区連 区連の概要

区連

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/22 00:32 UTC 版)

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区連
中国語
中国語 チー・リエン
繁体字 區連
簡体字 区连
発音記号
標準中国語
漢語拼音Qū Lián
ウェード式Ch'ü Lien
ベトナム語
ベトナム語クー・リエン
クオック・グーKhu Liên

生涯

元は日南郡象林県中国語版の功曹(『梁書』『南史』による。『晋書』『林邑記』『隋書』『唐会要』では功曹の子とする)であったが、初平3年(192年)に県令を殺して自立し、林邑王を称した[1][2]。子がなかったため外甥(『梁書』『隋書』『南史』『唐会要』による。『晋書』『林邑記』では外孫とする)にあたる范熊が王位を襲った(『隋書』による。『晋書』『梁書』『南史』『林邑記』『唐会要』など史料によっては、数代の後に区連の血統が絶えて范熊が王となったとする)。

東南アジア最古のサンスクリット[5]であるヴォーカイン碑文(武競碑文)英語版に見られるシュリーマーラ(サンスクリット: श्री मारा, ラテン文字転写: Śrī Māra))を区連に比定する説がある[6]ルイ・フィノー英語版らは[7]シュリーマーラは扶南国王の范蔓中国語版であるとしている[8]

中国学者のRolf Stein英語版は「区連」はK-Rm/krumないしはP-Rm/prumの音訳であり、崑崙 Kunlunなどと同源であると主張する。『通典』もまた崑崙、古龍などのK-Ln, K-Lngの声母・韻尾からなる地名・人名を王姓・王号であるとみなす。実際に、チャンパー碑文(サンスクリット・古チャム語碑文)にKu Pu Lyāṅ, Po Klaongなどの王号が見える。また、後漢末の嶺南には区星区景中国語版といった区姓中国語版の人物が頻出しており、「区連」も「区」もともに王である可能性がある。他に「区連」は「カリンガの者」の転訛であるとする説がある[9]。チャンパーを含む東南アジア諸国はインド東部のカリンガ海岸と貿易を行い、その文字(パッラヴァ・グランタ文字)もまたカリンガ海岸南端から発祥した。

参考資料

先代:
(独立)
チャンパ王
第1王朝初代:
192年 - ?
次代:
范熊?

  1. ^ a b c 桜井由躬雄 「南シナ海の世界」 『東南アジア史 I 大陸部』、61頁。 
  2. ^ a b 「ベトナムの拡張」 『東南アジアの歴史―人・物・文化の交流史』、50頁。 
  3. ^ 世界大百科事典 第2版. “林邑”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2020年7月10日閲覧。
  4. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ). “チャンパ”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2020年7月10日閲覧。
  5. ^ レイ・タン・コイ, p. 27
  6. ^ Sharma, p. 107
  7. ^ Cœdès, p. 40
  8. ^ Cœdès, p. 43
  9. ^ 中華百科全書 林邑”. 中国文化大学. 2017年10月9日閲覧。(繁体字中国語)


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