JR貨物チキ100形貨車 JR貨物チキ100形貨車の概要

JR貨物チキ100形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/18 08:13 UTC 版)

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JR貨物チキ100形貨車
基本情報
車種 長物車
運用者 日本貨物鉄道
所有者 日本貨物鉄道
種車 コキ50000形
改造所 輪西車両所郡山車両所新小岩車両所
改造年 1989年(平成元年)
改造数 5両
消滅 2000年(平成12年)
主要諸元
車体色 青22号
軌間 1,067 mm
全長 20,400 mm
全幅 2,615 mm
全高 2,098 mm
荷重 33 t
自重 22.3 t
換算両数 積車 5.5
換算両数 空車 2.2
台車 TR223
台車中心間距離 14,200 mm
最高速度 95 km/h
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ここでは本形式の元となった試作車であるチキ900形についても記述する。

概要

従来のコンテナ輸送は、貨車とトラックとの間での積み替えの際、フォークリフトなどの荷役機械を使わなければならない欠点があった。また、JR貨物が発足してから30ftコンテナ輸送が増加したが、その荷役にはトップリフター等の割高な機械が必要となった。これら欠点を解消するため、いすゞ自動車はJR貨物と共同でトラックの積載容量・重量を確保しつつ、トラックとの鉄道荷役を簡便化した「スライドバンボディシステム(Slide Vanbody System = SVS)」を開発した。

スライドバンボディシステム

スライドバンボディシステムとは、トラックの荷台(バンボディ)の下面にそりを設け、トラックに装備した油圧ウィンチでワイヤーを介してバンボディのみをスライドさせ、貨車に積み替える荷役方式である。この方式の利点として、フォークリフトなどの荷役機械を使用しないため、架線下でも積替えが容易であり、かつ迅速に行えること、大形荷台の鉄道利用が容易であること、ピギーバック方式とは異なり、荷台だけが載るため積載効率が優れていること[1]、トラックの使用効率が高くなることや長距離運行を減らせることなどが挙げられる。その一方でトラックが来ないと荷降ろしできないなどの欠点もある。

本形式は実質的にはコンテナ車であるが、積荷がトラックのバンボディ[2]であり、コンテナ車でも車運車でもない独特の貨車であるため、その形状から長物車に分類された。

構造

車体上に積降しする際、スライドバンボディを滑らせるための滑り板とボディの緊締装置、スライドバンボディを牽引するためのワイヤー滑車装置が設置された。なお、スライドバンボディ牽引の動力はトラックに装備した油圧ウィンチである。塗色はスカイブルー(青22号)に変更され、車体中央には白色の「SVS」ロゴが標記された。下廻りは種車のままで、最高運転速度は95km/h、ブレーキ装置はCL形空気ブレーキ台車はTR223である。




  1. ^ ピギーバック方式の場合、トラックがそのまま貨車に載るため、運転室(キャブ)までも運ぶので無駄なスペースが発生し、積載効率が劣る。
  2. ^ ただし、バンボディはコンテナとして扱われた。
  3. ^ 1968年(昭和43年)に製作した50t積3軸ボギーの長物車である。
  4. ^ 1969年(昭和44年)から1970年(昭和45年)にかけてトキ15000形を改造製作したラワン材専用の長物車である。


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