二千恵の一味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/19 14:04 UTC 版)
二千恵 理人(にちえ りひと) 学園の理事長。生徒会長を務める衿沙(血縁上は貞鳥と亜鳥)の父親だが、衿沙および貞鳥と亜鳥を所詮「(愛を探すための)道具」としか思っていないため、親子仲は険悪そのもの。 かなり陽気で軽薄な印象を与える人物だが、その言動は演技であり、本性は狂気的で残虐非道なサイコパス。先天的に人間らしい感情が欠如しており、唯一理解できていないでいる感情「愛」の存在を確証するため、「絶対個性主義」を標榜し、強烈な個性を持った生徒を求めている。衿沙にはそれなりの関心を持っていたが、衿沙が大公開式理事長御前死合にてカギューに敗北したことで完全に見限り、「高い高い」と称しタワーから突き落とした。 少年時代から「神童」ともてはやされるほど成績優秀な優等生だったが、すべての物事を合法的かつ効率主義的な視点で見ていたため、「本当の愛」の存在を一切実感していなかった。自身に溺愛する実母の言葉を真に受け、「経済的に問題は無く、自分の身の回りの世話もできる歳になった」という理由と、愛の存在を確かめる「実験」のため、実母に命を投げ出させ、「事故死」に見せかけ殺害。実母の死をなんとも思わず、むしろ「自分の命より大事なものを守る行為」を愛情行為であることを認識するようになっていた。 青年時代は教師を勤めていた。その当時に風蘭と付き合うようになり結婚するが、衿沙の出産で意識不明となった風蘭を私有地である赤ヶ島の別荘に監禁した。 風蘭救出のため赤ヶ島に向かったカモとその仲間達を抹殺するため、恐怖支配や懸賞金で従わせた島の住民と、人体実験で強化させた刺客を差し向ける。その一方で、刺客にはカモとカギューを殺さないよう指示していた。 最後の戦いにおいて、カモから「自身にも愛がある」事を示された後、良心の呵責により自殺(首を絞めた痕は他人によるものであると云う奇妙な最期)を遂げた。巻末の書き下ろし漫画において、黄泉を彷徨い歩いていたところを実母と再会し、これまでの悪行による罪悪感から初めて哀しみを実感し謝罪した。 同作者の『トラウマイスタ』に登場する敵役「二千恵」はこの物語における二千恵理人のクローンであった描写がある。 愛莉州(ありす) 二千恵理事長の秘書。眼鏡の金髪美女。宇木辺リアの実姉。 表向きは淡々と仕事をこなし、二千恵理事長からのセクシャルハラスメントも意に介さないが、本性はマゾヒストであり、裏では快感を求めて二千恵理事長から暴行を受けている。戦闘能力は非常に高く、戦闘時にはサディストに変貌しムチを振るう。 風紀員戦では二千恵理事長の指示でカモを拘束し、カギューに敗北した紫乃に制裁を加えようとするも、カギューとその仲間達の妨害によって失敗した。その後も二千恵理事長に付き添っていたが、カモと二千恵理事長の対決後、二千恵理事長が死んだことで半狂乱となり、廃人同然になった。 宇木辺 リア(うきべ リア) 「宇木辺リア」の項を参照。 鬼塚 ムームー(おにづか ムームー) 「鬼塚ムームー」の項を参照。 ガガリ 二千恵セキュリティグループの殺し屋の一人。通り名は「楽しみのガガリ」。眼帯をつけ、土佐弁を話す中国人の少女。年齢は18歳。 南家螺旋巻拳と対をなすZZ拳の使い手であり正当後継者。自由奔放で闘いと殺しに悦びを感じる戦闘狂であり、戦いを「遊び」と称し、戦闘以外の状況ですら遊びと戦いに置き換えている。マブルゥとは少女期に面識があり、その頃は臆病な性格だった。 実は二千恵とマルマンの実験の唯一の成功例。現在の人格はZZ拳の最終試練である実の親の殺害後、マルマンに心の中へ入られ楽しみ以外の感情を殲滅させて出来上がったもの。また、右目は最終試練の際に潰れたものである。 カギューとの初戦では彼女の拳の隙間に入り込んで勝利したが、第二戦ではカモの計らいで嫉妬の感情を克服したカギューに敗北。二千恵死亡後は彼のクローンと共にトラウマを探しどこかへ去っている。 マルマン 二千恵セキュリティグループの殺し屋の一人。通り名は「哀しみのマルマン」。筋骨隆々とした風貌のインド人の女性。瞳の黒目と白目の部分が逆転している。24歳。 生まれつき心が視える「視心(チッタドリグ)」体質であり、親に捨てられた後、心を覗くことで路上で金稼ぎさせられていたが、二千恵に買われて以後彼のパートナーとなり世界を旅し、感情遮断実験の被験体を集めるとともに、自らの能力を生かし人の心に入ることで実験の実務的な部分を任されている。性格は極めて冷静で任務に忠実であり、個性の強い他の4人を纏める統制役であり、なおかつ自身も感情遮断実験により哀しみの感情以外を消し去っている。戦いの際は「るるる」と涙を流しながら戦い、本気を出すと涙の色が黒くなる。 二千恵の「カギューとカモを殺すな」という指令に従い、ガガリ戦で負傷したカギュー、モアヴ戦で満身創痍となったカモを屋敷へ案内した後、風蘭との再会の手筈を整えるが、「風蘭を島から出すな」という命令を仰せつかっていたためようやく敵としてカモたちの前に立ちはだかる。だが、突如乱入してきたマブルゥに螺旋巻無影脚を食らい、敗北。二千恵死亡後は彼のクローンと共にトラウマを探し旅立っている。 モアヴ 二千恵セキュリティグループの殺し屋の一人。通り名は「喜びのモアヴ」。ガスマスクを着けた少女。国籍は不明。 語尾に「~」「♪」「☆」を多用する無邪気な振る舞いの一方で、笑顔で人間を殺害する残虐性と狂気を持ち合わせている。時折ロシア語を喋る。爆殺を「はなび」と称して爆発を間近で見ることを好んでおり、服ですら火薬で出来ている。 当初は島民の体に爆弾を仕掛け、集団でカモと衿沙を追い込んでいたが、カモにリモコンを破壊されたことで追い込んでいた島民全員を時限措置で爆発させた。崖から爆弾でカモと衿沙を突き落とすが、カモが高所恐怖症となった幼児退行の衿沙を守った際、衿沙の心が復活。彼女の暗示声で幻覚を見せられ、自ら爆発(はなび)となって敗北する。 スィーモ 二千恵セキュリティグループの殺し屋の一人。通り名は「怒りのスィーモ」。肥満体型の女性でさながら大入道のような外見をしている。恐らくアメリカ人と思われる。 怒りを全面に押し出したような性格で、非情に短気で常に苛立っており鬱憤を周囲に当たり散らしている。水圧で痩せる体質らしく水場を得意としており水中では自由自在に動けるほか、地上では水を吸って口から水鉄砲を発射し戦う。 走と小鹿に目をつけ自身が得意な湖で戦い、2人のコンビネーションに苦戦するも勝利。その後森に目をつけるも彼女の圧倒的な力に敗北した。 ウルカイシ 二千恵セキュリティグループの殺し屋の一人。通り名は「怨みのウルカイシ」。等身の半分が顔、地上を引きずるほどの長い髪という奇妙な風貌をしている。国籍は不明。 極めて陰気な性格で常に嫉妬と怨みを放出している。子供時代に自分を疎んでいた美少女を殺した経験から、美しい女を殺害することで達成感を得ており、その怨みは敵味方関係なく向けられる。戦闘の際は髪の毛を自在に扱って戦う。 初見で美しいと思った森に目をつけ襲い掛かり、途中スィーモも乱入し混戦となり勝利するかと思われた矢先、彼女の圧倒的な力に敗北、自身の髪で木に吊るされた。
※この「二千恵の一味」の解説は、「ねじまきカギュー」の解説の一部です。
「二千恵の一味」を含む「ねじまきカギュー」の記事については、「ねじまきカギュー」の概要を参照ください。
- 二千恵の一味のページへのリンク