新社会党
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財政
2011年(平成23年)の政治資金収支報告書によれば、党費収入は約2400万円、機関紙発行等の事業収入は約7300万円である。
地方組織
結党当初はほぼ全都道府県に地方組織(都道府県本部)があったが、その後青森県本部、宮城県本部、福島県本部、栃木県本部は中央本部傘下の支部に格下げ(後に青森県支部は消滅)、岩手県本部、富山県本部、福井県本部、滋賀県本部、和歌山県本部、福岡県本部、大分県本部については「準備会」と称するものがあるのみになっており[31]、いずれも政治団体届出には至っていない。沖縄県では沖縄社会大衆党と友党関係にあり、結党以来新社会党の地方組織が作られたことはない。長野県・石川県・三重県・宮崎県にも地方組織はない。
地域での勢力
党員の高齢化に伴い、離党・死亡などによって党員数・党費の減少に歯止めが掛からず、党員数は、結党時より半減している。
現在も一定の地方議員を擁するものの、党公認の議員引退後に後継の公認候補を擁立できないなど(野田市ほか)、退潮傾向が目立っている。国政については長らく議席がないが、野党共闘(特に社共共闘)を進め、その中で党勢拡大と議席回復を狙っている。地方では、埼玉県秩父地方[32]・千葉県・東京都北区・大阪府茨木市・兵庫県・熊本県などに系列の労働組合などの団体を中心とする支持があり、ある程度の勢力を保っている。地方議員数は2019年(令和元年)現在17名。熊本県では2019年(令和元年)まで唯一党公認の県議を擁し(荒尾市選挙区)、6期連続当選していたが(うち4回無投票当選)、第19回統一地方選挙前半戦の熊本県議選で落選、最後の議席を失った。また神戸市会議員選挙東灘区選挙区に元衆院候補菊地憲之を公認候補として擁立したが落選した。同統一地方選挙では後半戦も振るわず、習志野市で離党した公認現職[33]、明石市で引退した公認現職の後継候補をそれぞれ立てられなかったほか、2議席回復を狙った芦屋市では前回落選した元職が返り咲いたものの、7期務めた現職が次点落選し、議席増はならなかった。第19回統一地方選挙は全体として結党以来最低の結果に終わった。東松山市議会議員選挙には元職で党元参院公認候補だった村田文一が12年ぶりに無所属で立候補し、党はこれを推薦。村田は当選した。
第20回統一地方選挙前半戦の熊本県議選では、党公認の元職が返り咲いたほか、新潟県議会議員選挙では、新社会党の党籍を持つ新人が当選[34]した。
沖縄県では沖縄社会大衆党と友党関係にあるため、新社会党独自の勢力はない。また新社会党結成の契機となった村山内閣の首班村山富市の地元で、社会民主党が日本社会党以来の勢力をある程度維持している大分県や、小さいながらも日本共産党(左派)や日本労働党の勢力がある山口県や福岡県などでも非常に弱い。広島県教職員組合は新社会党支持を打ち出している。また、衆議院選挙において中選挙区制時代の広島3区で当選していた小森龍邦は、部落解放同盟書記長であったが、1993-1994年に盛んだった政治改革論議で、細川連立内閣との協力を重視していた他の幹部と意見を異にし、社会党を含む連立与党が提出した政治改革法案に反対票を投じ、その責任を取る形で解放同盟に書記長辞任願いを出し受理された。実質的には解任だったともいわれる。その後小森は解放同盟広島県連顧問に就任し、2021年(令和3年)2月に死去するまで広島県の部落解放運動を事実上指揮していると言われていた。
党勢(地方政治)
地方議員:15名
2023年(令和5年)10月現在(出典:[35][36][37])
都道府県議会議員:1名 | ||||
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岩中伸司 (8回、熊本県、荒尾) | ||||
市区町村議会議員:14名 | ||||
杉森弘之 (6回、茨城県牛久市) |
金子和雄 (9回、茨城県つくば市) |
金崎昌之 (6回、埼玉県秩父市) |
若林清平 (13回、埼玉県横瀬町 ) |
内海勝男 (8回、埼玉県皆野町) |
稲田敏昭 (3回、千葉県佐倉市) |
福田光一 (5回、東京都北区) |
粟原富夫 (11回、兵庫県神戸市) |
山口美佐恵 (7回、兵庫県芦屋市) |
高橋章哲 (4回、愛媛県西条市) |
谷口繁治 (9回、熊本県荒尾市) |
渡辺勇一 (2回、熊本県荒尾市) |
田中浩治 (9回、熊本県荒尾市) |
木村誠一 (4回、熊本県荒尾市) |
注釈
出典
- ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)『新社会党』 - コトバンク
- ^ 『令和3年政治資金収支報告書』(プレスリリース) 。
- ^ デジタル大辞泉プラス『週刊新社会』 - コトバンク
- ^ “社民、参院比例に新社会党幹部の擁立検討”. 読売新聞. (2010年2月21日) 2010年4月13日閲覧。
- ^ 第22回参議院議員選挙 比例区社民党 。ザ・選挙 JANJAN全国政治家データベース(2010年7月17日閲覧)。
- ^ “新自由主義への対抗軸を掲げる 社民党と新社会党が選挙協力協定”. 社会新報(社民党機関誌). (2012年7月4日) 2012年7月17日閲覧。
- ^ 2012年(平成24年)11月29日付 朝日新聞夕刊東京版1ページ
- ^ 解散総選挙にあたって 新社会党公式サイト
- ^ 〝オール護憲〟共同の鳥越俊太郎東京都知事候補の当選に全力を挙げる - 新社会党
- ^ 大義ない火事場泥棒選挙 野党共闘で勝利を - 新社会党『週刊新社会』9月26日号
- ^ 2017年10月3日(火) 共産・新社が選挙協定 兵庫 堀内、菊地予定候補を相互推薦 - 日本共産党『しんぶん赤旗』9月26日号
- ^ 長野2区に新人=社民【17衆院選】 - 時事通信社
- ^ “【衆院選】共産、兵庫9区で取り下げ 新社会と協力で合意”. 産経新聞. (2017年10月2日)
- ^ 統一地方選挙2019 大阪府議選 茨木市2019年4月8日 読売新聞
- ^ 大阪府 茨木市 茨木市議会議員選挙(2021年1月24日投票)|政治山政治山
- ^ 松伏町長選挙(令和3年5月16日 執行) 2021年5月16日 松伏町選挙管理委員会
- ^ 正念場の社民 野党連携へ支援団体が発足 佐高信さんら発起人 毎日新聞 2021/8/18
- ^ いのちの安全保障確立を 「共同テーブル」発足で佐高さんら訴え 社会新報 2021.08.20
- ^ 共同テーブル公式サイト(2021年10月閲覧)
- ^ 今週の新社会 総選挙勝利へ奮闘 創意・工夫こらして 新社会党 共闘の一翼担い全力 2021/10/06新社会党公式サイト(2021年10月閲覧)
- ^ ブロック比例 社民党を推薦 2021/10/19新社会党公式サイト(2021年10月閲覧)
- ^ 新社会党第27回定期全国大会岡崎宏美委員長の冒頭挨拶TOPICS 2022年2月26日 新社会党
- ^ 岡崎彩子(おかざきさいこ)は1980年、兵庫県明石市生まれ。神戸市外国語大学外国語学部卒業。2009年から新社会党兵庫県本部に勤務。また、就職難からの「引きこもり歴8年」を公表し、その経験から日本社会で女性の選択肢が少ないと考え、「独身の女性が一人で安心して生きていける社会」を目指すと述べた。なお、母の宏美同様、岡崎の「崎」は本来は「﨑」(たつざき)。
- ^ 新社会党第27回定期全国大会岡崎宏美委員長の集約TOPICS 2022年2月27日 新社会党
- ^ “参院比例におかざき彩子さんの擁立を決定~社民党と新社会党が手をつなぎ全力~”. 社会民主党. 2022年3月24日閲覧。
- ^ “社民党が政党要件を維持、得票率2%到達 NHK党、参政党も:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2022年7月16日閲覧。
- ^ “社民はどっち向き? 参院選で新社会党元副委員長擁立、原子力安全委員人事には一転賛成”. MSN産経ニュース. (2010年3月25日)
- ^ 労働者運動資料室管理人 2013年2月5日火曜日 新社会党委員長選挙公報(2013)抜粋 細川正候補の主張より
- ^ 「政党間共闘の条件は存在しない」 共産党が新社会党の申し入れに回答
- ^ 「9条ネット」とはどんな団体ですか? 『しんぶん赤旗』2007年(平成19年)5月1日号 但し長生村においては、共産党は新社会党系の村長を支持していた
- ^ 都道府県本部 新社会党
- ^ 結党25年…新社会党が埼玉・秩父地方で生き残る理由 2021年5月25日 産経新聞(内田優作) 秩父総支部は独自の事務所を構え、秩父地方の現職地方議員が3人所属している。
- ^ 習志野市議会では党結成以来議席を有し、かつて4議席を擁していた。2007年(平成19年)の選挙では公認候補2名が当選していたが、2011年(平成23年)の選挙で公認現職1名が当選するも1名落選、2015年(平成27年)の選挙では公認を現職1名(京成電鉄労働組合)に絞り、革新系無所属新人候補を推薦。両名とも当選し、会派「新社会党・無所属の会」(会派別名簿 2019年3月29日 習志野市議会)を結成、辛うじて勢力を維持した。2019年(平成31年)3月の選挙直前に公認現職が離党したため公認候補がいなくなり、革新系無所属現職の推薦のみとなった。再び両名とも当選し、革新系無所属現職は党名を称する一人会派「新社会の会」、離党した現職(党推薦もなし)は別の一人会派「市民の会」を届け出、共闘を解消(会派別名簿 2019年5月8日 習志野市議会)。公認候補が立てられなかったため、党の議席は2019年(令和元年)の選挙をもって0となった。
- ^ 上越市議の牧田正樹氏が来春の県議選出馬表明 小山芳元県議引退し後継指名
- ^ 議員紹介 新社会党
- ^ 2023自治体選挙前半戦結果 新社会党
- ^ 2023自治体選挙後半戦結果 新社会党
- ^ 中央執行委員会 2023年7月16日 第29回定期全国大会選出 新社会党公式サイト
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