損益分岐点とは? わかりやすく解説

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BEP

別名:損益分岐点、採算点
英語:Break-even pointBreak-even

売上高費用等しくなり、利益損益とも0になる売上高、または、販売数量のこと。損益分岐点、採算点ともいう。

BEPのうち、売上高については損益分岐点売上高呼び販売数量については損益分岐点販売数量と呼ぶ。

関連サイト
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そんえき‐ぶんきてん【損益分岐点】

読み方:そんえきぶんきてん

収益費用等しくなって、損益ゼロになる売上高売上高がこの点以下では損失生じそれ以上になると利益生じる。損益分岐点売上高


損益分岐点

売上高総費用がちょう等しくなり、差し引いて利益損失生じない売上高をさし、費用売上高相互関係をいう。すなわち損益ゼロの点。その点以上の売上があれば利益生まれ、以下となれば損失生まれるという点の売上高を損益分岐点という。いわゆる採算点企業経営における利益計画利益管理にとって基本となる数字である。損益分岐点を求める公式は次のとおりである。
損益分岐点=固定費/1-変動費/売上高

損益分岐点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 12:56 UTC 版)

損益分岐点(そんえきぶんきてん、: break-even point, BEP)は、管理会計上の概念の一つ。

売上高費用の額がちょうど等しくなる売上高または販売数量を指す。前者を損益分岐点売上高といい、後者を損益分岐点販売数量という。単に損益分岐点と言った場合、管理会計では前者を指し、経営工学では後者を指すことが多い。

売上高が損益分岐点以下に留まれば損失が生じ、それ以上になれば利益が生じる。このことから採算点とも呼ばれる。

概要

損益分岐点売上高を求めるには、次の公式を使う。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷{1-(変動費÷売上高)}

実際の売上高に対する損益分岐点売上高の割合を「損益分岐点比率」といい、これによって企業の収益性を評価することがある。

損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 売上高

損益分岐点を用いて経営分析することを「損益分岐点分析」という。損益分岐点分析は、古くからの経営分析手法であり、直観的に理解しやすいので、今日でもよく使用される。

損益分岐点比率が小さいほど収益性が高く、かつ売上減少に耐える力が強いことを意味し、経営が安定していると判断される。8割程度がよいとされるが、実際には9割を少し上回る程度の業種が多い(業種によって異なる)。

損益分岐点の公式

損益分岐点売上高

損益分岐点売上高の公式

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷{1-(変動費÷売上高)}

は、次のようにして導かれる。

まず、利益とは売上高から変動費と固定費を引いたものである。

利益=売上高-変動費-固定費 ……(式1)

ここで、「変動費率」を次式で定義する:

変動費率=変動費÷売上高 ……(式2)

すると変動費は変動費率と売上高によって表すことができる。

変動費=売上高×変動費率

これを(式1)に代入すると、次式になる。

利益=売上高-売上高×変動費率-固定費
=売上高(1-変動費率)-固定費

損益分岐点売上高とは利益が0になる売上高のことであるから、上式の利益を0とし、売上高を損益分岐点売上高に書き換えると、

0=損益分岐点売上高(1-変動費率)-固定費

となる。したがって損益分岐点売上高は

損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率) ……(式3)

で表される。

変動費率とは、変動費÷売上高(式2)のことであったから、

損益分岐点売上高=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

を得る。

損益分岐点販売数量

損益分岐点売上高(式3)の両辺を単価(単位あたり売上高)で割ると、損益分岐点販売数量が得られる。

損益分岐点販売数量=固定費÷{単価(1-変動費率)}
=固定費÷(単価-単価×変動費率)
=固定費÷(単価-単位あたり変動費)

別の導出

損益分岐点販売数量の公式は、単純な一次不等式からも導出できる。販売数量を、S とする。

収入:  単価×S
支出:  固定費+単位あたり変動費×S

収入が支出以上になる(利益が非負になる)ためには、

単価×S ≧ 固定費+単位あたり変動費×S

であればよい。この不等式を S について解くと、

(単価-単位あたり変動費)×S ≧ 固定費
S ≧ 固定費÷(単価-単位あたり変動費)

これを満たす最小の S が損益分岐点販売数量である。

損益分岐点販売数量=固定費÷(単価-単位あたり変動費)

また、この式の両辺に単価を掛ければ、損益分岐点売上高の公式(式3)が得られる。

変動費と固定費

費用は「固定費」と「変動費」とに分けることができると考える。

「変動費」は売上に(ほぼ)比例して増加するが、「固定費」は売上に関係なくかかる(仮に売上がゼロでも固定費はかかる)。売上で固定費分を回収することによって、初めて利益が計上できる。

変動費には、例えば、原材料費、仕入原価、外注費などが該当する。これらは売上高の増減に伴って変わる性質をもつ。また、変動費率を次式で定義する。

変動費率=変動費÷売上高 ……(式2)

一方、固定費の代表は人件費である(ただし、歩合給などは変動費とみなされる)。そのほかに事業を営むための設備関係の費用、例えば減価償却費、リース料、不動産賃借料や、支払利息など多くの費目が含まれる。

売上からそれに要する変動費を差し引いたものは限界利益と呼ばれる。これが固定費よりも大きければ利益が出ているので黒字、小さければ赤字とみなす。事業運営上、営業利益の確保が困難な場合の判断基準として、固定費分が回収できているかどうかを評価する指標となる。

損益分岐点を下げるには

損益分岐点を下げて、不況耐久力を増すには、いくつかの方策がある。

一つは、限界利益率を上げること、言い換えれば変動費(変動費率)を下げることである。具体的には、材料費、物流費の削減などがこれに該当する。

もう一つは、固定費を削減することである。具体的には、正社員を減らし、パートタイム・アルバイト、派遣社員などのより弾力的な雇用への切替え、外注、アウトソーシングなどがこれに相当する。また、遊休化して稼働率の極端に低い設備の除却もこれに当たる。一時的に除却損が発生するが、中長期的には損益分岐点を下げる効果がある。このように固定費の削減には、事業構造の見直し(リストラクチャー)が欠かせない。

関連項目


損益分岐点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/13 03:05 UTC 版)

プログレッシブジャックポット」の記事における「損益分岐点」の解説

ビデオポーカーのような一部マシンでは、役の出現確率オッズから最適なプレイ戦略算出する事が可能で、ポーカーハンド出現率と各ポーカーハンド割り当てられオッズによりマシン控除率計算できるので、それにより損益分岐点を求める事が出来る。 プログレッシブは常に増加して行くので、ある額に達した時点でそのマシン払い出し率が100%以上になり、この場合、このマシンで遊ぶ事は確率的にということになる。ただし、確率沿う結果を得るためには、通常長期的なプレイ試行)を必要とするが、この「長期的」というのは、一般の人々考えプレイ数よりも長い休みなくプレイしたとしても収束までには何十年もかかるケース多く収束を狙うのは現実的ではない)。 一方、リールマシンは、ビデオポーカーとは異なりプレイヤーマシン控除率や役の出現率を知る術がないため、損益分岐点を算出する事は不可能である。 カジノは、アドバンテージプレイヤーと呼ばれるプログレッシブが損益分岐点を超えている時にのみプレイを行うプレイヤー存在によっても、収入を失うわけではない。これは、プログレッシブ大部分そうでない「普通の」プレイヤーにより積み立てられ払い出されるためである。

※この「損益分岐点」の解説は、「プログレッシブジャックポット」の解説の一部です。
「損益分岐点」を含む「プログレッシブジャックポット」の記事については、「プログレッシブジャックポット」の概要を参照ください。

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損益分岐点

出典:『Wiktionary』 (2021/08/12 01:08 UTC 版)

名詞

(損益 分岐 点 :そんえきぶんきてん)

  1. 売上高売上高比例する変動費との差額が、売上高多寡無関係な固定費超え利益生ず売上高のポイント

関連語

翻訳


「損益分岐点」の例文・使い方・用例・文例

  • 損益分岐点
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