西園寺家 西園寺家の所領

西園寺家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/29 02:01 UTC 版)

西園寺家の所領

鎌倉時代に西園寺家は諸国の知行国主となり、その所領は日本全国に存在したが、西園寺家が特に執着していたのは海上交通に面する所領だった[14]。最も重要な所領は鎌倉時代を通じて事実上家領として支配してきた伊予国であり、1236年には西園寺公経が幕府に強要して橘公業の同国宇和郡の知行を止めさせて自らの所領にしている[15]。南北朝動乱期には一円支配下に置いた宇和郡にその一流の立間氏や松葉氏を土着させて、室町時代以降にさらにその足場を固めて伊予の戦国大名化した(伊予西園寺氏[16]

江戸時代家禄は597だったが、実高は400石程度しか取れなかったという[9]。維新後、戊辰戦争の軍功により賞典禄300石を永世下賜された[17]

幕末の領地

国立歴史民俗博物館の『旧高旧領取調帳データベース』より算出した幕末期の西園寺家領は以下の通り。(5村・597石1斗4升

  • 山城国葛野郡西院領のうち - 22石1斗4升
  • 山城国乙訓郡今里村のうち - 104石
  • 山城国乙訓郡大原野村のうち - 200石
  • 山城国紀伊郡吉祥院村のうち - 1石
  • 山城国紀伊郡東九条村のうち - 270石

西園寺文庫

西園寺家の文書や蔵書などは、以下の場所などに所蔵されている西園寺家は、京都大学立命館大学学習院大学と関係が深い。[要出典]

  • 西園寺文庫学習院大学
    1994年平成6年)西園寺家に代々伝わる文書類が、直系の子孫である西園寺公友から寄贈され、公友の希望によって「西園寺文庫」と名付けられた。なお、これらの文書は寄贈する以前、西園寺家と姻戚関係がある住友家有芳園(京都市)で保存されていた。
  • 西園寺文庫立命館大学京都府京都市
    1938年昭和13年)に立命館大学に設置された「西園寺公文庫」を前身とする。西園寺公望が懐集した蔵書(それとは別に大学が後年独自に買い集めた物を含む)が収められている。総冊数13,072[18]
  • 陶庵文庫京都大学京都府京都市
    公望が懐集した蔵書など。清風荘(公望の京都別邸)とともに、娘婿の八郎および住友家より寄贈された。また、同大学には公望の実弟である中院通規が中院家に代々伝わる文書類を寄贈しており、通規の希望により「中院文庫」と名付けられている。

脚注


  1. ^ 当初の景観は法成寺をもしのいだというが、南北朝時代には早くも荒廃したため[要出典]、寺地は足利義満に譲られ、やがて鹿苑寺(金閣寺)が建てられた[4]
  1. ^ a b c d e 太田 1934, p. 2429.
  2. ^ a b c d e f 太田 1934, p. 2432.
  3. ^ 小田部雄次 2006, p. 57.
  4. ^ a b 太田 1934, p. 2430.
  5. ^ a b 華族大鑑刊行会 1990, p. 3.
  6. ^ 網野善彦 2008, p. 309.
  7. ^ 豊永聡美『中世の天皇と音楽』(吉川弘文館、2006年(平成18年)) ISBN 4-642-02860-9 P59 - 66・82 - 85・186 - 189
  8. ^ 近年、公宗が擁立しようとしたのは光厳上皇であったとする見解もある(家永遵嗣 「光厳上皇の皇位継承戦略と室町幕府」桃崎有一郎山田邦和 編著『室町政権の首府構想と京都』 文理閣〈平安京・京都叢書4〉、2016年平成28年)10月 ISBN 978-4-89259-798-5)。
  9. ^ a b c 岩井忠熊 2003, p. 3.
  10. ^ 刑部芳則 2018, p. 5.
  11. ^ a b 小田部雄次 2006, p. 323.
  12. ^ 小田部雄次 2006, p. 228.
  13. ^ 華族大鑑刊行会 1990, p. 4.
  14. ^ 網野善彦 2008, p. 297-298.
  15. ^ 網野善彦 2008, p. 298.
  16. ^ 網野善彦 2008, p. 299.
  17. ^ 岩井忠熊 2003, p. 16.
  18. ^ 立命館大学 蔵書冊数 [リンク切れ]


「西園寺家」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「西園寺家」の関連用語

西園寺家のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



西園寺家のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの西園寺家 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS