保健師・看護師・准看護師・助産師による療養上の世話や医療介助、介護保険法関連の介護支援費用なども対象。処方箋による医療用医薬品だけでなく、風邪薬や湿布薬など一般用医薬品の購入費用も対象になる。単なる美容目的、健康増進、疾病予防、疲労回復、健康診断等の費用(検査の結果疾患が発見され、治療を受けた場合の検査費用を除く)は控除対象外。また、医療機関までの必要最低限度の交通費(車馬賃、緊急の場合のタクシー代)も対象となるが、自家用車のガソリン代等は対象外。 2017年分以後医療費控除の特例として、「セルフメディケーション税制」(スイッチOTC薬控除)が創設。インフルエンザの予防接種、定期健康診査や特定健康診断等を受ける納税者が一定のスイッチOTC医薬品購入をした場合に、年間購入費が12,000円を超える金額が控除対象(上限88,000円)となる。なお、従前の医療費控除との選択適用となる。 2017年分以後「医療費控除の明細書」を添付すれば、確定申告時に領収書原本は要らなくなった(医療費の領収書は自宅で5年間保存することが条件)。また、健康保険組合等が発行する一定の「医療費のお知らせ」を添付すると、明細書の記載を簡略化することが可能(領収書の保存も不要)。 寄附金控除(ふるさと納税含む)国や地方公共団体、日本赤十字社や学校法人、公益社団法人や公益財団法人、認定NPO法人、政党・総務省に届出の政治資金団体・政治団体など特定の団体に対する寄附金(2,000円超、総所得金額に退職所得金額を足したものの40%を限度)。 6自治体以上のふるさと納税をしたときや、ワンストップ特例制度を申請した納税者が確定申告をすると特例制度は無効となるため、改めて寄附金控除を受ける必要がある。 雑損控除生活に通常必要な住宅、家具、衣類などの資産が自然災害(震災、風水害、冷害、雪害、落雷等)、人為的災害(火災、爆発、事故)、害虫などの生物による異常な災害や盗難や横領にあったときには雑損控除の対象となる。申告時、消防署、役所や警察署等による被災、罹災や盗難等の証明書、後述の災害撤去費用等の領収書が必要である。 控除額は、「総所得金額に退職所得金額を足したものの10%を、差引損失額から引いた額」と「差引損失額のうち災害撤去費用等から5万円を引いた額」の大きい方である。差引損失額とは資産の時価評価(新品の再取得価額から被災時までの減価償却をした額)による損失額に災害撤去費用等を加え、災害等を原因として受領した保険金や損害賠償金を引いたものである。なお住宅や家財が災害に遭い、かつ総所得金額に退職所得金額を足したものが1,000万円以下の場合は「災害減免法による所得税の軽減免除」(税額控除)と雑損控除から有利な方を選択することができる。 日常生活に通常必要であるとされる資産の時価評価額が控除対象となる。例えば住宅のシロアリなどの害虫による被害や自動車・バイクは日常の通勤や送迎に使用する場合には対象となるが、事業用や書画、骨とう、貴金属等で1組または1個の価額が30万円を超えるものも対象外である。 扶養控除寡婦控除・ひとり親控除障害者控除配偶者控除配偶者特別控除年末調整後年末までの間に変動があった場合。 それぞれ控除対象扶養親族がいる場合、寡婦・ひとり親である場合、本人・同一生計配偶者・扶養親族が障害者である場合、生計を一にし事業専従者でなく合計所得金額が133万円以下である配偶者がいる場合(本人の合計所得金額が1,000万円以下に限る、2020年分より)、などである。 ここで生計を一にするとは日常生活上同居し生計を共にすることを言い、就業・修学・療養のために別居している場合であって仕送り等により生計を共にしている場合を含む。 控除対象扶養親族とは、生計を一にする事業専従者でない親族、里子または養護老人であって合計所得金額が48万円以下で16歳以上の者をいう(2020年分より)。 同一生計配偶者とは、生計を一にする事業専従者でない配偶者であって合計所得金額が48万円以下の者をいう(2020年分より)。 その他控除いずれも年末調整を受けたもの以外に。社会保険料控除: 本人が負担した社会保険料。国民年金、国民健康保険税、国民年金基金、任意継続の健康保険、介護保険や後期高齢者医療制度など。生計を一とする家族の名義のものを申告する本人自身が実際に負担した場合は、負担した本人の社会保険料控除にできる。ただし、家族の収入から天引きされる保険料(公的年金から天引きされる介護保険料や後期高齢者医療保険)は、納税者本人が負担しているとはいえないので控除できないが、天引きをやめる手続きを経た後に本人が支払った保険料は控除できる。 小規模企業共済等掛金控除: 小規模企業共済法の共済契約の掛金、確定拠出年金法の個人型年金の掛金、自治体による心身障害者扶養共済制度の掛金など。 生命保険料控除・地震保険料控除: 一般生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料、自宅や一定の家財を対象とした地震保険料や旧長期損害保険料等。 勤労学生控除: 法令による各種学校や専修学校の学徒、職業訓練法人による認定職業訓練の受講者であり、合計所得金額75万円以下等の場合(2020年分より)は27万円が控除される。なお、アルバイト学生もバイト代に源泉徴収税額がある場合、源泉徴収票等を添えて確定申告すれば当該税額が戻る。 基礎控除: 2020年分以後は合計所得金額に応じて変動。
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「所得控除」の例文・使い方・用例・文例
- 学校に対するあなたの寄付は、所得控除の対象になる。
- 女性納税者本人が配偶者と死別や離婚したり,配偶者の生死が不明な場合に与えられる所得控除
- 女性納税者本人が配偶者と死別や離婚したり,配偶者の生死が不明な場合に与えられる所得控除の額
- 寡夫控除という,男性納税者本人が配偶者と死別や離婚したり,配偶者の生死が不明な場合に与えられる所得控除
- 男性納税者本人が配偶者と死別や離婚したり,配偶者の生死が不明な場合に与えられる所得控除の額
- 勤労学生に対する所得控除
- 勤労学生に対する所得控除の額
- 公的年金等控除という,年金受給者に対する所得控除
- 公的年金等控除という,年金受給者に対する所得控除の額
- 退職所得控除という,退職手当に認められる所得控除
- 退職所得控除という,退職手当に認められる所得控除の額
- 社会保険料控除という所得控除
- 社会保険料控除という所得控除の額
- 障害者控除という所得控除
- 障害者控除という課税所得控除の額
- 人的控除という所得控除
- 損害保険料控除という所得控除
- 損害保険料控除という所得控除の額
- 特定支出控除という所得控除
- 特定支出控除という所得控除の額
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