山本家とその関係者
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山本覚馬(やまもと かくま) 演:西島秀俊 八重の兄。会津藩士。 文武両道に秀で八重の良き理解者であり、八重の熱意を認めて彼女に鉄砲の手解きをする。藩命で江戸に留学して佐久間象山の門下で学び、藩軍備の洋式化を目指すが、藩の保守的な気風に阻まれ、重役を批判して禁足処分を受けるが、西郷頼母の尽力で処分を解かれ、兵制改革の担当者に登用される。藩主・松平容保と共に上洛し京都の治安維持に当たり、禁門の変でも活躍するが、眼に異常を感じ、白そこひと診断され、失明宣告を受ける。 鳥羽・伏見の戦いが勃発すると、戦を止めるべく大坂に赴こうとするが、途中で薩摩兵に捕えられ幽閉される。獄中では会津を救うための嘆願を続ける一方、政治意見書『管見』を作成した。獄中にある間に完全に失明し、また薩摩兵に暴行された後遺症で歩行困難な身となった。 戊辰戦争後、『管見』を読んだ岩倉具視の推薦で京都府に顧問として出仕、京都の復興と文明開化の中心人物となり、襄の学校設立にも協力するが、知事の槇村と対立して解雇される。後に府会議員に当選し、初代議長に就任。議会で槇村の横暴に立ち向かい、最後は槇村と刺し違える形で府議を辞職した。その後は、商工会議所会長に就任し、引き続き京都の発展に尽くした。 襄の死後、同志社の臨時総長を務めた。卒業式では日本が戦争に向かっていることを憂えて聖書の一節を通し「二度と再び戦うことを学ばない」ことを祝辞として卒業生に送った。その後は小崎弘道に職を譲るが、間もなく八重と佐久に看取られながら、その生涯を閉じた。 山本佐久(やまもと さく) 演:風吹ジュン 八重の母。 八重が砲術を習いたがることに対し、女子が家事をやることの大切さを教え、鉄砲は女子がする役目ではないと諭した。家族と共に鶴ヶ城の籠城戦を戦い抜き、覚馬の生存を知ると八重・みねと共に京都へ渡り、同志社設立後は寮監を務めた。日清戦争の後、眠るようにして亡くなった。 山本権八(やまもと ごんぱち) 演:松重豊 八重の父。会津藩砲術師範。 八重の砲術の才能を認めながらも女子が砲術を学んでも活かす場が無いことから、彼女が砲術を学ぶことには頑なに反対した。その本心は、誰も褒められることのない寂しい生涯を送らせたくないとの親心ゆえであった。しかし、一方で八重が隠れて鉄砲の勉強をしているのを半ば黙認していた。 会津城下に新政府軍が迫ると、玄武隊の一人として戦う。八重が戦場で活躍する様子を見て「八重が鉄砲を学んだことは間違いではなかったかもしんねえ」と感じるようになり、佐久にもそれを漏らしていた。 その後、補給路確保のために編成された決死隊を率いて米を城に運ぶことには成功するが、自身はその途上で銃撃を受けて瀕死の状態になり、八重に「にしはわしの誇りだ。皆を守れ」と伝え、家族に看取られながら息を引き取った。 樋口うら(ひぐち うら) (山本うら → 樋口うら) 演:長谷川京子 覚馬の最初の妻。会津藩勘定方・樋口家の娘。 林権助の仲人で覚馬に嫁ぐ。従順で控えめな性格だが気が強く、自由奔放な八重とは違う生き方をしながらも、家族としての絆を紡いでいた。攘夷派の浪人に襲われた覚馬を妊娠中に庇ったことがもとで第一子を流産してしまうが、その後みねを授かる。戊辰戦争後に覚馬の生存を知るが、同時に時栄と子供の存在を知って「女の意地がある」と離縁を決意し、八重にみねを託して会津に戻った。 15年後、帰郷した八重、みねと再会。みねから一緒に住もうと訴えられるが、会津に生きるとして拒否した。 山本時栄(やまもと ときえ) (小田時栄 → 山本時栄) 演:谷村美月 覚馬の後妻。旧姓は小田(おだ) 覚馬の目を心配した大垣屋が彼に無断で遣わした女中。当初は覚馬に断られるが、不逞浪人に銃を向ける度胸を気に入られ、彼の身の回りの世話をすることになる。のちに男女の仲となって娘・久栄を授かり、明治に入ってから正式に夫婦となる。同居することになった八重たちとも打ち解け、妻として山本家を守るが、内心では覚馬の心に残る先妻・うらへの嫉妬を抱え、八重や佐久そして娘たちが外で活躍する中で疎外感を感じていた。 山本家に書生としてやって来た青木栄二郎から思いを寄せられ、不義の噂が立ったことで同志社の経営にも支障を来す事態となる。覚馬は不問に付そうとしたが、八重に問い詰められた時栄は暗に不義の事実を認めたため、離縁を言い渡され、八重に追い出される形で山本家を後にした。 伊勢みね(いせ みね) (山本みね → 伊勢みね) 演:三根梓(少女期 : 池田沙弥花 / 幼少期:豊嶋花 / 幼児期:千葉理紗子 / 乳児期:中山香楽(第6回) / 谷川夢歩(第7回)) 覚馬とうらの娘。 父・覚馬が京都に出仕中で不在の中、母・うらに厳しく育てられる。戊辰戦争後に覚馬の生存を知ると、家族とともに京都へ向かうが、うらとは別れることとなり彼女が持っていた櫛を託されて涙ながらに別れた。 京都では継母である時栄に馴染むことができないまま新生活を送ることとなるが、次第に時栄とも打ち解けていく。成長後、同志社女学校に入学し、英学校に転校してきた伊勢時雄に一目ぼれする。その後、時雄から求婚され、覚馬が喜ぶ中、みねは自分がうらのように見捨てられたと感じ一度は拒絶するが、八重の説得の末に求婚を受け入れ、時雄の妻となり共に今治に向かった。時雄が同志社学校の教師になったことで京都に戻り長男・平馬を出産するが、産後に容体が悪化し、そのまま息を引き取った。 死の直前、時栄の件と平馬が生まれたことでつらい運命を背負った異母妹の久栄を心配しており、久栄のことを八重に託していた。 山本三郎(やまもと さぶろう) 演:工藤阿須加(少年期:村山謙太 / 幼年期:山崎智史) 八重の弟。 兵制改革を訴える兄や、新式銃の開発に苦心する姉たちの力になりたいと権平に内緒で佐川官兵衛の部隊(別撰組)への入隊を志願し、佐川もその忠義の志は認めていたが、若年を理由に断られている。その後、江戸に留学する。 鳥羽・伏見の戦いには志願して参加、果敢に敵陣に攻め入ろうとするが、銃撃を受け死亡する。遺髪と軍服は尚之助によって山本家に届けられ、八重はこの軍服を着て鶴ヶ城に入城した。 山本久栄(やまもと ひさえ) 演:門脇麦(少女期:今瀬葵 / 幼少期:太田しずく) 覚馬と時栄の娘。時栄が出て行ったことで、心を閉ざしてしまう。その後、徳冨健次郎と恋に落ち、共に東京に駆け落ちしようとしたが、健次郎が一人で出奔したため未遂に終る。佐久が亡くなる前後に病死した。 徳造(とくぞう) 演:戸田昌宏 山本家に仕える下男。 籠城戦前に暇をもらって山本家を去った後、お吉と結婚した。その後、伝道旅行で会津を訪れた八重・みねらと再会を果たした。 お吉(おきち) 演:山野海 山本家に仕える下女。籠城戦前に暇をもらい山本家を去った後、徳造と結婚した。その後、伝道旅行で会津を訪れた八重・みねと再会を果たした。
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