天上の青 天上の青の概要

天上の青

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/06 18:28 UTC 版)

解説

本作は曽野綾子が初めて手がけた犯罪小説である。1971年群馬県で発生した婦女連続暴行殺人事件(大久保清事件)が題材になっているほか、1988年から1989年に発生した東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の影響もうかがえる[1]

本作は推理小説ではなく、犯罪の全貌が時系列に描写されており、逮捕に至る過程も比較的あっさりと扱われている。しかし、警察による事件の解明や裁判の過程で、犯人の宇野富士男と、富士男と知り合った波多雪子、そして被害者たちの人間関係や葛藤が克明に描かれている。

なお、題名の天上の青は、作品に登場する朝顔の品種の名前である。

英語版・ロシア語版に翻訳された[2]

あらすじ

湘南の海近くの自宅にて庭の朝顔を手入れしていた雪子の前に車に乗った男性が現れ、朝顔の種を分けてほしいという。冬になり、宇野富士男と名乗るその男性は再び現れて種を受け取り、それ以降は雪子の家を訪れるようになる。しかし、富士男は女性と関係を持っては殺害し、遺体を埋める殺人魔であった。

富士男は殺人やレイプを繰り返す一方、そのたびに雪子のもとを訪れては優しく接する。やがて富士男は逮捕され、雪子も様々な形で事件を知らされることになる。裁判が始まり、雪子のとった行動は・・・。

映像化作品

テレビドラマ(1992年版)

石松愛弘の脚本でドラマ化され、1992年フジテレビ妻たちの劇場で放送された。2020年1月29日にTCエンタテインメントからDVD発売された[3]

キャスト
スタッフ
  • 原作 - 曽野綾子(曾野綾子)「天上の青」
  • 脚本 - 石松愛弘
  • 演出 - 久野浩平
  • プロデューサー - 北崎たか子
  • 制作 - PDS
主題歌
「ヘブンリー・ブルー」
作詞 - 白鳥澄夫 / 作曲・唄 - 白鳥英美子
フジテレビ 妻たちの劇場
前番組 番組名 次番組
天上の青
明るい家庭の作り方

テレビドラマ(1994年版)

井上由美子の脚本でドラマ化され、NHK-BS2『BSサスペンス』で1994年12月12日から15日まで放送された。総合テレビでも、1995年5月13日20日に『土曜ドラマ』で放送された。1994年度(第10回)文化庁芸術作品賞受賞[4]

キャスト
スタッフ



「天上の青」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「天上の青」の関連用語

天上の青のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



天上の青のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの天上の青 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS